はじめに
Q:経理担当者であればTKCの会計ソフトを一度は使ったことがあるのではないでしょうか。
TKCグループのソリューションには多くのサービスがあり、全国の税理士事務所の33%超が利用している現状があります。また、TKCは全国の税理士・公認会計士と力を合わせて会計システムを開発しており、そのシステムは金融機関・地方公共団体・企業などで広く利用されています。
今回は、TKC全国会の活動やTKCシステムをご紹介します。会計ソフトの検討材料としても参考にしてみてください。
目次:
1. 税理士事務所TKCとは?
TKC株式会社は1966年(昭和41年)に栃木県宇都宮市を本店所在地として設立されました。
創業当初の社名は「株式会社栃木県計算センター」。のちに栃木(T)+計算(K)+センター(C)の頭文字から「TKC」と社名が変更されます。
主な事業内容は、税理士事務所・会計事務所や、企業・地方公共団体向けのシステム開発と、TKC統合情報センター(全国9カ所)によるコンピューター・サービスです。
また、TKC全国会は、1971年(昭和46年)8月に結成され、税理士・公認会計士約1万1400名で組織される国内最大級の職業会計人集団となっています。(2021年6月30日現在:会員数11,400名)
~TKC全国会の主な活動~
- 「中小企業の支援者」としての貢献
単なる会計帳簿の記帳代行だけではなく、黒字決算の継続的な実現や、節税対策・経営アドバイスを企業に対して行う「支援者」の役割を目指して活動しています。
そのため、毎月企業を来訪し、親身なアドバイスや月次巡回監査を行うなど、徹底したサポート体制を確立。企業規模や創業年数などに応じた税理士を斡旋しています。
- 税理士事務所・会計事務所への支援
新規に開業した事務所には顧客先拡大のアドバイス、税理士向け会計システムの提案などをサポート。
開業後も事務所の経営など、TKC会員が蓄積したノウハウをもとに解決策を提案する体制を整えています。
- 個人事業主向けサービス
無料でTKC会員事務所から税理士・公認会計士を紹介しています。
2. TKCグループが開発したTKCシステムの利用方法紹介
TKCでは会計システム、決算申告システムなど多くのシステムを開発しています。その中でも会計に特化した「FXシリーズ」が主力商品です。
TKCシステムの大きな特徴は「会計システム」と「決算申告システム」を連動させることで「会計・税務の一気通貫」を実現し、金融機関や税務署への決算書・申告書を提出できる点でしょう。
動画:https://www.tkc.jp/fx/bank/movie/flow/ TKCシステムで決算書・申告書ができるまで:
その仕組みを簡単に説明します。
【日々の取引 ~ 月次決算までの流れ】
【Step 1】日々の取引(請求書・納品書・領収書に証憑番号を振って管理)
【Step 2】経理担当者が「会計システム」に入力する …証憑番号&仕訳の根拠を記載
【Step 3】仕訳帳を総勘定元帳に自動的に転記 ⇒ 月次試算表が作成される ⇒ TKC会計陣による月次巡回監査が行われる
【Step 4】経理担当者が月次巡回監査での指摘事項を修正 ⇒ 「月次決算」が終了(会計帳簿を閉鎖して加除訂正が禁止になる)
最終的に、12か月分×月次決算と期末整理仕訳をもとに「決算書」が作成されます。
「会計システム」と「決算申告システム」が連動しているため、必ず「決算書の残高」と「期末試算表の残高」が一致する仕組みです。
また、税務署・金融機関には同一の「決算書」と「申告書」が提出されます。
TKCの「会計システム」は企業規模に応じて数種類が用意されています。
(1)種類/機能や特徴
- e21まいスター:小規模法人向け
・会計・給与・請求が1つになったパッケージ
・直感的でわかりやすいメニューを採用
・専任の経理担当者がいなくてもTKC会員事務所が全面サポート
- FX2:中小企業向け
・業績のデータ分析と評価機能により企業の現状を把握
・部門ごとに売上高などの状況を管理・検証
・複数の金融機関との取引データをインターネットを介して自動受信
・仕訳ルールの学習機能付き
- FX4クラウド:中堅企業向け
・資金繰り計画表を自動作成
・店舗、商品、取引先別など、部門別に業績を管理
・クラウドを利用した最新業績の確認
- FX5クラウド:上場企業向け
・グループ全体の状況をクラウド上で一元管理
・変化する状況に応じた業績予測を集計・管理
・他社製システムとのデータ連携も可能
(2)利用方法
TKCシステムはTKC会員事務所から購入(レンタル)します。
価格はTKC会員事務所ごとに異なります。下記はあくまでも目安です。
・e21まいスター:3,000 ~ 5,000円(月額/税別)
・FX2:13,000円(月額/税別)
(3)メリット
- サポート体制が手厚い
TKCシステムはTKC会員事務所から提供されるため、システムの導入~運用まで全面的にサポートしてくれます。
- 法令に準拠している
TKCシステムは、TKC会員(税理士・公認会計士)とTKCが協力して開発されているため、法令に準拠しています。
また、法令改正に対するシステム対応も迅速です。
- 会計・財務・経営のアドバイスがもらえる
税理士を通して会計業務のアドバイスだけではなく、経営全般についての助言ももらえるため、会計・財務・経営のノウハウが身に付きます。
(4)デメリット
- システムの機能が多い
会計だけではなく、業務管理・資金管理等の機能が付随しているため、それらを修得して活用するまでに時間がかかります。
- 他社製品からの乗り換え時に学習コストがかかることも
他社製品と入力方法などが異なっているため、新規導入時にはそれなりの修得期間を用意しておくほうがよいでしょう。
3.TKC全国会に入会したい税理士が注意すべき流れとポイント
(1)必要な条件
税理士または、公認会計士であることが大前提です。
開業した事務所の所在地によって地域会が分かれています。
(2)入会までの流れ
TKC全国会入会までの流れ:https://www.tkc.jp/ao/enter/
【Step 1】問合せフォームへの入力
まずは問合せフォームから、氏名・事務所名・電話番号などを入力して問合せをします。問合せ内容を確認後、TKCの担当者から連絡が入ります。
【Step 2】貴事務所への訪問
事務所に担当者が訪問し、質疑応答などを行います。
【Step 3】入会契約
TKC全国会への入会手続きを行います。また事務所のニーズに応じたTKCシステムの利用契約を結びます。
【Step 4】入会金等の支払
入会金等の金額が案内されますので、指定の口座に振り込みます。
【Step 5】TKC全国会への入会
入金の確認が取れ次第、正式な入会となります。
(3)注意すべきポイント
TKC全国会への入会時には、入会金やシステム利用料、年会費等が必要です。
また2年目以降もシステム利用料、年会費、月会費が必要となります。
システム利用料は顧客先の数などで変動します。
➬Microsoft Office、画像、テキストなど合計17種類のファイル形式に対応。
➬レイアウトと書式を崩さずに、各形式に合わせた高度設定も可能。
➬互換性あり!他のファイル形式からPDFまで直接作成/変換可能。
まとめ
会計システムを利用したいけれど難しそう...数字を扱う業務は気遣いも多く、神経を使います。もしもTKCシステムの利用を前向きに考えているなら、サポート体制が整っていますのでまずは問合せから始めてみるとよいでしょう。
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