はじめに
新卒で会社に内定取得後、入社時に身元保証書の提出を求められることがあります。身元保証書は、従業員が企業に何らかの損害を与えた場合、身元保証人が本人と共に賠償することを明記したものです。身元保証書は本人が病気やケガなどで働けなくなった場合、身元保証人が引き受けることにも使用することができます。しかし、身元保証書を提出する上で、企業で求められている書式や作成方法が異なります。本記事では、身元保証書の書き方と無料ダウンロードできるPDFについて詳しくご紹介していきます。
目次:
1.身元保証書とは
身元保証書とは、貸主が貸し手に対して、借り手の債務返済能力や信用性を保証するために提出する書類です。一般的な保証人では、借り手が債務を返済できない場合に代わって債務を負担する責任を負います。身元保証書は一般的に、賃貸契約やローン契約などの金銭取引において使用されることが多く、貸主が借り手の信用性を確保するための手段として使用されます。しかし、借り手が債務を履行できない場合、保証人はその債務を代わりに負担することになります。身元保証書は、貸主にとってはリスクを軽減する一方で、保証人にとっては責任を負うことになるため、慎重に検討する必要があります。
2.身元保証書の書き方
身元保証書は、従来のフォーマットに沿って記載するのが一般的ですが、提出先の企業によって書き方が異なります。
身元保証書を記載する際に必要となる項目を以下のとおり挙げます。
・対象者の氏名・住所・生年月日・印鑑
・身元保証人の氏名・続柄・印鑑・住所
もし、住所が決まっていない場合は、住民票を発行した後に身元証明書を記入してください。
身元保証書は新卒で入社する際に、提出を求められる企業が多いはずです。入社の際に身元保証書の提出を求められたら、書類の内容をしっかり読み、身元保証を依頼するようにしましょう。
3.身元保証書の重要ポイント
身元保証書を記入する際に正式な署名と日付、明確な契約内容の記載について確認することが大切です。身元保証書をには本人の就業に問題がないか証明するために提出する目的があります。法律上は身元保証書の提出義務はありませんが、企業側から提出を求められた場合、提出をしないといけません。
身元保証書において、重要な要点を詳しく解説していきます。
・必ず直筆で記載する
企業に新卒で身元保証書を書く際は、本人・身元保証人の氏名を必ず直筆で記入することが大切です。自身が一人暮しで身元保証人が離れている場合は、書類を郵送で記入後に返送してもらう必要があるので、企業側から期間内に提出が求められていたら早めに依頼することがおすすめです。身元保証書には、本人の正式な署名と作成日付を記載する必要があります。書類を提出することで、契約の有効性と当事者の同意が明確になります。
・保証期間を定める
身元保証書の保証期間は、身元保証法第2条第一項で最長5年間と定められています。企業から身元保証書の提出が求められたとき、期間を定めなかったときは3年、期間を長く定めても最長5年と定められています。保証期間を定める理由は、2020年4月の改正民法の施行によって、身元保証人に対する損害賠償の上限額を定めることが必要になったからです。保証期間が過ぎた時、その時点で新たに更新契約をしなければならず、自動更新といった手続きはできないので注意が必要です。
・身元保証人は両親または配偶者として設定する
企業から身元保証書の提出を求められたら、身元保証人が経済的に安定している方が条件とされています。企業に入社後、本人が何らかの理由で、連絡が取れなくなった場合、緊急時の連絡先として、両親や配偶者などに決めることがおすすめです。身元保証書には、本人と連絡が取れなくなった際の緊急連絡先として利用する役割があります。書類の項目に本人のメールアドレスや電話番号、現住所といった記入項目を作り、もし社員と連絡が取れなくなった際に連絡を取れるようにしておきましょう。
4.無料で身元保証書のひな形・テンプレートをダウンロードできるサイト
身元保証書は、企業に提出する際にインターネット上でテンプレートをダウンロードすることができます。テンプレートを活用することにより、身元保証書の項目の内容をスムーズに記載することができます。身元保証書のテンプレートは無料でダウンロードすることができ、パソコン等で入力することが可能です。
ここからは、無料で身元保証書のひな形・テンプレートをダウンロードできるサイトについてご紹介します。
クラウドサイン
