はじめに
税理士は、税理士の資格を持つ人だけが行える3つの独占業務(税務代行・税務書類の作成・税務相談)を中心に、スキルを活かして幅広い活躍をすることができる、[企業の頼れるパートナー]のような存在です。
会計士が、上場会社や大企業の財務諸表監査を行う立場であるのに対し、税理士は、企業や個人の税金に関する申告書類の作成やアドバイスを行う、税金のエキスパート。
少子高齢化に伴い、税理士の需要は増えていますが、税理士試験の難易度は高く、資格をとるまでに少なくとも4~5年かかると言われています。
今回は、税理士を目指す方に資格取得の基本的な流れと、合格するために重要なポイントをご紹介します。
目次:
1. 税理士の資格取得の流れ
税理士として仕事をするためには、次のようなステップを踏んでいきます。
(1)受験資格の確認
税理士になるためには、税理士試験に合格する必要があります。
しかし、定められた4つの項目(学識・資格・職歴・認定)のいずれかに該当しなければ、試験を受けることができません。
まずは、国税庁のHPで、受験資格を持っているかを確認しましょう。
◆ 参考:国税庁HP(税理士試験受験資格の概要)
https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishishiken/shikaku/shikaku.htm
(2)受験申込
税理士試験は年1回、例年8月上旬~中旬ごろに実施されています。
令和3年度は4月中旬に受験申込用紙の交付が開始され、5月上旬~中旬までが受験申込期間というスケジュールで、例年同じぐらいの時期に実施されています。
(3)合格発表の確認
令和3年の合格発表は12月中旬に実施されました。
合格した場合は、合格発表予定日の官報に、受験地と受験番号・氏名が掲載されます。
(4)実務経験を積む
税理士になるためには、日本税理士会連合会の税理士名簿に登録しなければならないことが税理士法に定められています。
ところが、名簿へ登録してもらうためには[税理士試験の合格]だけでなく[2年以上の実務経験]が必要です。
実務経験は、合格の前でも認められるため、税理士試験受験前に経験を積んでおけば、合格後少しでも早く税理士として活躍することが可能となります。
(5)税理士会へ登録
税理士会に必要な書類を提出し、登録を申請します。
各税理士会が内容を調査し、日本税理士連合会で登録が完了すれば、税理士として業務を開始することができます。
2. 税理士試験の概要
(1)試験科目
試験は[会計学科目]と[税法科目]に分かれており、その中から合計5つの科目に合格する必要があります。
ただ、5科目まとめて合格しなければならないわけではなく、科目ごとに試験を行う[科目合格制]ですから、複数年かけて、1科目ずつ受験することも可能です。
① 会計学科目(2科目必須)
・簿記論
・財務諸表論
② 税法科目(3科目選択:所得税法又は法人税法はどちらか必須)
・所得税法
・法人税法
・相続税法
・消費税法又は酒税法
・国税徴収法
・住民税又は事業税
・固定資産税
(2)試験日程
受験申込は郵送の他、e-Taxでも行うことができます。
申込期間が例年約10日間ほどしかないため、スケジュールが発表されたら、[申請書類と作成上の注意事項]を事前にしっかり確認し、写真など事前に準備できるものは準備を済ませておきましょう。
詳しい試験日程や申込方法は、国税庁のHPで確認してください。
◆ 参考:国税庁HP(税理士試験)
https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishishiken/zeirishi.htm
(3)難易度
難易度や必要な勉強時間の目安は、科目によって大きく変わるため、選択科目を選ぶときには、[内容の難しさ][興味の有無]だけでなく[勉強しなければならないボリュームの多さ=必要な学習時間の長さ]も考えて選択しましょう。
3. 合格するために重要な2つのポイント
税理士試験は、取得までに[少なくとも4~5年かかる]と言われていることからもわかるとおり、長い時間をかけて勉強に取り組む必要があります。
そのために必ず必要になることが、[計画性]と[モチベーションの維持]です。
(1)計画性
試験は1年に1回ですから、それまでに何をどこまで行うのか、1年の計画をしっかりたてて、時間を確保して進めていくことが大切です。
効率的に進めるための教材を確保し、インプットだけでなくアウトプット(過去問題の実施など)も繰り返し、自信をつけながら取り組んでいくと良いでしょう。
(2)モチベーションの維持
モチベーションを維持するためには、将来の目標を、できる限り具体的にしておくことをお勧めします。
勉強時間が長くなってくると、[勉強すること]や[合格すること]が目標になってしまうことがあります。
でも、本当の目標は違うはずです。
勉強して税理士試験に合格することは、自分が本来目指す目標を達成するためのひとつの手段に過ぎないのです。
「企業の成長の手助けとなり、社会貢献がしたい!」「たくさんの顧客の悩みを解決する手助けがしたい!」など、目標を具体的に言葉にしておき、いつでも確認できるようにしておくことで、モチベーションを復活させることができます。
そして、ときには[息抜き]や[自分へのご褒美]も忘れずに。
また、ソフトを活用して、PDF資料の管理に上手くできれば効率もアップできます。
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まとめ
「税理士」は、簡単に取得できる資格ではありませんが、その分需要も多く、お客様に寄り添って働くことで「人の役に立てる」職業です。
企業や個人のさまざまな悩みを解決していくことで、「社会貢献している!」という実感も得られることでしょう。
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