はじめに
「電子捺印を導入しようと思っているのですが、最適な方法がよくわかりません。また、ツールなども把握できていないので、おすすめのものをWindowsとMacそれぞれで詳しく教えてほしいです」
この記事はこんな悩みを抱えている方が対象。
結論から言うと、WindowsもMacも電子捺印をする方法はそれほど変わりません。したがって、重要なのは電子捺印に最適なツールを使用することになります。
この記事では電子捺印の基本や方法に加えて、以下のおすすめツールについてまとめました。
● PDFelement
● Adobe Acrobat
● DocuSign(ドキュサイン)
電子捺印をスムーズに導入したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次:
1. 電子捺印とは
電子捺印(電子印鑑)とは、実印などの物理的な印鑑をデジタル化したもの。主に電子文書やデジタルデータに対して使用されます。主な役割は以下のとおり。
● 署名
● 承認
● 確認
このように電子捺印は、実印が果たす役割とほぼ同様です。主な使用例としては以下が挙げられます。
● 電子文書に対する署名
● 電子契約での捺印
● 承認を必要とするデジタルトランザクション
電子捺印がもたらすメリットは計り知れません。昨今はペーパーレス化が進み、業務における手間や時間を削減する取り組みが盛んになっていますが、電子捺印もその一部と言っても過言ではありません。
紙だけでなく印鑑もデジタルデータにすることで、さまざまな情報の送受信や保管がスムーズになります。
1-1.電子捺印の形式
電子捺印は一般的に画像形式(PNGやJPEGなど)で作成されます。使用手順としては、特定のソフトウェアやオンラインツールから電子文書に貼り付けるのが一般的です。
また、電子捺印にはセキュリティの観点からパスワードを設定することもあります。
1-2.電子捺印の法的な効力
電子捺印はさまざまな電子ファイルにそのまま貼りつけることができるため、非常に使い勝手のいい存在です。
しかし法律的に見ると、法的な効力は実印よりも低いといわれています。もし電子的なやり方で法的な効力を証明したいのであれば、電子署名がおすすめです。
→関連記事:契約書作成も電子媒体で!電子サイン、電子署名、電子印鑑の特徴と違いについて解説
2.WindowsとMacでPDFファイルに電子捺印をする最適な方法
PDFファイルに電子捺印する方法は、WindowsとMacでは若干違います。ただし、それぞれのOSに対応しているツールやサービスを使用すれば、方法にこだわる必要はありません。
ここでは、WindowsとMacそれぞれで最適と言える、PDFファイルに電子捺印をする方法を紹介します。
2-1.Windows
WindowsでPDFファイルに電子捺印をする最適な方法としては、Microsoft OfficeのWordやExcelを利用することです。
WordやExcelには図形を作成できる機能が搭載されているので、それを利用して電子印鑑を作成し、PDFファイルを読み込んで配置すれば電子捺印が完了します。
なお、Excelで電子印鑑を作成する手順は以下のとおりです。
1. ソフトを起動したら上部メニューから「挿入」を選択 2. 「図形」を選択 3. 一覧からお好みの図形を選ぶ 4. 文字を入力し色やサイズを変更 5. 好きな位置に設置する |
以上で完了です。
お使いのWindowsパソコンにOfficeソフトがインストールされているなら、有効活用しましょう。
→関連記事:電子印鑑の利便性を最大限に活かす方法:無料で使えるPDF、Excel、Wordの電子印鑑作成手順
2-2.Mac
MacでPDFファイルに電子捺印をする最適な方法としては、標準搭載されているアプリプレビュー」を利用することです。
「プレビュー」アプリは、画像ファイルとして保存した電子印鑑をPDFファイルに追加できます。
電子印鑑は別途用意する必要がありますが、Macユーザーが電子捺印をするにはもっとも手軽でスムーズな方法と言えるでしょう。
3.電子捺印におすすめのツール3選
電子捺印ができるツールはいくつかありますが、なかでもおすすめのツールを3つ厳選しました。
特徴と使い方をそれぞれ解説するので、あなたに最適なツールを選んでみてください。
3-1.PDFelement
「PDFelement」は、PDFファイルの編集のオールインワンソフト。電子捺印や編集もかんたんに行うことができます。
特徴 | 詳細 |
---|---|
マルチプラットフォーム | Windows、Mac、iOS、Androidなど複数のプラットフォームに対応 |
PDFの編集機能 | テキストや画像の編集、ページの追加や削除が可能 |
電子印鑑などの注釈を作成・編集できる機能 | デジタル署名や電子印鑑の作成・追加が可能 |
フォーム作成 | PDFフォームの作成や編集が可能 |
OCR機能 | 文字認識機能を通じて、スキャンした文書を編集できる |
変換機能 | PDFをWordやExcel、PPTなど他の形式に変換できる |
AI機能 | ChatGPTと連携したさまざまなAI機能を利用できる |
