はじめに
社会保険労務士にとって、書類作成は業務の大半を占めています。
お客様の依頼に応じて、期日までに届け出を行うために、さまざまな申請に関する内容の調整や書類の作成に、日々追われていることでしょう。
この書類作成業務、紙ベースで実施しているのであれば、シンプルに操作できるPDFelement(PDFエレメント)のようなPDF編集ツールなどのITを駆使することで、今よりもグッと効率化し、作業にかかる時間を短縮することができることをご存じでしょうか。
社会保険労務士のスキルが必要な業務に専念するためにも、スタッフでも出来る仕事は、スタッフに任せてしまえるよう、業務を可視化・整理して、人的ミスをなくすためにITツールの利用はオススメです。
この記事では、社労士にとって業務の効率化につながるデジタル化のヒントをご紹介いたします。
目次:
1. 社会保険労務士の業務効率アップにつながる方法とは?
業務上、どんな課題があるのかを明確にし、その課題を解決するためのITツールを導入することで、社会保険労務士の業務効率をアップさせることができます。
例えば、伝達事項の抜け漏れや遅れ、進捗状況などに課題があるのであれば、社内のコミュニケーションをスムーズにするツールを、外出が多く、お客様との書類のやりとりに時間がかかっているのであれば、書類のやりとりをスムーズにするためのツールを、というように、現在の課題をピックアップすることで、解決のために必要なITツールが明確になります。
2. デジタル活用することで効率化させるメリット
ITツールを使って業務をデジタル化できれば、さまざまなメリットがあります。
例えば・・・
・書類作成や内容の精査にかかる時間が短縮され、業務がスムーズに進むようになる ・スタッフや他の社労士など、各自の頭の中にしかないノウハウを見える化することで、同じような案件や状況に、複数のメンバが対応できるようになる ・定型業務をマニュアル化、ルール化することで、スタッフ全員が同じレベルの業務をこなすことができるようになる ・スタッフや社労士同士の案件の進み具合や状況を誰でもいつでも把握できるようになる |
お客様の数や案件の数を増やし、利益をあげていくためには、社労士1人の力だけでは限界があります。案件をこなすために、社労士やスタッフの数を増やしても、生産性があがらなければ意味がありません。
人が増えたときは、上手にコミュニケーションをとったり、業務の定型化で属人化を排除したりすることにより、生産性は大きく変わっていきます。
3. IT活用のツール7選
社労士の業務の中でITを活用するためにおススメのITツールを7つご紹介します。
課題を解決できそうなツールが見つかったら、ぜひ業務のデジタル化を検討してみてください。
(1) PDFelement:文書作成・共有・電子署名・保護ツール
Q:お客様との契約書類や提出書類など、紙の書類を扱うことが多い社労士事務所では、書類の確認や提出に時間がかかり困っているのではないでしょうか。繰り返し行われる紙書類の確認と修正にかかる手間と時間は、書類をPDFにすることで、効率化につながり、さらにペーパーレス化でコピー用紙やゴミの削減、郵送費の削減にもつながります。PDFelement(PDFエレメント)を活用することで、効率が大幅に節約できます。
例えば契約書:
出典:「秘密情報の保護ハンドブック~企業価値向上に向けて~」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/pdf/handbook/full.pdf)
契約書の内容をお客様と確認して決めていくとき、修正点などを伝えながら、内容を固めていきますが、PDFelementを使ってPDF化した契約書でやりとりすることで、外出先からでもコメントをつけたり、お客様の要望を踏まえて内容を修正したりすることができますので、スムーズに契約書の作成が完了します。
文書を編集することだけでなく、PDFファイルを共有することもできます。PDFelementでは、四種類の共有方式を提供しております:Eメール、Dropbox、Evernote、Google drive。それぞれ自分が好きな方式を使って、作成された文書を同僚に共有したり、クラウドに保存したりすることができます。
署名に関して、PDFelementでは手書き署名だけでなく、デジタル署名やスタンプオプションも作成できます。方法は簡単で初心者も操作できますので、業務効率が高くなれます。
また、資料保護/制限する必要がある時も、PDFelementで簡単に操作できます。パスワードを追加し、機密情報を墨消しで削除するなどPDFelement内でファイルを安全に管理しましょう。
➬Microsoft Office、画像、テキストなど合計17種類のファイル形式に対応。
➬レイアウトと書式を崩さずに、各形式に合わせた高度設定も可能。
➬互換性あり!他のファイル形式からPDFまで直接作成/変換可能。
(2) Google Workspace:文書作成・共有ツール
契約書などの文書作成や、見積書、請求書など、さまざまな書類を作成する社会保険労務士。Google Workspaceのホームページ:https://workspace.google.co.jp/intl/ja/
