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インフォグラフィックでわかる「2021年はペーパーレス化のチャンス!」

はじめに

パソコンの普及に伴って、ビジネス界ではペーパーレス化が叫ばれてきました。近年、環境問題への対策や労働生産性向上の目的でペーパーレス化が少しずつ進んできていますが、多くの職場の現状を見ると大きく進展しているとは言えない状況にも思えます。 電子データは、紙資料よりも環境にやさしいことや検索性が高いことから注目も非常に高く、ペーパレス化について気になっているという方も増えています。

こうした現状を鑑み、最初に現状を客観的に確認し、再度そのメリットを考え、またデメリットについても考察し、なぜドラスチックに進展しないのか、進展させるにはどうすれば良いかを考えたいと思います。また、ペーパーレス化の概要や法律などについて解説していきます。


目次:


Part 1. ペーパーレス化とは?


ペーパーレス化とは、文字通りビジネスの世界で多数存在する紙の資料をなくす事で、紙の資料に代わって、電子データーで管理・活用する事を指します。
具体的には、インターネットFAX・PDF・電子書籍・電子カタログ・WEB会議録・勤務管理などを電子化したりクラウド管理したりすることで実現します。2000年代の初頭から少しずつ始まった試みですが、自然災害や新型コロナウィルス等による社会環境の変化から注目が非常に高まっています。そういった社会環境の変化からテレワークが推進されるようになったことで、よりペーパーレス化の価値が上がったのです。


ペーパーレス


従来の手書きで作成された紙の資料なら、スキャナで読み込み電子化し、パソコンで作成された資料ならそのままSDカードやUSBメモリーを介して保管・情報のやり取りをしたり、サーバーに保管してイントラネット等のネットワークを通して書類をやり取りすると言った方法で、紙の資料を削減しようと言うものです。
どこの企業の職場では、パソコンは行き渡り、ネットワークを構築する事もそれほど大変とは言えません。そんな中で、まだまだ不十分と思える現状について、再度深く検証したいと思います。


そしてペーパーレス化は、「環境対策」「労働生産性の向上」「コスト削減」「BCP対策」などの幅広い効果が期待できるのです。「環境対策」については、消費する紙を削減することにより伐採する森林を減らし、CO2の削減に貢献することができます。
▶「労働生産性の向上」については、紙媒体の資料に比べ電子データは管理が容易であり、時間や管理スペースの節約と情報共有の簡易化などの効果が期待できるのです。
▶「コスト削減」については、資料を電子化することで印刷代や紙代の削減や、資料管理スペースの削減により達成することができます。
▶「BCP対策」については、資料を電子化することで地震・火事・大雨・大雪などの自然災害により、資料が物理的な被害を受けることを防げるのです。


そして紙媒体から電子データに移行することは企業にとって便利になるだけでなく、地球環境にとっても前向きなものであるといえるのです。


Part 2. ペーパーレス化を後押しする法律改正について


国としてもペーパーレス化の必要性を認識して、従来は紙の書類を必要としていたものを、電子データーで代用できる事を法律で明確化し後押しの施策を講じています。
ペーパーレス化が推し進められる背景には、法律がペーパーレス化に有利に改正されているというのもあります。以前は法律において「資料を紙で管理すること」が義務付けられていました。しかし、1998年に制定された「電子帳簿保存法」に始まり、少しずつ「資料を電子化して管理すること」が進められてきたのです。そしてここ数年で、資料の電子化を推し進める法律の制定はより進んできています。


経理



具体的には、株主報告書類・労働関係書類・決算書類・3万円以下の取引書類の一部の電子化を認めるなどの「一部承認」が行われ、2016年からは3万円未満の規制を撤廃するなどの「規制緩和」が行われ、領収書をスマホ等で撮影し電子化する事が「自由化」するなどしてきました。

さらには、働き方改革関連法にペーパーレス化が具体策として含まれているなど、国を挙げてペーパーレス化を推し進めてきたのです。先に記載した様にパソコンやメモリーやネットワークと言う環境と共に、法律面でも整備され後押しされているのです。


