今やビジネスや個人で契約を交わす場面において、PDFへ電子署名を追加する方式が欠かせないものになりつつあります。
「電子署名」と聞くとどうしても難しそうなイメージがありますが、実はPDFへの電子署名を追加するのは意外なほど簡単です。それこそパソコンやスマホさえあれば、誰でも今すぐ電子署名を追加できます。
この記事では、PDFに電子署名を追加する方法を徹底解説!電子署名を追加するときに注意すべきポイントも紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.PDFファイルに電子署名(電子サイン)をするには?
そもそもPDFファイルに電子署名をするとはどういうことでしょうか。電子署名(電子サイン)とは、PDFなどの電子文書に対して、本人が署名したことを証明するためのデジタル形式のサインのことです。
電子署名が追加されたPDFなどの電子文書は、紙にペンを使って署名したのと同じ効力があることが日本国内の法律でも定められています。そのため、電子署名が追加されたPDFは、契約書や各種申請書といった正式な文書としても使用できるのが最大の特徴です。

また、電子署名にはタイムスタンプを含めることができるので、その文書が特定の日時に署名されたことを示す証拠にもなり得ます。
そして、電子署名が追加されたPDFは原則として再編集ができません。再編集ができないのは文書が改ざんされていない証明にもなるので、文書の真正性を担保することができるのです。
電子署名を追加したPDFファイルで契約を行えば紙のやり取りが不要になるので、郵送にかかるコストや時間の削減にも繋がるでしょう。
電子署名と混同しやすいものとして、PDFに追加できる署名やスタンプがあります。これらと電子署名の違いについては、以下の表で確認してみてください。
電子署名 |
署名・スタンプ |
|
目的 |
公的な本人確認や改ざん防止のため |
画像や文字として装飾を追加するため |
法的効力 |
電子署名法などに基づき、法的効力を持つ |
コピーや削除が容易なので、法的効力は無し |
利用シーン |
契約書・公的文書といった法的効力や信頼性が求められる文書に追加する |
社内資料などにメモするときや、確認印など簡易的な承認などで追加する |
追加の手間 |
デジタルID(証明書)の取得や設定が必要になり、導入までに手間もコストもかかる |
PDF編集ソフトで手軽に追加できる |
関連人気記事:電子署名とは?仕組み、電子署名と電子サインと電子印鑑との違い
2.PDFelementを使ってPDFに電子署名を追加する
PDF編集ソフトである「PDFelement」では、標準機能でPDFへ電子署名を追加することができます。ここでは、PDFelementの特徴や電子署名を追加する方法を解説していきます。
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①そもそもPDFelementとは

PDFelementは、PDF編集に関するさまざまな機能を1本にまとめたソフトウェアです。ページの結合や削除といった基本の編集機能はもちろん、他形式ファイルとの相互変換・OCR・パスワード保護といった高度な機能も搭載されています。
操作画面もシンプルで直感的に使えるので、PDF編集に慣れていない初心者でもスムーズに扱えます。個人での利用はもちろん、ビジネスでの活用もおすすめです。
さらにPDFelementは、電子署名機能を標準で搭載しています。PDFファイル内へ自由に署名を追加することができ、また、電子署名を自分でカスタマイズすることも可能です。画像を使う方式や直接入力する方式など、お好みの方法で電子署名を作成することができます。
②PDF編集ソフトを使ってPDFに電子署名を追加する手順
ここからはPDFelementを使い、実際にPDFへ電子署名を追加する手順をステップごとに紹介していきます。
ステップ1:PDFに電子署名を追加する前の準備
まず最初のステップとして、PDFに電子署名を追加する前準備を行います。
その1:電子署名のためのデジタルIDを取得・作成する
PDFに電子署名を追加する前に、デジタルIDを取得・作成しておきましょう。デジタルIDとは、電子署名を行う際に用いられる「電子的な(デジタル)身分証明書」のことです。
現実世界における運転免許証や社員証などの代わりになるものであり、署名を行った人が「どこに所属している誰であるか」を証明するための役割を担っています。日本国内においても、マイナンバーカードや国家資格を持った人の電子署名などで利用されています。
デジタルIDにはPDF編集ソフトなどを使って自分自身で発行できるものと、法的効力を発揮するために認証局(CA)から取得するものがあります。ビジネスで使用する契約書や公的文書などでは電子署名に法的効力を持たせる必要があるため、認証局から取得したデジタルIDを追加して、取引先や公的機関に受け入れられやすくするのが一般的です。
しかし、個人間でやり取りする場合や、必ずしも法的効力を持たせる必要のないPDFファイルなどであれば、無料で作成できるデジタルIDを使っても問題ありません。実際にPDFelementを使ってデジタルIDを作成する方法を確認してみましょう。
- PDFelementで電子署名したいPDFファイルを開き、左上側の「設定」から「環境設定」を開いてください。
- 環境設定画面が開いたら左側メニューの「署名」を選び、「デジタルID」タブを開いて「追加」をクリックします。