<電子捺印のやり方>
1. ソフトを起動したら上部メニューの「注釈」を選択 2. 「スタンプの管理」を選択 3. 「電子印鑑」を選択 4. 一覧からお好みのものを選ぶ 5. 好きな場所に電子印鑑を設置する |
3-2.Adobe Acrobat
Adobe Acrobatは、PDFファイルの作成から編集、管理ができる定番のPDF編集ツール。ビジネスシーンで幅広く使用されています。
特徴 | 詳細 |
---|---|
マルチプラットフォーム | Windows、Mac、iOS、Androidなど複数のプラットフォームに対応 |
PDFの編集機能 | テキストや画像の編集、ページの追加や削除が可能 |
電子署名機能 | デジタル署名や電子印鑑の作成・追加が可能 |
フォーム作成 | PDFフォームの作成や編集が可能 |
OCR機能 | 文字認識機能を通じて、スキャンした文書を編集できる |
変換機能 | PDFをWordやExcel、PPTなど他の形式に変換できる |
高度なセキュリティ | パスワード保護、アクセス制御、暗号化などのセキュリティ機能を搭載 |
<電子捺印のやり方>
1. 「ツール」タブから「スタンプ」を開く 2. 「スタンプ」>「電子印鑑」と進み、カーソルを合わせてスタイルを選ぶ 3. クリックして印影の情報を入力する |
3-3.DocuSign(ドキュサイン)
DocuSign(ドキュサイン)は、世界中の企業が電子署名を安全に行うためのクラウドベースのプラットフォーム。契約書などの文書に署名し、その管理をかんたんに行うことができます。
特徴 | 詳細 |
---|---|
使いやすさ | インターフェースが直感的で、署名や文書の送受信が容易に行える |
セキュリティが高い | 高度なセキュリティ対策と監査証跡を提供し、文書の完全性と真正性を確保 |
モバイル対応 | スマートフォンやタブレットからでも署名や文書管理が可能 |
法的に有効 | 世界中の多くの国や地域で法的に認められた電子署名がおこなえる |
その他ツールと統合できる | Salesforce、Google、Microsoftなど、多数のビジネスツールと統合できる |
<電子捺印のやり方>
1. 文書の内容を確認する 2. [開始] をクリックする 3. 署名や押印などアクションが必要なフィールドで電子捺印をおこなう |
4.電子捺印を利用する上での注意点
電子捺印を利用する場合は以下に注意しましょう。
● 合法性
● セキュリティ
● 保存方法
電子捺印は現在、すべての状況で法的に認められているわけではありません。したがって、利用する場合は各方面に確認しましょう。
また、第三者からの不正使用を防ぐためにもセキュリティ対策の実施や、電子捺印の保存や管理についても考慮してください。
5.電子捺印に関するよくある質問
ここでは電子捺印に関するよくある質問をまとめました。ツールやサービスの利用を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
5-1.電子捺印のメリット・デメリットを教えて
A:電子捺印のメリットとデメリットは以下のとおりです。
<メリット>
- ペーパーレス化
紙やインクを必要としないため、コスト削減や環境負荷の軽減につながります。 - 業務の効率化
電子文書の署名や承認プロセスがスムーズになるため、作業の効率が向上します。 - 文書管理の簡易化
電子的に管理されるため、文書の保管、検索、複製が容易になります。 - リモート作業の支援
実印を持参する必要がないため、リモートワークやテレワークに適しています。
<デメリット>
- 法的な課題
電子捺印はすべての法域や場面で法的に認められているわけではありません。したがって、場合によっては実印が必要です。 - セキュリティの問題
電子捺印は不正使用される可能性やデータ漏洩のリスクがあるので、適切なセキュリティ対策が必要です。 - 技術的なハードル
一部のユーザーにとっては、電子捺印の作成や管理、使用に関する技術的なハードルが高くなる可能性があります。 - 認知度と信頼性
電子捺印は実印に比べて認知度や信頼性が低い場合があります。
5-2.電子捺印は安全に利用できますか
A:ツールやソフト次第といえます。
ほとんどのツールやソフトは、セキュリティを万全にして提供しています。しかし、絶対的な安全を確保できるかと問われれば、なかなか難しいと言えるでしょう。
したがって、安全第一で電子捺印を実施したい場合は、セキュリティ機能が充実していて品質の高いツールやソフトを利用しましょう。
6.まとめ
電子捺印の最適な方法とおすすめツールについて解説しました。
重要なポイントをおさらいしましょう。
● 電子捺印はさまざまなツールやソフトで実行できる
● ツールやソフトはメリット・デメリットがあるので十分に比較する
● 注意点を把握して安全に使用する
高品質な電子捺印をおこなう場合は、さまざまな編集ができるPDFelementがおすすめです。セキュリティも万全にして、欠点のない電子文書を作成しましょう。
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