はじめに
就活の際、紙で作成した履歴書は、郵送または手渡しのいずれかの方法での提出が求められます。
本来、提出期限や提出方法は事前に告知されるのが一般的ですが、突然提出を求められることもあるため、どのような状況でも対応できるよう事前に準備しておくことが重要です。
また、履歴書のような重要書類は、郵送する場合にも、手渡しする場合にも、それぞれのマナーがあります。
「履歴書の提出」についても選考の対象となると考えましょう。
ここでは、履歴書を郵送したり、直接手渡ししたりする際に押さえておきたい封筒の「書き方」や「入れ方」、「マナー」などについてご紹介していきます。
目次:
1. 封筒の書き方
正式な書類を郵送する封筒の書き方には、次のようなルールがあります。
・正確に記載する
履歴書などの重要な書類を企業の「部署」や「個人」あてに送付する際、封筒には正式な表記を記載するのが基本です。
たとえば、住所は「都道府県」から「ビル名(部屋またはフロア番号)」まで正確に、法人格(株式会社など)や会社名も「略字((株))」など使わず正しく記載します。
なお、封筒への記入は黒色のサインペンかボールペンを用い、万が一濡れてしまっても消えたりしないよう油性のものを使いましょう。
・「履歴書在中」と記載する
封筒に履歴書が入っていることが一目で分かるよう、左下に赤字で「履歴書在中」と記入して、四角で囲みます。
・差出人の住所・氏名は封筒の裏面に
差出人の住所・氏名は封筒の裏面に記載します。
差出人の住所についても、「都道府県」から「ビル名(部屋またはフロア番号)」まで正確に記載しましょう。
・封印をする
封がされていること、途中で開封されていないことを示すために、封筒を閉じた部分に「〆」や「緘」といった文字を記入して「封印」をします。
その他、宛先によって異なるマナーやルールがあります。
ここでは、履歴書を郵送する際の封筒の書き方について宛先別にご紹介していきます。
1.1 会社・部署あてに送付する場合
会社・部署あてに送付する場合の敬称は、「御中」です。
たとえば、「〇〇株式会社 御中」や「〇〇株式会社 □□部 御中」というように記載します。
なお、履歴書を送付する際、複数の担当者がいる場合や個人名が指定されていないという場合は、「〇〇株式会社 □□部 採用担当御中」と記載するのが一般的です。
▼封筒記載例1
1.2 個人あてに送付する場合
特定の採用担当者(個人)あてに送付する場合の敬称は、「様」です。
たとえば、「〇〇株式会社 □□部 採用担当 △△様」というように記載します。
会社名や部署名は小さめに記載し、個人名を大き目に記載すると見やすくなり、レイアウトも整います。
▼封筒記載例2
2. 封筒に履歴書などを入れる場合の順番と注意点
履歴書などの正式な書類を封入するときは、封筒への書類の入れ方、入れる順番などに次のようなルールがあります。
・封筒のサイズは「角形2号」または「角形A4号」
履歴書は、A4、B5サイズで売られているのが一般的なため、封筒のサイズはA4サイズの書類を折らずに封入できる「角形2号」または「角形A4号」の封筒を使用するのが一般的です。
なお、封筒の色は、清潔感のある「白色」にすることをおすすめします。
・履歴書は2つ折り
履歴書を封筒に入れるときは、記入された面が外側になるよう二つ折りにし、名前、住所、学歴・職歴などが記載された面が封筒の表面になるように封入します。
・封筒に履歴書を入れる順番
履歴書などの重要な書類は、あらかじめクリアファイルに入れてから封筒に入れるのがおすすめです。
クリアファイルに入れることで、書類の破損を防ぐことができます。
なお、複数の書類がある場合は、記載面が封筒の表面に来るよう「添え状(送付状・送り状)」「履歴書」「職務経歴書」「その他の書類」の順番に入れるのが一般的です。
3. 送り方のマナー
就活時の履歴書の送り方は、主に「郵送」と「手渡し」のいずれかです。
履歴書の書き方や封筒に入れる際のルールは、郵送でも手渡しでもほとんど変わりありませんが、送り方のマナーはそれぞれの特性による違いがあります。
ここでは、「郵送」と「手渡し」それぞれの送り方のマナーについてご紹介します。
3.1 郵送ときのマナー
履歴書を郵送するときのマナーとして、次の3点に注意しましょう。
・添え状(送付状・送り状)を同封する
添え状(送付状・送り状)は、「誰が」「どのような書類」送ったのかを採用担当者に確実に知らせるためのものです。
添え状を同封することで、採用担当者が細かく中身を確認する必要がなくなります。
▼添え状(送付状・送り状)例
・提出期限内に送付する
履歴書のような重要な書類は、決められた期限内に届くように送付するのが基本です。
提出期限を確認するとともに、「必着」なのか「消印有効」なのかもチェックしましょう。