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- 「新しいデジタルIDを作成」にチェックを入れて、「次へ」をクリックしてください。
- デジタルIDの保管場所は「新しいPKCS⋯」を選びます。

- 必須項目である名前やEメールアドレスを入力し、次へ進んでください。
- 作成したデジタルIDの保存場所、パスワードを入力して作成完了です。

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その2:電子署名の表示方法を設定する
続いて電子署名の表示方法の設定です。署名の表示方法とは、表示する署名のフォントサイズや各項目の位置など、PDFファイル上でどのように署名を表示させるかを調整できます。
PDFelementではあらかじめ準備されている標準スタイルを選ぶか、自分で新しいスタイルの作成も可能です。ここでは新しいスタイルを作成する手順を解説します。
- 環境設定を開き、左側メニューの「署名」から「署名の表示方法」タブを開いて「作成」をクリックしてください。

- スタイルのタイトルを入力したら、「画像の設定」や「テキストを設定」でお好みの表示方法へ調整することができます。
変更した内容はリアルタイムでプレビュー表示されます。設定が完了したら、OKボタンをクリックしてください。

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- スタイルの設定が完了すると、環境設定画面へ戻ります。
- 新しく作成したスタイルを選択し、「適用」ボタンをクリックすることでスタイルが反映されます。

その3:タイムスタンプサーバー設定
電子署名においては「タイムスタンプ」も重要です。電子署名が「誰が署名したか」を証明するのに対し、タイムスタンプは「いつ署名されたか」を保証する仕組みといえ、電子署名が追加された文書の信頼性や法的効力を担保するうえで欠かせない要素といえます。
電子署名は「誰が署名したか」と「文書が改ざんされていないか」を保証していますが、署名を追加した正確な時刻までは証明できません。タイムスタンプが追加されていないと電子証明書の有効期限が切れた後に「署名が本当に有効だったか」を証明できず、後々トラブルに繋がりかねないため、タイムスタンプを設定しておくのも重要です。
ステップ2:PDFに電子署名を追加する
デジタルIDとスタイルを作成して準備が整ったら、実際にPDFファイルへ電子署名を追加してみましょう。
- PDFelementメニューバーの「保護」から「文書に署名」を選んでください。
- 文書の署名画面が表示されたら「署名者」の項目でデジタルIDを選択、「スタイル」の項目でスタイルを選択しましょう。

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- 最後にパスワードを設定して、「署名後に文書をロック」にチェックを入れておきましょう。

以上でPDFファイルへ電子署名の追加完了です。
電子署名を追加したPDFファイルは後から編集できなくなりますので、設定ミスやパスワードの入力間違いがないかどうか注意しておきましょう。

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おまけ:PDFに追加された電子署名削除する
PDFelementでは、自分でPDFに追加された電子署名を削除することができます。電子署名を削除したらPDFファイルが編集できるようになります。
電子署名を削除するには、画面上で署名を右クリックして「署名をクリア」を選択してください。

これで電子署名は削除されますが署名のボックスが残ったままになるので、上部メニューで「フォーム」タブに切り替えた後、空のフォームを右クリックして削除を選んでください。

