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「働き方改革」が大きく叫ばれて久しい昨今ですが、実際に私たちの生活に何か変化があったのかイマイチ実感がわかない、一体どういった目的で提言された物なのかわからないという方も多いかもしれません。 もう一度「働き方改革」の概要について確認してみましょう。
1.働き方改革とは
働き方改革とは、個人それぞれの状況に応じた柔軟な働き方が出来るようにと提言されたものです。日本の人口は2008年を境に減少傾向にあり、労働力不足が懸念されています。それを解消するため、労働生産性を向上させ、働き手を増やそうというわけです。
テレビやインターネットで多く言われているものでは、長時間の労働や過度な残業を是正し、雇用契約書通りの勤務時間での就業となるように調整することが含まれます。 残業時間が月100時間未満、年間で720時間までと規定され、違反した場合には罰金が科されることになりました、それに付随して、年5日の有給休暇取得義務も設けられました。日本では有給休暇の取得率が50%前後と低く、他国と比べてもかなりの低水準となってしまっています。政府は2020年までに取得率を70%にする目標を掲げていますが、程遠いといえるでしょう。
続いて、非正規雇用労働者(派遣・契約社員等)と正規雇用者間の格差待遇の是正が挙げられます。日本では雇用者の中で非正規労働者が4割を占めており、雇用形態での待遇や労働時間に格差があると断定されています。
そして、いま最も重要とされているのが、柔軟な働き方が出来る環境を作るということです。これは、フレックスタイム制や在宅勤務などで、個人の働きやすい環境で自由に働くことが出来るようにというものです。育児のため通勤せずに仕事を行う、また、疾病により自宅での療養を余儀なくされる場合でも、仕事に従事できるといったものです。
昨今のコロナウィルスの動向によって「テレワーク」という言葉が大きく取り沙汰されてきました。働き方改革と合わせ、より柔軟な労働環境の構築が期待されます。
こちらと合わせ、業務においての「ペーパーレス化」が推進されています。文字通り紙資源を削減することですが、印刷物をPDF等の文書データで管理、有給休暇取得等の申請書もデータでやり取りするという具合です。次項ではペーパーレス化によって期待される事柄を見ていきましょう。
2.ペーパーレス化によって生じるメリット
ペーパーレス化を行うことで得られるメリットは様々あります。一つは紙資源依存によるリソースの削減です。例えば、印刷に必要なインクや用紙などの諸経費を削減できるのはもちろんのこと、破棄する際のコストも省略できます。 また、書類を保管しておく必要がある場合のスペースの確保も必要ありません。
データ化しておくことで、必要な書類の内容を管理しやすくなります PCで管理する場合はフォルダで一元管理したり、データベースを用いて検索できるようにしたりと、効率化が望めます。
加えて、不測の事態でデータが破損してしまった場合でも、クラウドストレージなどにバックアップしておくことでいつでも復元することが出来ます。これは上記の保管スペースの観点からも非常に有効です。外部への持ち出しの心配もないためセキュリティ対策も万全といえるでしょう。
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3.ペーパーレス化を実際に行うために必要な機材や施策
では実際にペーパーレス化を行うために何をすればいいのでしょうか?色々考えてみましょう。
・すべての書類のデータ化
・それに伴う文書ファイルテンプレートの作成
・会議などで資料を確認する場合、必要があれば人数分の電子端末を用意する
・どのように保管するかを考える(HDDやディスクなどの物理メディアに保存するのか、クラウドストレージを利用するか)
・業務上やり取りする手段を考える
簡単に挙げるとこのようになるでしょうか。書類のデータ化を行うにあたって、テンプレートを用意すれば今後の作成に支障はありません。しかし、それ以前に作成された書類をデータ化するにあたってスキャナー取り込みなどが必要になります。一度取り込んでしまえば紙媒体のものは破棄してかまいません。
会議などの場で資料を共有する際はプロジェクターを用意するか、人数分の電子端末が必要になります。これはテレワークを行う場合でも同様ですが、各々で綿密に資料を確認する場合は、やはり端末を用意するのが望ましいでしょう。
後はそれらファイルをメールでやり取りするのか、クラウドストレージで共有するのか、利用手段を考える必要がありますね。メールでは添付ファイルの容量制限がある場合があります。クラウドストレージでは、一度アップロードしてしまえばアクセス権を持っているすべての人間と一括共有できます。アクセスできる人間を限定したい場合は、管理者のアカウントと分けるなどすると良いでしょう。
ペーパーレス化を行うことで、ぜひ業務の効率化を図ってください。
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