2021年10月から、普通郵便の土曜日配達がなくなったのに加え、翌日配達のサービスもなくなりました。
現在では、普通郵便で郵送する場合、ポストに投函してから実際に配達されるまでに平均で3~4日かかります。
そのため、余裕をもって投函する、または、「速達」で郵送することをおすすめします。
ただし、確実に届けたいからといって、手渡しでの受け取りが必要になる「書留」での郵送は、採用担当者への負担になるため避けましょう。
・郵便料金に不足が無いように送付する
郵便料金に不足が無いように送ることも重要です。
郵便料金については、次の日本郵便Webサイト「料金制度について」(https://www.post.japanpost.jp/service/standard/one_price.html)で確認することができます。
▼日本郵便Webサイト「料金制度について」(https://www.post.japanpost.jp/service/standard/one_price.html)
なお、郵便料金は重さによって決まるため、不安な場合は郵便局の窓口で手配すれば、料金不足なく送ることができて安心です。
3.2 手渡しするときのマナー
面接時など企業に赴き、履歴書を手渡しする場合もあります。
履歴書を手渡しするときのマナーとして、次の2点に注意しましょう。
・封筒に入れて持参する
手渡しの場合でも、履歴書は封筒に入れて持参するのがマナーです。
ただし、添え状(送付状・送り状)は不要で、封をする必要もありません。
また、手渡しの場合、封筒の表面の宛先も不要ですが、裏面の「差出人の氏名・住所」はきちんと記載しましょう。
・渡すタイミングや渡し方に気を付ける
履歴書を手渡しする場合は、書類が相手から見て正しい方向になるように差し出すのが基本です。
履歴書を面接官に渡す場合は、次の手順で行います。
1)面接官から提出を求められる
2)クリアファイルを封筒から出す
3)下から封筒→クリアファイル→履歴書の順に重ね、面接官に手渡す
なお、受付にまとめて提出するなど、面接官以外の人に手渡す場合は、封筒から出さずにそのまま渡しましょう。
4. 履歴書の封筒についてよくある質問
ここでは、履歴書の封筒に関するよくある質問についてお答えしていきます。
Q1. 茶色の封筒では失礼にあたりますか?
A1. いいえ。履歴書を入れる封筒の色は「白色」「水色」「茶色」のいずれかを使うのが一般的で、失礼にはあたりません。
そうとはいえ、最も無難なものは白色の封筒です。
Q2. 「履歴書在中」は赤字でなければいけませんか?また、なぜ四角で囲むのですか?
A2. 「履歴書在中」は「朱書き」と呼ばれるもので、書いた内容を目立たせるために用いられる方法です。
朱書きには決まりがあり、赤字で書いた文字の周りを、さらに赤の四角形で囲むのが基本です。また、書く位置も一般的に「封筒の表側の左下」とされています。
Q3. 宛名や宛先は「縦書き」「横書き」どちらで書いた方がよいですか?
A3. 封筒の宛名は縦書きでも横書きでも問題ありません。
ただし、会社名や部署名、ビル名などにアルファベットが含まれている場合や洋封筒の場合は「横書き」にします。
なお、横書きにした場合は朱書きも横書きで記入しましょう。
Q4. 宛名や宛先を書くペンは何色がよいですか?ボールペンでもよいですか?
A4. 宛名や宛先を書くペンの色に決まりはありません。
しかしながら、ビジネスマナーとしては、黒色が一般的と言えるでしょう。
また、ボールペンで記入しても問題ありませんが、フリクションボールペンは避けましょう。
Q5. 郵送では期限内に届きそうにありません。宅配便やメール便などで送っても良いですか?
A5. 履歴書は宅配便やメール便などでは送れません。
履歴書は「信書(特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書)」にあたり、法律上、宅配便やメール便で送ることはできません。
バイク便については信書の配送も可能ですが、「間に合わないほどギリギリ」という印象を与えてしまうため、決して有効な手段とはいえません。
まとめ
今回は、履歴書の封筒の書き方や入れ方、郵送・手渡しときのマナーなどについてご紹介してきました。
就職・転職活動においては、履歴書の中身はもちろん、マナーが身についているか、常識があるか等、すべての行動が選考の対象となる可能性があります。
履歴書のような重要な書類は、余裕をもって準備しておくものですが、封筒の準備や渡し方のマナーなどは、直前になって慌てがちになるので、これらも含めて事前に確認しておきましょう。
皆さまの就職・転職活動が成就しますよう、お祈り申し上げます。
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