建築設計や施工の現場では、PDF図面を活用する機会がとても増えています。
特に、PDFはCADで作成された図面データを共有する際に用いられることが多いため、「レイヤー」の表示は、とても重要な機能のひとつです。
レイヤー機能により、配線図や構造図、仕上げ図などの情報を1つのPDF内で切り替えて表示することが可能になるため、情報の整理や確認がよりスムーズになります。
しかしながら、PCではレイヤー表示ができても、iOSデバイス(iPhoneやiPad)ではうまく表示できないという課題を抱えていた方も多いのではないでしょうか?
そこでおすすめなのが、PDF編集アプリ「PDFelement」のiOS版です。
PDFelementのiOS版を使えば、iOSデバイスでもPDFのレイヤー表示が可能になります。
今回は、PDFレイヤーやiOS上でもPDFレイヤー表示ができるアプリ「PDFelement(iOS版)」の概要や操作方法とともに、建築現場での活用例なども併せてご紹介していきます。
PDFレイヤーとは?
「レイヤー」は、複数の情報を別々に描き、「層(レイヤー)」として重ね合わせることで、1枚の画像を構成するという手法です。
情報ごとにレイヤーを作成すると、必要に応じて表示/非表示が切り替えられるため、情報を選別したり、視認性を向上させたりすることができます。
そして、レイヤーを含むPDF図面の表示や印刷を実現するのが「PDFレイヤー」です。
たとえば、建築図面でPDFレイヤーが可能になると、次のような用途での活用が期待できます。
- 「構造図」「配線図「仕上げ図」などを個別のレイヤーに分ける
- 「施工ステージ」ごとの図面をレイヤーで整理する
- 「注釈」や「指示」を別レイヤーに分離して視認性を向上させる
このように、PDFレイヤーにより、図面の「見たい情報だけを表示する」ことが可能になるため、現場での意思疎通や確認作業などの効率化に役立ちます。
iOSでもPDFレイヤーを表示できるアプリは?
PDFレイヤーの表示や切り替えができるアプリは、ほとんどが「PC向けの高機能なPDFソフト」で、iOSなど、多くの「モバイル用のPDFアプリ」には、PDFレイヤーを表したり、切り替えたりする機能は搭載されていません。
そんな、モバイル用のPDFアプリのひとつ「PDFelement(iOS版)」は、PDFのレイヤー操作を実現する数少ないPDF編集アプリといえるでしょう。

なお、iOS版のPDFelementには、主に、次のようなPDFレイヤー機能が搭載されています。
- レイヤーの表示/非表示の切り替えが可能
- PC版と連携することでレイヤーの編集や削除も可能
PDFelement(iOS版)は、特に建築現場での実用性を重視した設計で、直感的な操作でレイヤー表示や注釈追加、図面の整理などが行えます。
さらに、PC版と連携することで、レイヤーの編集や削除図面全体の編集も可能になります。
なお、PDFelement(PC版)は、次のボタンから無料でダウンロード可能です。
PDFelement (iOS版)でPDFレイヤーを確認する方法
「PDFelement(iOS版)」により、iPhoneやiPadでもPDFレイヤーを表示することができます。
ここでは、PDFelement iOS版を使ってPDFレイヤーを表示・確認する手順をご紹介します。
▼「PDFelement(iOS版)」のレイヤー表示

- PDFelementでレイヤー付きのPDFファイルを開きます。
- 「ブックマーク」アイコンをタップします。
- 「ブックマーク」が開きます。
- 「レイヤー」アイコンをタップします。
- 設定されているレイヤーが表示されます。
目のアイコンをタップすると、レイヤーの表示/非表示を切り替えることができます。
さらに、表示中のレイヤーに対して、現場で気づいた点や指示を注釈・ハイライト・図形ツールを使って記録することも可能です。
これにより、情報の可視化や共有が一層スムーズになります。
現場のプロにおすすめする理由
PDFelementは、建築現場での実用性を重視した設計になっており、現場のプロにおすすめのツールといえます。
その理由は、単に「レイヤーが表示できる」という機能だけではなく、現場で役立つ機能が豊富に搭載されているためです。
たとえば、PDFelementの現場で役立つポイントには、次のようなものがあります。
● 高速かつ直感的な操作性
iOS版のPDFelementは、タップやスワイプで瞬時にレイヤー切り替えができるため、時間が命の建築現場でもストレスなく図面の確認が可能です。
● 多彩な注釈・マークアップ機能
マーカー、コメント、スタンプ、手書きツールなどを使用し、図面や作業内容に対する的確な修正指示が可能です。
さらに、状況や進捗の確認なども、文字にすることでスムーズにやり取りすることができます。
● PDFレイヤー表示の安定性
複雑なレイヤー構成のPDFでも動作が安定しており、描画の崩れや表示のエラーなどの心配が少ないのも大きなメリットのひとつです。
● OCR機能を利用した変換が可能
PDFelementに搭載されたOCR機能により、図面を検索や編集が可能なPDFに変換することができます。
● クラウド連携による情報共有
クラウドと連携すれば、オフィスで更新された図面を現場ですぐに確認することができます。
さらに、注釈付きのPDFもその場で共有可能です。
まとめ
PDFレイヤーの表示は、建築現場における情報整理や作業の効率化に不可欠な機能です。
これまで、PCに依存していたレイヤー表示ですが、「PDFelement(iOS版)」を活用することで、iPhoneやiPadでも高機能な図面確認が可能になるため、外出先や現場でも、すばやく確認や対応ができるようになります。
PDFレイヤーなど、高度な機能が豊富に搭載されていることはもちろん、直感的な操作性で使いやすい点も、大きな魅力といえます。
これからは、PDFelementにより、建築現場での図面確認や情報共有のスタイルを一歩先に進めてみてはいかがでしょうか。