複数人でやりとりが必要な場合は、ExcelやWordを使ってファイルを共有するよりも、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートを使うことで、オンラインで同時に文書にアクセスして確認しながら話をすることもできるため、スムーズな確認や修正を行うことができます。また、お客様にクラウド上の文書を共有し、URLを送るだけで、ファイルの閲覧やダウンロードが可能ですので、メールソフトを開いて、添付して・・・といった煩わしさから解放されます。
(3) Chatwork:業務用チャットツール
アシスタントやお客様とのコミュニケーションに課題を感じているなら、チャットワークの導入を検討してみましょう。チャットワークは、ビジネスチャットツールです。
手続きなどで外出が多い社労士の方は、お客様から相談を受けたり、折り返し連絡をしたりするなどの対応が遅れがちになることもあるのではないでしょうか。
また、電話連絡では、伝達ミスがおきたり、資料がすぐに確認できなかったり、一緒に働く仲間とのコミュニケーションミスや遅れも発生しやすくなります。
チャットワークのホームページ:https://go.chatwork.com/ja/?click=header-navi
でも、チャットワークを利用すれば、電話ができない移動の電車の中や外出中のすきま時間でも、お客様やスタッフと手軽にコミュニケーションをとることが可能です。
さらに、グループチャットの機能を使えば、複数の関係者同士で話をすることもでき、効率的です。
チャットは、メールのように文面を気にする時間も必要ありませんし、書類のやりとりも可能なファイル管理機能や、業務の依頼やスケジュールを管理できるタスク管理機能、直接会話したいときには、ビデオ/音声通話機能もあるため、業務の効率化はもちろん、コミュニケーションの活性化にもつながります。
もちろん、セキュリティにも考慮されたビジネスチャットツールですので、安心して利用することができます。
→関連記事:
チャットワーク(Chatwork)の使い方・機能・料金プランを徹底解説!
(4) ZOOM:オンライン会議ツール
テレワークが進み、最近ではオンライン会議もあたりまえになってきました。手軽に導入でき、使い勝手もシンプルなZOOMは、パスコードの設定や待機室と呼ばれる相手を確認する機能も用意されており、セキュリティにも配慮されています。
チャットワークと連携させることで複数人とのZOOMビデオ会議も、チャットワークから簡単に開始することができます。
(5) サイボウズOffice:スケジュール管理ツール
お客様との日程調整や、社内のスケジュール管理に課題を感じているなら、グループウェアの導入を検討してみましょう。グループウェアに含まれるスケジュール機能では、複数メンバの空き時間をさくっと検索できますし、他のメンバの動きに合わせて仕事を調整したりすることもできます。
グループウェアはいろいろありますが、[サイボウズOffice]には、助成金申請や社会保険手続きなど、社労士の業務を効率化するアプリケーションをセットにした、社労士事務所パック(https://office.cybozu.co.jp/function/customapp/sample/pack-syaroushi/index.html)という専用アプリケーションを追加することもでき、より効率的に業務に役立てることができます。
サイボウズOfficeのホームページ:https://office.cybozu.co.jp/
(6) DirectHR:労務管理システム
労務管理システムは、さまざまな企業が提供しており、提供されている機能も様々です。DirectHRは、入社・結婚・出産・育児・介護・退職等のライフイベントに合わせた様々な手続きを、従業員の申請データをもとに作成し、それぞれの役所に電子申請を行うことができるツールです。
すべてクラウド上で行えるため、手間や時間を大幅に削減し、ペーパーレスにもつながります。
また、従業員側も好きな時に給与明細や各種公文書を確認することができて便利です。
DirectHRホームページ:https://directhr.jp/
(7) クラウドサイン:契約書の締結と管理ツール
クラウドサインは、契約作業をオンラインで完結できるサービスです。
契約締結をデジタル化することで、契約書の印刷・製本、送付用の封筒の宛名書き、郵送などの手間はもちろん、インク代や収入印紙代などのコストも削減することができます。
クラウドサインのホームページ:https://www.cloudsign.jp/
保管や管理も紙に比べてスペースや保管方法に悩む必要がなく、必要な書類の検索も楽になります。
また、更新期限が近づくとメールでアラートをしてくれるため、期限を逃すことなく、対応することができます。
弁護士ドットコム株式会社による電子署名に加え、認定タイムスタンプを利用することで、完全性と真正性を確保することができ、セキュリティ面も安心です。
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まとめ
現在の課題を明確にし、課題を解決できるITツールを導入するためのヒントになりましたでしょうか。
ITを使うことで、業務のやり方を定型化できれば、特別なスキルがなくてもできる書類作成などは、アシスタントに任せて、社労士にしかできない仕事に専念することができるようになります。
書類作成にかかる時間を短縮することができれば、より多くのお客様や、より多くの案件をこなすことがきるようになり、利益アップにもつながります。
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