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3.Abobe Acrobatを使ってPDFに電子署名を追加する

引用元:Adobe
PDFに電子署名を追加できるツールは、PDFelementだけではありません。PDFの本家であるAdobe社の「Acrobat」でも電子署名を追加することができます。
Acrobatはマウス操作だけでなくタッチ操作にも対応している他、電子署名後のPDFにロックをかけたり、変更履歴を確認できたりするので、電子署名を追加したPDFの改ざん防止に役立ちます。
PDFに関するあらゆることに対応している便利なAcrobatですが、ほとんどの機能は有料版を購入しないと利用できません。無料版で使える機能は限られており、電子署名の追加も有料版でないと行えませんので注意してください。
また、他のPDF編集ソフトと比べると操作方法が少し難しい点もデメリットといえます。特に電子署名を追加する操作手順は複雑で、スムーズに追加するためには慣れが必要でしょう。
Acrobatを使ってPDFに電子署名を追加する手順
ステップ1:電子署名を追加したいPDFファイルをAcrobatで開いたら、上部「ツール」⇨「証明書」⇨「電子署名」を選んでください。

ステップ2:PDFファイル上に署名ボックスが無い場合は、新規署名ボックスを作成する画面が表示されます。
「ドラッグして新規署名ボックスを作成」ボタンをクリックしてください。

ステップ3:署名を追加したい場所をマウス操作で指定してください。

ステップ4:Adobe上で作成したデジタルIDを選択後、デジタルIDに設定したパスワードを入力して「署名」ボタンをクリックして追加完了です。
4.PDFに電子署名を追加する時の注意事項
ここまでPDFに電子署名を追加する手順を具体的に紹介してきましたが、電子署名を追加するときには注意すべき点がいくつかあるので確認しておきましょう。
注意事項1:電子署名サービスやツールによって法的効力が異なる
電子署名が追加されたPDFは、紙に直筆でサインした文書と同等の法的効力を持ちますが、利用する電子署名サービスやツールによって法的効力も変わってくる点に注意が必要です。
例えば納税システムや国税の電子申告を利用するために用いる電子署名は一般向けですが、行政書士や社会保険労務士など国家資格を保有していることを証明するときには専用の電子署名が必要になるなど、目的や用途によって選ぶ電子署名サービスは変わってきます。
契約書や重要な公的文書として提出するPDFに電子署名を追加する場合など、目的に応じて公的機関から認証された電子署名サービスや信頼できるツールを使うようにしましょう。
注意事項2:電子署名を追加した後はPDFを編集しない
原則として、電子署名を追加した後はPDFを編集してはいけません。電子署名を追加したPDFを編集すると、改ざんされたとみなされ電子署名が無効になってしまうからです。
電子署名はいわば「この文書は確かに自分が作成したものだ」と証明してくれる役割を持ちます。もし電子署名を追加した後にやむを得ずPDFを編集しないといけなくなったのであれば、編集後に改めて電子署名を追加しなくてはなりません。
PDFに電子署名を追加したら、編集できないようにファイルを保存しておくか、電子署名が追加されたPDFのコピーを取っておくと安心です。
まとめ:PDFに電子署名を追加するならPDFelementを活用しよう!
PDFへ電子署名を追加するのは、契約書や公的文書といった重要な書類をやり取りするうえで欠かせない仕組みだといえます。特にビジネスにおいては「文書の信頼性」が非常に重要であり、現代においてPDF文書へ電子署名を追加するのは必須といえるのではないでしょうか。
PDFファイルに電子署名を追加するのであれば、PDFelementを活用するのがおすすめです。画面がわかりやすく、手順に沿って操作するだけで誰でも簡単に電子署名を追加できます。また、PDFelementは電子署名だけでなく、PDFに関するあらゆる編集・変換機能を搭載しているので、このソフト1本あればPDF関連作業のほとんどに対応できるでしょう。
電子署名をもっと簡単・確実に追加したいのであれば、ぜひPDFelementを活用してみてください。
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