クラウドサインとは、契約締結から契約書管理まで可能なクラウド型の電子契約サービスです。クラウドサインでは、発注書や身元保証書などの書類をアップロードし、相手方が同意することにより、相互同意ができます。契約から身元保証書などのテンプレートなども用意されていて、効率的に書類を作成ができるのが特徴です。
料金プランが4つあり、無料プランから有料プランまで自社に合ったものを選ぶことができます。
freeeサイン
freeeサインとは、オンライン上で面倒な契約業務を簡単に完結できる安心の電子契約サービスです。
freeeサインでは契約書のひな形やテンプレートを使った文書作成や文書に閲覧権原を設定をすることができます。
身元証明書の作成や雇用契約書の作成にも対応していて、会社印鑑の印影を登録ができるのが特徴です。
契約書のテンプレートだけでなく、freeeサインで作成したPDFデータや紙の契約書も含めた一元管理もできるので契約書をすぐ探したい方におすすめです。
電子印鑑GMOサイン
電子印鑑GMOサインとは、立会人型とハイブリッド署名、契約書の重要度に合わせた契約締結ができる電子契約サービスです。
電子印鑑GMOサインは電子文書に権限を付与したりハイブリッド署名を加えることで、不正アクセスからのサービスを防ぐことができます。
また、身元証明書や契約書などをテンプレートとしてダウンロードすることができ、契約書の作成の工数を削減することができます。
身元証明書をシンプルに作成したい方やセキュリティ性の高い文書で共有したい方におすすめです。
契約大臣
契約大臣とは、契約書の作成から締結までの一連の流れを一括で行える電子契約システムです。
契約大臣は、低料金で全プランにタイムスタンプ機能が搭載されていて、契約書の改ざんが行われていないか証明することができます。
また、契約書や身元証明書のテンプレートを備えていて、作成から締結する際にPDF形式に保存することができます。
インターネット上で安全に身元証明書を作成することができるので低コストで管理したい方におすすめです。
弁護士法人クレア法律事務所
クレア法律事務所は、秘密保持契約書や身元証明書などの書類を会員登録不要で利用できるWebサイトです。
クレア法律事務所では、Word形式でシンプルに作成できるよう設計されていて、さまざまな用途に合った契約書を選ぶことができます。
テンプレートをダウンロード後、入力箇所が明確ですぐに記載ができるのがポイントです。
5.身元保証書に関するよくある質問
ここからは、身元証明書に関するよくある質問についてご紹介していきます。
Q.身元証明書の必要性は何ですか?
A.身元保証書は、横領や契約に関するリスクを企業側が把握し、保証人の存在によって信用性を向上させるために必要です。
就職をする際に、内定者が責任を持って仕事に取り組む人物であることを証明するために必要です。
Q.身元保証人が見つからない場合は、内定取り消しになりますか?
A.身元保証人が見つからない場合は、内定が取り消されることはありません。
ただし、企業から身元保証人を立てることが必須と就業規則に定められている場合、内定取り消しの判断が出される可能性があります。
もし、身元証明書の提出で身元保証人がいない際は、一度企業の人事担当者と相談することが必要です。
Q.保証期間が記載されていない場合はどうなりますか?
A.身元証明書に保証期間が記載されていない場合は、3年で終了し、最長5年となります。契約期間後に更新が必要な際は、改めて保証契約を結ぶ必要があります。
身元証明書は、一般的に入社時に提出を求めるだけで、在職後はずっと身元保証契約を更新をしない企業が多いです。
身元保証書の更新は可能ですが、自動更新することはないのでチェックするようにしましょう。
まとめ
本記事では、身元保証書の書き方と無料ダウンロードできるPDFについて詳しくご紹介していきました。
身元保証書は、新卒で社員が入社後に不正などによって会社に損害を与えた場合に第三者である身元保証人が賠償責任を負う書類です。
身元保証人は金融や個人情報を扱う職種において、提出を求められるケースが見られます。
社員が入社後に身元保証書の提出を求められたら、オンラインでテンプレートをダウンロードすると、シンプルに作成ができます。
身元保証書は法改正時に記載方法や上限額が変更になる可能性があるので確認することが大切です。
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