Part 3. ペーパーレス化のメリット


あらゆる種類の資料をペーパーレス化できることは、多くの企業にとってメリットになります。ここでは、ペーパーレス化をすることによるメリットを4つ紹介していきます。


#メリット1:環境対策ができる

紙の原料となる森林が伐採されるスピードは、森林が再生するスピードと比例しておらず、このままでは地球資源である森林が大きなダメージを受けてしまいます。だからこそペーパーレス化を進めて、CO2を削減し地球温暖化の対策をしていくことが大切なのです。そして紙を1トン削減すると、13本の樹と10万リットルもの水を節約できるのです。さらに、資料も劣化しないので永続的に使用することができます。
また2015年に国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」においてもペーパーレス化は重要であるとされています。ペーパーレス化は、SDGsの17ある開発目標のなかでも、13番目の「気候変動に具体的な対策を」、14番目の「海の豊かさを守ろう」、15番目の「森の豊かさも守ろう」、17番目の「パートナーシップで目標を達成しよう」に該当しています。企業の取り組みとして有効とされるペーパーレス化ですが、世界的に推し進められているものでもあるのです。


#メリット2:時間節約と共有効率の向上

紙資料を使うと印刷する時間や資料を整理する時間、会議であれば資料を配る時間を作らなければなりません。そして資料の情報を共有する際も、紙資料であれば同じ場所かつ同じ時間帯に相手がいないと情報共有をすることができません。しかし電子化された資料であれば、紙資料を印刷したり整理したりする時間も必要ありませんし、資料を渡したい相手がその場にいなくても、すぐに共有することができるのです。ちなみに、紙資料を使用して情報を特定するのにかかるとされる時間は18分ほど、電子化された資料から情報を特定するのにかかるとされる時間は2秒ほど、とされています。この資料特定にかかる参考の時間を元にすると、電子化された資料を使用するだけで約18分もの時間を節約できてしまうのです。これは労働生産性の向上に大きく貢献しているといえます。


ペーパーレス化


#メリット3:保管場所不要によるコストの削減

紙資料は、どうしても保管場所が必要なので専用のスペースが必要になってしまいます。棚をいくつか使用するだけで済む場合もありますが、資料が多く必要になる職種であれば、資料室や専用のオフィスを設けなければいけないことも少なくありません。そして専用スペースを使用するためのコストもかかってきます。ちなみに、容量1000枚の紙書類の文書保管庫を置くには1平方メートルの空間が必要になりますが、電子化された資料なら容量は無制限でフォルダー1つで管理が可能なのです。電子化することで保存コストを削減するだけでなく、今まで紙資料を保管するために使用していた専用のスペースを、他の用途に回すこともできます。


#メリット4:情報の管理が安全にできる

紙で資料を保管していると、予期ができない地震・火事・盗難・水没などにより、資料が物理的に損失してしまう可能性があります。しかし、電子化することでBCP対策や盗難対策をすることができ、安全にデータを管理することができます。ただし、電子データを安全に管理するにはネットワークセキュリティ等の対策は万全にしておくことがとても重要です。




Part 4. 企業におけるペーパーレス化推進の現状について


ペーパーレス化の推進は国を挙げて行われていますが、あまり進んでいないというのも現状です。紙書類保管重量の推移を見てみると、1990年で900万トン、2000年で1200万トン、2017年の時点でもまだ800万トンとされています。ここから、未だに多くの紙が使用されていることがわかります。

推進があまり進んでいない理由としては、「紙資料を使用していた従来のやり方から離れられない」「業界により紙で資料を管理しなければいけない場合がある(建設業・不動産業・保険業など)」「ペーパーレス化を行った後のオペレーションが学べていない」などがあります。こうした現状に対して有効とされているのは、経営者層がペーパーレス化を意識的に進めていくことです。個人単位や部署単位だけでなく、企業全体で行うことで変化を起こしやすいとされています。そして従来のやり方を急に変えるのは難しいので、長期的な視点を持って取り組むことが重要です。また、社員全員がスマートフォン・タブレット・PCといった、マルチデバイスを使いこなせるようになるための取り組みやサポートも必要です。



Part 5. インフォグラフィックからペーパーレス化を理解しよう!


ペーパーレス化のインフォグラフィック


まとめ

今回は、「ペーパーレス化の概要」「ペーパーレス化にまつわる法律改正」「ペーパーレス化のメリット」「ペーパーレス化の現状」についてご紹介してきました。ペーパーレス化は、環境対策・労働生産性・コスト削減など、多くの利益を企業だけでなく地球環境にももたらしてくれるものです。そして法律改正などが整った現状は、ペーパーレス化のチャンスであるともいえます。


ペーパーレス化には多くのメリットがあり、国もそれを後押ししていますが漸減しているものの、一気に進展していると言う状況ではありません。
これは前項で記載したデメリットや阻害要素があるからです。しかし、やはり日本の職場では課題を根気強く改善し、推進し続ける必要があり、デメリットを解消するソフトやネットワークツールを積極的に導入する事も重要と言えるでしょう。

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作成日: 2018-08-02 11:50:38 / 更新日: 2023-05-22 11:39:39

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