はじめに
「電子印鑑を作成したいと思っていますが、どうやって作ればいいのかわかりません。できればPDF、Excel、Wordといった普段よく使うツールでの作り方を教えてほしいです。」この記事は上記の疑問にお応えします。
結論から言うと、PDFもExcelもWordもすべて電子印鑑をツール上で作成することが可能です。それに作り方はとても簡単なので、初心者の方でも安心して実行できます。
この記事ではそんな電子印鑑の作り方をはじめ、電子印鑑の基礎やメリット・デメリット、よくある質問についてまとめました。
電子印鑑がいますぐ必要な方や、電子印鑑をPDF、Excel、Wordで作成したい方は、ぜひチェックしてみてください。
目次:
電子印鑑とは
電子印鑑とは紙の文書に押す印鑑(はんこ)と同様に、電子文書(PDFやExcelなどのファイル)に押すことができる「デジタルの印鑑」を指します。
主な用途は以下のとおりです。
● 電子文書の認証
● 電子文書の承認
● 電子契約書への捺印
電子印鑑の特徴としてはデジタル画像として作成され、PDFやExcel、Wordなどの電子文書に直接「押す(挿入)」ことができます。これにより、文書が特定の人物や組織によって承認されたことを示せるほか、物理的な印鑑と同じように電子印鑑も偽造防止を実施することが可能です。
ただし、電子印鑑はあくまでデジタル画像なので、法的な効力は高くないと言われています。そのため、法的な効力を持つ「電子署名」と混同しないよう注意が必要です。ちなみに電子署名は以下の特徴を持ちます。
● 特定の技術を使用して作成される
● 文書の改ざんを防止できる
● 署名者の身元を確認することができる
● ほとんどの国では法的な効力を持つと認められている
したがって、電子印鑑はあくまで「文書の承認を視覚的に示すためのツール」ということになります。文書の真正性と署名者の身元を確認する必要がある場合は、法的な効果をもつ電子署名がベストと言えるでしょう。
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電子印鑑のメリット
電子印鑑のメリットはいくつかありますが、大きく分けると無料で作成できること、電子ファイルの印影を残せること、実印を用意しなくてもいいことが挙げられます。ここではそんな電子印鑑の3つのメリットについてまとめました。2-1. 無料で作れるツールやサービスが多い
電子印鑑の最大のメリットは、無料で作成できるツールやサービスが多いこと。これにより、企業や個人は追加コストをかけることなく電子印鑑を導入し、使用することができます。
多くの電子印鑑作成ツールは、ユーザーが自分の名前や会社のロゴを入力し、好みのデザインや色を選択することで、オリジナルの電子印鑑を作成することが可能です。これらのツールやサービスは一般的に使いやすいインターフェースを持ち、特別なスキルを必要とせず、誰でもかんたんに電子印鑑を作成できます。
また、クラウドベースのサービスとして提供されることが多く、ユーザーはどのデバイスからでもアクセスし、電子印鑑を作成したり使用したりすることが可能です。これによりユーザーは場所や時間に縛られず、必要なときに電子印鑑を使用できます。
2-2. 電子文書に印影をのこせる
電子印鑑は電子文書に印影を残すことができます。これは物理的な文書に印鑑を押す行為と同様に、電子文書に印鑑の印影を残すことができるという意味です。これにより、電子文書の承認や確認が非常に簡単になります。
たとえばPDFやExcel、Wordなどの電子文書に電子印鑑を押すことで、その文書が特定の人物や組織によって承認されたことを示すことが可能です。これは契約書や報告書など、承認が必要な文書の処理を大幅に効率化します。
また、電子印鑑はデジタルフォーマットなので、物理的なスペースを必要としません。さらには電子的なメリットとも言える「保存」「管理」「共有」が容易です。したがって電子印鑑の使用は、電子文書の管理を大幅に改善できると共に、文書の検索やアクセスがスムーズになります。
2-3. 実印を用意する手間がはぶける
電子印鑑は実印のように用意する手間がかかりません。
そもそも物理的な印鑑を使用する場合は作成までに時間がかかるほか、厳重な保管をはじめ、必要なときに取り出し、適切な場所に押すという一連の行為が必要です。
しかし、電子印鑑を使用することで、これらの手間がすべて省くことができます。
電子印鑑はデジタルデバイスに保存されるので、必要なときにアクセスして使用することが可能です。また、物理的なものではないので、実印のような紛失や破損のリスクがありません。
さらには遠隔地からでも電子文書に印鑑を押すことができるため、時間や場所に縛られることなく業務を進めることができます。
