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はじめに
扶養控除申告書は年に一度だけ勤務先から提出を求められる書類の一つです。
扶養控除申告書の提出の目的は、扶養家族がいることを記載し、課税の対象となる所得から控除が適用されることです。
しかし、毎年12月に一度だけ提出を求められるため、扶養控除申告書の書き方が分からない方が多いケースがあります。
本記事では、扶養控除申告書の書き方と重要ポイントを押さえてご紹介していきます。
目次：
１．扶養控除申告書とは？
扶養控除申告書とは、年末調整と一年間の所得税を確定させる申告書です。扶養控除は本来、所得税額や住民税額を確定するために控除することができます。控除額が多ければ多いほど、年末調整や確定申告の際に所得税を抑えることができるのが特徴です。扶養控除等申告書の提出を行うのは、所得税の扶養控除を受けることが目的です。扶養控除申告書を勤務先に提出することで、扶養家族がいることを申請でき、所得税額が軽減されるようになります。扶養控除申告書は、年末調整で過不足を調整ができるので実際に納める税額と誤差が生じなくなります。そのため、年末調整において扶養控除申告書は重要な書類となります。
２．扶養控除申告書の書き方
扶養控除申告書の書き方は、令和6年分の様式に合わせて解説します。
⑴①従業員の氏名
フルネームと生年月日をそれぞれ記入します。
②従業員の個人番号(マイナンバー)
マイナンバーの番号は原則で記載しますが、一定の条件を満たすと省略することが可能です。
・給与支払者が扶養控除等申告書などの一定の税務関係書類の提出を受けて作成された帳簿を備えていること。
・提出者が「給与支払い者に提出済みの個人番号と相違ない」旨を余白等に記載する
③世帯主の氏名と続柄
世帯主の氏名・続柄をフルネームで記載します。
④従業員の居住地の住所
現在住んでいる住所を漢字で記入します。
⑤配偶者の有無
配偶者がいる場合は「有」に〇で記入します。
⑵⑥従たる給与についての扶養控除等申告書の提出
2箇所以上から給与等の支払いを受ける会社員に該当する方は、右上に〇を記入してください。
扶養控除等申告書は、複数の勤務先に同時に提出することはできません。もし副業や兼業で生計を立てている方は、メインの勤務先の1カ所のみに提出することになります。
上記から、控除等申告書は、従業員の所得税の負担を軽くする必要な書類の一つです。従業員は扶養家族の有無や配偶者の所得などを記入して会社に提出します。
⑶他の所得者が控除を受ける扶養親族等
年末調整で同じ世帯に複数の所得者がいる場合、同じ控除対象配偶者や扶養親族として重複して申告しない限り、扶養となります。
例えば氏名・続柄・生年月日・住所又は居所は兄弟または姉妹の情報を記載します。
・長男が配偶者の扶養である場合は、長男の氏名・続柄等の情報を記載する
３．扶養控除申告書の重要ポイント
年末調整で扶養控除等申告書を記入する際には、マイナンバーの記載や従業員の年収などが超えていないかチェックすることが必要です。
控除等申告書を記載する上で、必要な重要ポイントを詳しくご紹介します。
・年少扶養親族は対象とならない
扶養控除等申告書を作成する上で、扶養親族は控除の対象とならないので注意してください。扶養控除は何歳からでも受けられるわけではなく、16歳未満の年少親族は扶養控除の対象になれないからです。もし、世帯で16歳未満の子どもがいる場合、扶養控除控除申告書の住民税の項目に記入することが必要なのでチェックすることが大切です。また、子どもがアルバイトをしている方は、年間の給与収入が103万円を超えると扶養親族から外されます。子どもがアルバイトで生計を立てている場合、年間の給与収入のみで103万円以下でないと扶養親族になれません。給与所得金額は手取りではなく、保険料や所得税を差し引く前の総支給額なので、記載する際は注意が必要です。ただし、申告する型の合計所得金額によっては、市・県民税の非課税規定が適用される場合があります。
・マイナンバーの記載が必要になる
扶養控除等申告書で納税者のマイナンバーなどの記載は不要ですが、配偶者のマイナンバーの記載は必要です。平成28年1月以降の扶養控除等申告書では、納税者本人、控除対象となる配偶者のマイナンバーを記載する必要があります。
しかし、以下の条件を満たすとマイナンバーを記載をしなくてもよいとされています。
・納税者が扶養控除等申告書の余白に「マイナンバーについては会社提供済みのマイナンバーと相違ない」旨を記載する
・会社と納税者との間でマイナンバーを記載しないことで合意する
・会社が既に提供を受けて居る従業員のマイナンバーを確認する
上記の3つの条件を満たすと、扶養控除等申告書の提出にマイナンバーの記載をしなくても申告が可能です。
４．無料で扶養控除申告書のひな形・テンプレートをダウンロードできるサイト
扶養控除申告書を入手するには、会社から貰える場合がありますが、以下のWebサイトからダウンロードすることが可能です。
