紙の書類をデジタル化し、テキストとして活用するには、OCR機能付きスキャナが欠かせません。
今回は、「OCRスキャナ」や「スキャナアプリ」の選び方を解説しながら、高性能なドキュメントスキャナーやスマホでのスキャンを可能にするアプリなど、2025年最新のおすすめモデル6選をご紹介します。
「OCRスキャナ」は、単に紙の文書をスキャンするだけでなく、OCRでスキャンされた文字を編集可能なテキストデータにする機器です。
従来のスキャナはスキャンした文書を画像として取り込むだけでしたが、OCRスキャナを使えば、スキャンした文書を検索したり、編集したり、コピーたりすることも可能です。
さらに、最近では、スマホスキャナアプリにもOCR機能が搭載されるようになり、スマホのカメラを使った高精度な文字認識ができるようになりました。
これにより、スキャン専用の機器がなくても紙の文書がスキャンできるようになっただけでなく、移動中や外出先でも手軽に文書のデジタル化も可能です。
OCRができるスキャナーは様々あります。自分に合ったOCRスキャナを選ぶには、使用する「目的」と「環境」に応じた機能を見極める必要があります。
たとえば、紙の書類を大量にスキャンするなら、高速読み取りが可能なADF(自動原稿送り装置)付きのOCRスキャナが便利です。
一方、名刺やレシートなど小さな書類を整理したい場合は、コンパクトで手軽に使えるスマホやモバイルスキャナが適しているでしょう。
また、OCRの精度も重要なポイントです。
日本語に対応しているか、縦書きの認識は可能かなど、OCR機能が必要な言語や書式に対応しているか確認することをおすすめします。
さらに、スキャンしたデータをPDFやWord、Excelなどに変換できるか、クラウド連携が可能かも確認すべきポイントです。
このように、「用途」「処理量」「対応言語」「使いやすさ」などのバランスを見極め、業務内容に適したOCRスキャナを選びましょう。
OCRスキャナには、ビジネスユースのものから個人で手軽に利用できるものまで、さまざまな形態の製品があります。
ここでは、2025年最新のおすすめOCRスキャナとして、3種類のOCRスキャナとスマホでのOCRスキャンを可能にする3種類のスキャンアプリをご紹介します。
「PFU ScanSnap iX2500」は、PFUが提供するドキュメントスキャナー「ScanSnapシリーズ」の最新モデルです。
原稿は最大100枚までセット可能、毎分45枚の高速スキャンなど、効率的なスキャン処理を実現します。
さらに、ScanSnapでのスキャンや、スキャンデータの管理・活用をアシストするソフトウェア「ScanSnap Home」により、高精度なOCR処理も可能です。
▼PFU ScanSnap iX2500
特徴 |
高精度OCRで、日本語にも対応。クラウド連携も簡単。 「ScanSnap Home」でOCR可能。 |
価格 |
約5~6万円前後 |
対応形式 |
JPEG、PDF(OCR対応)、Word/Excel/PowerPoint |
メリット |
複数ページの高速スキャンが可能。 |
「EPSON ES-C480W」は、EPSONが提供するスモールオフィスや家庭向けのA4ドキュメントスキャナーです。Uターン給紙により狭い場所での作業も可能、毎分30枚の高速スキャンなど、コンパクトながら高い機能を有します。
さらに、目的に応じた「ジョブスキャンモード」と「シンプルスキャンモード」2種類のスキャンモードが選択できます。「Document Capture Pro」により、OCR処理も可能です。
▼EPSON EPSON ES-C480W概要
特徴 |
高精度OCRで、日本語にも対応。Uターン給紙でコンパクト。 「Document Capture Pro」でOCR可能。 |
価格 |
約5万円前後 |
対応形式 |
JPEG、PDF(OCR対応)、Word/Excel/PowerPoint |
メリット |
両面同時スキャンが可能。 |
「Canon imageFORMULA DR-C225 II」は、キヤノンが提供するドキュメントスキャナーです。
Uターン給紙により狭い場所での作業も可能、重送しにくいリタード方式「ダブらんスキャン」による読み取りエラーの軽減など、機能も充実しています。
さらに、直感的な操作を実現するソフトウェア「CaptureOnTouch」により、OCR処理も可能です。
▼Canon imageFORMULA DR-C225 IIの概要
特徴 |
高精度OCRで、日本語にも対応。Uターン給紙でコンパクト。 「CaptureOnTouch」でOCR可能。 |
価格 |
約4~5万円前後 |
対応形式 |