→関連記事:印鑑の役割と電子印鑑のメリット
電子印鑑のデメリット
電子印鑑のデメリットは、悪用されるリスクをはじめ、証拠能力が低いこと、作成にそれなりの手間がかかる点です。ここではそんな電子印鑑の3つのデメリットを解説します。3-1. 悪用されるリスク
電子印鑑のデメリットは、悪用されるリスクがあることです。
電子印鑑は基本的にデジタル画像なので、コピーはかんたんに作成できます。したがって、不正な目的で印鑑が使用される可能性が高いです。
たとえば電子印鑑が不適切に管理された場合、第三者によって盗まれ、不正に使用される可能性があります。
また、電子印鑑はあくまでデジタル画像なので、文書が改ざんされた後でも印鑑が押されたように見せることが可能です。
3-2. 証拠能力は実印と比べて低い
電子印鑑は便利な一方で、証拠能力が物理的な実印と比べて低いという点が挙げられます。
電子印鑑は基本的にデジタル画像です。つまり、電子署名と比べると法的な効力がありません。
したがって法的な文書や契約などにおいて、電子印鑑が押されたこと自体がその文書の真正性や承認を証明する法的な証拠にならない可能性もあります。
3-3. 作成に手間がかかる
電子印鑑はかんたんに作成できるものがほとんどです。しかし、ツールや利用者のスキルによっては、作成に手間がかかる可能性があります。
電子印鑑の作成は専用のオンラインツールやサービスを使用し、自分の名前やロゴ、デザインを入力するのが一般的。ここで問題になるのは、技術的な知識が乏しい人の利用です。
特にパソコンやツールに触ったことがない人は、作成に時間がかかる可能性があります。
PDF・Excel・Wordを使った電子印鑑の作り方
電子印鑑はPDF・Excel・Wordそれぞれで作成することが可能です。ここでは各ツールの電子印鑑の作り方をまとめました。あなたが使用しているツールに合わせて、参考にしてみてください。
4-1. PDF
PDFファイルで電子印鑑を作成するには、PDF編集ソフトが必要です。なかでもおすすめなのが「PDFelement」。
PDF編集におけるオールインワンソフトで、AI機能や翻訳、電子印鑑の作成もできます。
ここではPDFelementを使った電信印鑑の作り方を紹介しましょう。
- ソフトを起動したら上部メニューの「注釈」を選択
- 「スタンプの管理」を選択
- 「電子印鑑」を選択
- 一覧からお好みのものを選ぶ
- 好きな場所に電子印鑑を設置する
以上で完了です。
PDFelementは電子印鑑の作成のほか、PDFファイルの編集のすべてを直感的に行うことができます。無料でダウンロードできるので、気になった方はぜひ使ってみてください。
4-2. Excel
Excelで電子印鑑を作成する手順は以下のとおりです。
- ソフトを起動したら上部メニューから「挿入」を選択
- 「図形」を選択
- 一覧からお好みの図形を選ぶ
- 文字を入力し色やサイズを変更
- 好きな位置に設置する
以上で完了です。
4-3. Word
Wordで電子印鑑を作成する手順は以下のとおりです。
- ソフトを起動したら上部メニューから「挿入」を選択
- 「図形」を選択
- 一覧からお好みの図形を選ぶ
- 文字を入力し色やサイズを変更
- 好きな位置に設置する
以上で完了です。
電子印鑑に関するよくある質問
電子印鑑に関するよくある質問をまとめました。
作成をする上での参考にしてみてください。
5-1. 電子印鑑を無料で作る場合、ツールと作成サイトではどちらがおすすめ?
A:完成度を求める場合は、ツールを利用した方がいいでしょう。
作成サイトはベーシックなパターンしか用意されていないケースもあります。理想の電子印鑑を作成したいなら、さまざまなパターンと編集ができるツールがおすすめです。
→関連記事:PDF電子印鑑編集におすすめのツール【オンライン・オフライン】
5-2. 企業が無料の電子印鑑をあつかってもOK?
A:扱うこと自体は問題ありません。
ただし、電子印鑑は電子署名のような法的効力はありません。重要な取引をおこなう場合は、実印の使用をおすすめします。
まとめ
電子印鑑の作り方について解説しました。
重要なポイントをおさらいします。
● 電子印鑑はさまざまなツールとサービスを利用することで簡単に作れる
● PDF、Excel、Wordでも作り方は簡単
● 電子印鑑は法的な効力が低いので使用には十分な注意が必要
電子印鑑はかんたんに作成できて、使い勝手のよい存在です。使用するシーンを見極めて、有効活用しましょう。
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