はじめに
司法書士は、八士業「弁護士・司法書士・土地家屋調査士・弁理士・税理士・社会保険労務士・行政書士・海事代理士」の1つに数えられる士業です。詳しい仕事内容は知らなくても一度は聞いたことがある職業でしょう。
今回は、司法書士の資格を取る前に知っておきたい仕事内容や、スキル、試験概要とその学習方法についてお伝えします。また、仕事に役立てるツール、文書を電子化する方法として、PDFをOCRするツール「PDFelement」(PDFエレメント)も紹介します。
目次:
1. 司法書士とは?主な仕事内容を紹介
司法書士は、「市民の身近な法律家」として活躍する場が多く、その業務内容は多岐にわたります。
(1)登記手続き業務
登記手続きは「不動産登記」と「商標登記」の大きく2つに分かれています。
① 不動産登記
┗ 権利登記:いわゆる「誰が所有者なのか」という権利に関する登記です。家や土地などの不動産を購入した場合に、申請が必要です。
┗ 表題登記:建物を新築・改築、使用用途を変更した場合など、その都度申請する必要があります。こちらは土地家屋調査士の業務です。
司法書士は不動産登記のうちの「権利登記」の手続き業務を代行することができます。
② 商標登記
新しく会社を設立したときに、法人としての登記を行います。この業務を契機にその会社と深くかかわり、「企業法務」としての役割を担うことも多くあります。
(2)企業法務
企業の経営などに関わる法律上の問題や、日常的法務に関するアドバイスなどを行います。
(3)相続・成年後見業務
判断能力が十分でない人の財産を適切に管理するために、家庭裁判所への申立てで選任された後見人等が本人に代わって財産管理などを行うことができる成年後見制度があります。
この制度を前提とした、財産保護のサポートやアドバイスを行います。
また、正式な遺言書の作成や、相続による不動産手続きなども行うことができます。
(4)簡裁訴訟代理・サポート(簡裁訴訟代理等関係業務)
特別研修を受けて認定された「認定司法書士」であれば、簡易裁判所の管轄にある裁判事件で依頼人の代理人として裁判業務に関わることが可能です。ただし、訴額(請求額)が140万円を超えない場合のみとなります。
その他、「供託業務」など幅広く需要がある職業です。
独立する際には、自分がアピールしたい業務を前面に押し出して開業する、というのも1つの方法でしょう。
2. 司法書士に求められるスキルとは
司法書士は、どのようなタイプの人が向いているのでしょうか?士業に携わる者としての心構え+αであったほうがよいスキルとは?
(1)独立心に富む
ほとんどの司法書士は、司法書士事務所に数年間属して経験を積んだ後、独立開業します。
企業に属さず将来は自分の力で稼ぐ、という自立心・独立心を持っているからこそ、司法書士の道を選択したといえるでしょう。
(2)勉強家である
司法書士になるまでの勉強はもちろん、司法書士になってからも法律改正などについて常に新しい情報を取り込む前向きな姿勢が必要です。
(3)几帳面である
書類作成や申請業務を代理するには、丁寧かつ正確に作業を進めることが重要です。
(4)コミュニケーション能力が高い
司法書士は代理人として活躍する場面が多いため、裁判所・銀行・法務局など多くの機関とやり取りをしたり、顧客の相談相手になることもあります。
また、開業となれば営業活動も欠かせません。対人関係を良好に保ち、人脈を広げるコミュニケーション能力がカギになってくるでしょう。
(5)メンタルが強い
不動産や財産のこと、民事事件や過払い金に関することなど、代理人として対応する内容はさまざま。顧客それぞれの要望に的確に応えるには強い精神力と体力が必要です。
3. 司法書士になるための試験は?合格率の分析と学習方法を紹介
司法書士になるためには、司法書士試験に合格する必要があります。
(1)受験資格
年齢・学歴・性別などの条件はありません。また、受験回数の制限もありません。
(2)試験内容
一次試験(マークシート方式・記述式の筆記試験)と、二次試験(口述式の面接試験)があります。
(3)合格率
ここ数年の傾向として参考にしてください。司法書士は難関資格といえるでしょう。
・司法書士:3~4%
・司法試験:30~40%
・行政書士:10~15%
・宅建士:15~17%
・税理士:15~20%
(4)学習方法
司法書士試験に合格するために必要な勉強時間は、3,000時間程度と言われています。
1年間毎日8時間以上、休みなしで勉強しなければこの数字にはなりません。そのため、多くの人は3~4年の年月を費やしているのが現状です。
独学よりも、資格専門の予備校などを利用して、モチベーションを維持しながら継続的に勉強する必要があるでしょう。
4. 司法書士の仕事に役立つツールは?
司法書士が外出するときに持ち歩く代表的なものとして、ハンコや朱肉、職印のほかに、登記簿などの書類があります。
登記簿以外にも司法書士が扱う書類は多種多様。それらの書類には個人情報が含まれていることがほとんどです。
個人情報が含まれている書類を持ち歩かないこと、がベストですが、やむを得ず持ち歩かなくてはいけない状況もあります。
そのようなときには、書類の原本をPDF化して電子データとして持ち歩く司法書士も多いと聞きます。
PDF化すれば、ノートパソコンやクラウドで管理してパスワードなどで保護できるようになるため安易に閲覧される心配も軽減されますし、重い書類を持ち歩く手間もなくなりますね。
ペーパーレス化が加速していることもあり、このようなPDFの活用方法はますます増えていくでしょう。
ここでは実際に、PDF編集ソフト「PDFelement」(PDFエレメント)の機能を使って、書類をPDF化する手順をご紹介します。
【手順】
【Step 1】書類をスキャナーなどで取り込みます。
【Step 2】「PDFelement」を起動して、スキャンした書類を開きます。
[ファイル] > [開く] からファイルを指定するか、そのまま「PDFelement」にファイルをドロップすると開けます。
【Step 3】書類にテキスト認識できる箇所が存在すると、画面上部に「スキャンされたPDFファイルです。このPDFを検索・編集するには、OCR機能を実行する必要があります。」のメッセージが表示されます。
[OCRを実行する] ボタンをクリックしてください。
このとき「操作前に「XXX.pdf」を保存しますか?」のメッセージが表示されますが、保存は任意です。必要に応じてPDFを保存してください。
【Step 4】「OCR PDF」画面で [ページ範囲] などを指定後、[適用] ボタンをクリックします。
【Step 5】OCR処理が完了すると、[(スキャンした書類の名前)_OCR.pdf] の名称で新たなタブが表示されます。
これでスキャンした書類がPDF化されました。
あとは、PDF自体に [保護] > [パスワードを設定] してセキュリティを強化することもできますし、自分だけがアクセスできるクラウドなどにPDFを保存しておいて必要なときだけ閲覧することもできます。
➬Microsoft Office、画像、テキストなど合計17種類のファイル形式に対応。
➬レイアウトと書式を崩さずに、各形式に合わせた高度設定も可能。
➬互換性あり!他のファイル形式からPDFまで直接作成/変換可能。
まとめ
個人情報を守るためには、運用フローを作成して周知徹底&実施することが重要です。その1つの手段として、「PDFelement」(PDFエレメント)を組み込んでみてはいかがでしょうか。
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