JPEG、TIFF、BMP、PNG、PDF(OCR対応)、PowerPoint |
メリット |
白黒もカラーも同レベルの高速スキャンが可能。 |
スマホ版「PDFelement」は、Wondershare社が提供するiOS/Androidに対応したPDF編集・閲覧アプリです。
スマホのカメラを利用してスキャンしたデータをOCR機能でテキスト化するだけでなく、変換後のテキスト編集や注釈の追加、ファイル変換など、PDFelementだけで必要な操作を完結することができます。
なお、すべての機能を利用するには有料プランへの加入が必要ですが、無料トライアルも可能です。
▼PDFelementモバイル版の概要
特徴 |
スキャンからOCR処理、注釈、編集、PDF変換まで1アプリで完結。 |
価格 |
OCR機能は有料(永久ライセンス/1年プラン) |
OCR精度 |
高精度、手書き文字にも対応。 |
メリット |
クラウド連携・バッチ処理・PDF編集にも対応。 |
「Adobe Scan」は、Adobe社が提供するiOS/Androidに対応した無料のスキャナーアプリです。
スマホのカメラを利用してスキャンした画像の遠近の補正や影などの不要な要素を除去するなど、JPEGや高品質なPDFとして保存することができるだけでなく、高度なOCR機能でテキスト化することもできます。
なお、変換後のファイル編集には、別途Adobe Acrobatなどのアプリを使用する必要があります。
▼Adobe Scanの概要
特徴 |
自動補正、自動境界線検出機能があり、スキャン精度も高く、OCR処理も可能。 |
価格 |
無料(要Adobeアカウント) |
OCR精度 |
高精度、自動補正も可能。 |
メリット |
Adobe Acrobatとの連携が可能。 |
「Microsoft Lens」は、Microsoft社が提供するiOS/Androidに対応した無料のスキャナーアプリです。高品質なスキャンに対応し、ドキュメントやホワイトボード、名刺のスキャンに最適と言えます。
また、スマホのカメラを利用してスキャンした画像をPDF、Word、PowerPoint、Excelファイルに変換したり、OneNote内に取り込んだりするなど、Microsoft Office製品とスムーズに連携ことができます。
しかしながら、OCR機能を利用するにはスキャンされたデータをWordファイルとして保存する必要があります。ご注意ください
▼Microsoft Lensの概要
特徴 |
スケッチ、図面、数式のキャプチャ、Wordとの連携でOCR処理も可能。 |
価格 |
歪み補正が可能。 |
OCR精度 |
Office製品と連携したOCRが可能。 |
メリット |
Office製品との連携が可能。 |
OCR機能のあるスキャナーを使えば、紙の書類のテキスト化すること自体はとても簡単な作業です。
ここでは、OCRスキャナ「PFU ScanSnap iX2500」とスキャンアプリ「PDFelement」を使って、紙の書類をスキャンしてOCR処理を実行する手順をご紹介します。
OCRスキャナ「PFU ScanSnap iX2500」でスキャンした紙の書類を編集可能なテキストに変換する際は、「ScanSnap Home」を使用します。
なお、ScanSnap HomeでOCR機能を利用するには、次の2つの方法があります。
「詳細設定」から「検索可能なPDFにします」にチェックを付けます。
テキストに変換したいPDFデータを選択し、「検索可能なコンテンツに変換」を選択します。
PDFelementアプリで紙の書類をスキャンし、OCR処理で編集可能なテキストに変換する手順は、次のとおりです。
ステップ1:PDFelementアプリを起動し、ホーム画面の新規作成(+)ボタンをタップして「スキャン」を選択します。
スマホのカメラが起動するので、書類のサイズに合わせて撮影を行いましょう。
ステップ2:続いては、編集画面に入り、「認識」をクリックして画面を開きます。
OCR PDFを選んでOCR処理を実行しましょう。OCR処理が完了したら編集可能になります。
紙の書類を効率よくデジタル化するには、用途に合ったOCRスキャナやスキャンアプリの選定が重要です。
大量の処理が必要な場合はOCRスキャナ、手軽にデータ化したい場合はPDFelementのような多機能なスキャンアプリなど、さまざまな選択肢があります。
今回ご紹介した6つの最新モデルを参考に、「用途」「処理量」「対応言語」「使いやすさ」などを比較し、自分に最適なツールを見つけて活用しましょう。
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