決算書とは、会社の事業年度ごとの業績を明らかにするための書類で、事業年度が終了するごとに作成します。決算書は、日々記帳する帳簿にもとづいて、1年の収支を計算し、利益又は損失を算出して作成します。
なお、決算書は複数の書類で構成されるため、書類のボリュームも多くなり、作成するのはもちろん、印刷するだけでも時間がかかります。そのため、日頃から帳簿に正しくこまめに記帳しているか、また、有効なシステムやソフトを利用しているかなどによって、決算書の作成にかかる労力や時間が格段に変わります。
では、実際に、決算書はどのような流れで作成されるものなのでしょうか?
今回は、決算書作成の流れとともに、決算書の必要性、作成する目的などについて、解説していきます。
目次:
1.決算書とは?
決算書とは、事業年度ごとに収入や支出、経営や財務の状態など、業績を表すための複数の書類の総称で、正式には「財務諸表」または「計算書類」といいます。決算書を見ることで、その企業が利益または損失があるのか、どのような財政状態にあるのかなど、企業の財務状況を把握することができます。
なお、決算書には、主に「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュ・フロー計算書」「株主資本等変動計算書」「個別注記表」など5種類の書類があります。なかでも、特に重要とされているのが、「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュ・フロー計算書」で、これらは「財務三表」と呼ばれています。
実際に決算書として、これらのなかのどの書類を作成するかについては、企業の規模によっても変わります。
2.決算書作成の流れ
決算書を作成するには、日々の取引やお金の動きを記録した「帳簿」が必要になります。さらに、決算書を効率的に作成するためには、日頃から、帳簿に漏れなく、正しく記帳しておくことが大切です。
決算書は、この帳簿をもとに、「決算残高を確定し、」「税金等を計算して、」「決算書を作成する」という3段階の流れで作成していきます。
ここでは、これら3つの段階について、解説していきます。
1)決算残高の確定
決算書を作成する際は、決算日現在の各勘定科目の残高が実際の残高と一致しているかを確認する作業から始めます。決算残高の確認作業では、現金・預金・売掛金・買掛金・借入金・固定資産など、原則としてすべての勘定科目の照合し、確定していきます。
2)税金の計算
決算残高を確認し、確定する作業が終了したら、消費税→法人税等の順で税金の計算をします。
・消費税
消費税は、売上として預かった消費税(仮受消費税)から、仕入や経費として支払った消費税(仮払消費税)を差し引いて計算します。しかし、端数処理を行っているなど、実際には、仮受消費税や仮払消費税の金額と帳簿上の消費税の残高が必ずしも一致しない場合があります。このような不一致を修正して確定した消費税額は、「未払消費税額」として決算書に記載します。
・法人税等
法人税等には、法人税、法人住民税、法人事業税などがあります。なお、これらの税金の計算は専門的な知識を要するため、税金の計算や申告書類の作成などの作業は、税理士などの専門家に委託するのが一般的です。
3.決算書の作成
最後に、確定した残高から、法令に定められた書式を用いて決算書(損益計算書・貸借対照表・キャッシュ・フロー計算書など)を作成します。実際には、決算書の作成は税理士など専門家に依頼している、という場合が多いでしょう。
作成された決算書は、経営者によって確認され、取締役会にて確認・承認を受けた後、株主総会へ提出・報告されます。なお、決算書は、事業年度が終了してから3カ月以内に作成する規定となっています。ただし、法人税の申告期限は、事業年度が終了してから2ヵ月以内となっているため、実際は2ヵ月以内には決算書を作成しておく必要があります。
3.決算書作成の必要性とは
決算書は、会社の現在の資産や負債など、財務状況を明らかにする資料です。では、なぜ決算書を作成する必要があるのでしょうか?決算書を作成する主な目的として、「株主や銀行等に会社の状況を知らせる」「正確に法人税を納付する」という2点があげられます。
・株主や銀行等に会社の状況を知らせるため
決算書を作成する目的の1つは、対外的に会社の経営状態や財務状況を知らせることです。
金融商品取引法により、上場企業には「税務署」「株主」「債権者」に決算を開示する義務があります。株式会社では、事業年度終了から後3カ月以内に株主総会が開かれるため、この場で株主に対して決算書を開示し、会社の状況を伝える必要があります。また、債権者(銀行や取引先など)から融資や信用調査などを受ける際、経営状態を把握できる資料として決算書が必要となります。
このように、決算書は、会社の状況を知らせるために必要となります。
・正確な納税額を申告するため
決算書を作成する目的の2つ目は、正しく法人税を申告することです。納税は、企業の義務です。損益や負債などを明確にし、正しい納税額を確定するためにも、決算書の作成は不可欠です。また、決算書を作成することで、経営者が正確な経営状況を把握する手段ともなります。
4.決算書などのダウンロードや印刷方法
決算書の作成機能を備えている会計システムでは、必要な書類をダウンロードして印刷できたり、インターネットを介してそのまま申告できたりするものがあります。決算書類はかなりのボリュームになるため、1ファイルずつ印刷するのは非効率です。
そこで、活用したいのがPDF編集ソフトです。
PDFelementは、1本でPDFファイルの快適な閲覧や、ワード感覚での編集はもちろんのこと、一度に複数のファイルの印刷や圧縮などができる一括処理機能も搭載された、とてもコストパフォーマンスのよいPDF編集ソフトです。なお、PDFelementは、以下のボタンから無料でダウンロードすることができます。
ここでは、PDFelementの一括印刷機能を利用して、複数のファイルを1クリックで印刷する手順をご紹介します。
- 1.PDFelementを開き、「一括処理」をクリックします。
- 2.「一括処理」画面が開きます。「印刷」を選択します。
- 3.「ファイルを追加」ボタンを押すか、ファイルをドラッグアンドドロップして、必要なファイルを選択します。
- 4.すべてのファイルを選択したら、「適用」をクリックします。
まとめ
今回は、決算書を作成する際の流れとともに、決算書作成の必要性について、解説してきました。決算書は、単に1年間の収支をまとめて業績を把握するためだけでなく、決算の開示義務に従って会社の経営状態や財務状況を対外的に開示すること、正しい納税額を確定して適切に申告・納税することを目的に作成します。
決算書の作成にかけられる時間は、実質3カ月と非常に短く、スムーズに作成するためには、日頃からこまめに、正しく記帳しておくことが重要です。可能な限り、労力と時間を削減するためには、会計システムの導入やPDFelement などのPDF編集ソフトの導入を検討することをおすすめします。
決算書は、会社の信用を担う重要な役割を果たします。ヒューマンエラーなどのリスク対策としても、是非、検討してみてください。
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