・SmartHR
・弥生給与
・給与奉行クラウド
・freee人事労務
・ジンジャー給与
これらのサイトでは扶養控除申告書のテンプレートをダウンロードできます。
ここからは、無料で扶養控除申告書のテンプレートができるサイトについてご紹介します。
・SmartHR
SmartHRは、株式会社SmartHRが提供する年末調整や給与明細などの書類を電子上で手続きできるサイトです。
これまで紙で行っていた手続きがテンプレートを使用することで、修正や必要記入欄の記載がスムーズに記載できます。
SmartHRでは扶養控除申告書のテンプレートをオンライン上でダウンロードが可能で、年末調整の作業の負担を減らすことができます。
・弥生給与
弥生給与とは、給与計算や年末調整に関わる書類を初心者から作成できるサイトです。
弥生給与は、クラウド給与ソフトとして従業員の給与計算や年末調整などの手続きを効率化するソフトとして活用されているのが特徴です。
本来は会計ソフトで管理するイメージがありますが、テンプレートをオンライン上から書類をダウンロードすることができます。
特に扶養控除申告の申告では、各種項目に入力をするだけで自動的に所得税額を算出できるため、スムーズに年末調整を行うことができます。
年末調整に必要な入力手順が分かりやすく記載されているので初心者の方におすすめです。
・給与奉行クラウド
給与奉行クラウドは、給与計算や社会保険などの手続きをデジタル上で手続きできるクラウド型のツールです。
給与奉行クラウドは、デジタル上で標準機能に計算ロジックが搭載されているため、雇用形態に合わせた計算ができます。
その中で年末調整や給料の源泉徴収票作成などの作業がシンプルに入力ができます。
年末調整で忙しいときにテンプレートをダウンロードすることができるので、業務の負担を減らしたい方におすすめです。
・freee人事労務
freee人事労務とは、給与計算をはじめ労務関係の業務を自動化・効率化するクラウドサービスです。
freeeでは勤怠データやワンクリックで給与明細発行など給与関連業務を大幅に効率化することができます。
また、年末調整書類の作業を簡単に作成することができます。freee人事労務は自動計算機能と自動書類作成機能が使用できるため、ヒューマンエラーも防ぐことができます。
入力された給与情報をもとに税金や年末調整を行うことができるので、経理部のペーパーレス化に役立ちます。
・ジンジャー給与
ジンジャー給与とは、書類の配布から入力、年末調整に伴う作業などを全てクラウド上で完結するサイトです。
ジンジャー給与では、給与計算から年末調整などの発行作業を一括で管理することができます。
年末調整機能では、控除額を含めた年末調整の計算や結果の照会ができ、Web明細で発行することも可能です。
扶養控除申告書のテンプレートをダウンロードすることができ、PDF上で編集することができます。
電子上で必要項目を入力することができるだけでなく、管理者権限も選択することができるのでセキュリティ性が高く利用することができます。
５．扶養控除申告書に関するよくある質問
ここまで扶養控除申告書の書き方や重要ポイントなどについて紹介してきました。
扶養控除申告書は、年末調整時に雇用形態や書き方に気になる点を抱えている方も多いはずです。
ここからは、扶養控除申告書に関するよくある質問についてご紹介します。
Q.扶養控除申告書を提出するときにアルバイトやパートも対象ですか？
A.アルバイトやパートは提出の対象として含まれます。
扶養控除申告書は年末調整に必要になる書類なため、アルバイトでも提出が必要です。
扶養控除申告書を提出しなければ年末調整ができず、本来受けられるはずの諸控除が受けられなくなります。
そのため、正社員だけでなく、場合によってはアルバイトやパートの方でも提出が必要なのでチェックするようにしましょう。
Q.扶養家族がいません、扶養控除申告書の提出は必要ですか？
A.必要です。控除対象となる配偶者や扶養家族がいない場合でも、扶養申告書の提出が必要です。
Q.扶養控除申告書の提出にマイナンバーの記載は必要ですか？
A.必要です。扶養控除申告書の提出には法令上、記載は必須として規定されています。
所得税法施行規則等の改正が行われ、扶養控除申告書には扶養親族等の個人番号(マイナンバー)を記載が必要になりました。
まとめ
本記事では、扶養控除申告書の書き方と重要ポイントについてご紹介してきました。
扶養控除申告書は日本国内に居住している場合、年末調整時に提出することが必須です。
扶養控除申告書を提出すると、本来の課税対象となる所得税額が控除されます。
しかし、配偶者と居住している場合や条件によっては控除される金額が異なるのでしっかりチェックすることが大切です。
扶養控除申告書はインターネット上からテンプレートをダウンロードすることができるので初めての方でも入力することができます。
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