手書き文字をパソコンに取り込むときに利用するのがOCRです。
OCRはOptical Character Recognitionの略で光学的文字認識を意味します。資料作成やドキュメント作成、帳票作成など電子化が進みつつある中でも手書き文字を取り扱うことは多く、OCRは私たちの生活の中で欠かせません。
この記事では手書き文字をテキストデータに変換するOCRについて解説するとともに、手書き文字を認識させるおすすめのサービス6選をご紹介します。特にPDFelementはOCRだけではなく、PDF編集も行えるなどすぐれた機能を搭載しています。
日常生活の中で手書き文字をテキストデータに変換する必要があるときには、この記事を参考にしてみてください。
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目次:
Part1. 手書き文字をテキストに変換する必要性
近年、手書き文字をテキスト形式に変換してデータ化する必要性が高まりつつあります。理由はペーパーレス化が進んでいるためです。ペーパーレス化により、今まで紙媒体を使用して保存しているやり方が見直され、書類の電子化が進んでいます。このようなとき、手書き文字をテキストに変換してデータ化しなければなりません。
現在、手書きの帳票は数多く使用されています。手書きでサインをする必要は多く、手書き文字の帳票がなくなることはないでしょう。ビジネスにおいても議事録を手書きでメモすることが多く、こうした場面を踏まえると手書き文字のテキストデータ化は必須ともいえます。
Part2. 手書き文字をテキスト化する主流な技術OCRとは
OCRを行う工程は以下の4ステップに分かれます。
・画像取得
・文字特性解析
・パターンマッチング
・単語辞書による言語処理
まず、手書き文字が書かれた画像を読み込み、文字を1つずつ分解します。これが画像取得です。
次に文字特性解析によって文字の特徴を抽出します。手書き文字特有のくせや文字の傾き、文字のかすれ、つぶれなどにも対応しなければなりません。
文字特性解析を行ったのちに、パターンマッチング技術により文字の特性がどれだけ登録した文字に近いのか計算を行います。
最後に単語辞書による言語処理を行い、個々の文字を単語として認識し、前後関係から正確な文字の識別を行います。
これまでのOCR技術では、こうした一連の処理をさせるためにすべてのデータをその都度手作業で準備しなければなりませんでした。
しかし、現在はAI-OCR技術が進歩しつつあり、機械学習によって各解析処理を実施する方法が主流になりつつあります。AI技術の導入によってOCRも正確で効率的なものに進化しているのです。
Part3. OCR手書き文字認識サービス6選
現在、さまざまなOCR手書き文字認識サービスが提供されています。
ここでは、有料のOCRサービスと無料で利用できるOCRサービスをそれぞれ3つずつご紹介します。
3.1 有料文字認識サービス
代表的な有料文字認識サービスは以下の3つです。
・PDFelement
・CLOVA OCR
・スマートOCR
それぞれのサービスについてご紹介します。
・PDFelement
PDFelementはPDF編集を行うソフトウェアで、すぐれたOCR機能を備えています。
OCRスキャン機能は「スキャンして編集可能なテキストに変換」と「画像をスキャンして検索可能なテキストに変換」の2パターンあり、状況に応じて柔軟な使い分けが可能です。
利用料金 | PDFelement標準版(永続ライセンス):5,980円(税込) PDFelementプロ版(永続ライセンス):9,980円(税込) |
対応言語 | 24言語(日本語含む) |
対応ファイル種類 | doc、docs、xls、xlsx、ppt、pptx、jpg、jpeg、png、tiff、gif、bmp、epub、rtf、txt、html、pdf、PDF/A |
※利用料金はグループ・チーム向け、学生・研究者向け、バンドルで変わります。詳しくはwondershareまでお問い合わせください。
PDFelementのOCR機能は非常にすぐれていて、22言語に対応しています。あらゆる文字に対応している点は大きなメリットといえます。こうしてスキャンした文字をPDFとして編集でき、多機能な文書管理を行える点がPDFelementのすぐれた点です。
価格は個人向け、法人向け、教育向けが用意されています。ぜひ1度お問い合わせください。
PDFelementの公式ホームページはこちら⇒ https://pdf.wondershare.jp/
以下のボタンからも無料体験できます。
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・CLOVA OCR
CLOVA OCRはクラウドアプリケーションによってOCR処理を行うサービスです。
AI-OCRにより、さまざまな手書き文字を正確かつ効率的に処理します。クラウドによってサービスが提供されているため、簡単で手軽に手書き文字をテキストに変換できる点がメリットです。そのほかにもAPIによりAI-OCRを利用できます。
利用料金 | CLOVA Reader:初期費用:無料、月額利用料:55,000円~ 特化型OCR:月額基本料:33,000円~ CLOVA OCR API:初期費用:無料、月額利用料:3,300円~ |
対応言語 | 日本語、英語など(詳しくはお問い合わせください) |
対応ファイル種類 | pdf、jpeg、png、tiff |
※料金はサービスタイプによって変わります。タイプによっては開発が必要なものもありますので、詳しくはCLOVA OCRまでお問い合わせください。
CLOVA OCRで処理できる書類の種類は豊富で、たとえば発注書や納品書といった定型書類、請求書やレシートといった特化型書類に対応しています。さらに、伝票や点検表、勤怠管理表といった全文認識・表抽出を行える点がCLOVA OCRの大きな特徴です。
CLOVA OCR Readerは30日間の無料トライアルが可能です。有料で使用する場合は、CLOVA OCR Reader、特化型OCR、CLOVA OCR API、それぞれによって料金が変わりますので、詳しくはホームページを参照するか、もしくはCLOVA OCRへお問い合わせのうえ、ご確認ください。
・スマートOCR
スマートOCRはクラウド型文字認識サービスです。
現在、数多くの企業で利用されているほか、官公庁での利用実績もあるすぐれたOCRツールです。AI-OCRにより、文字変換にすぐれている点が大きな特徴です。
利用料金 | 詳しくはお問い合わせください |
対応言語 | 日本語、英語など(詳しくはお問い合わせください) |
対応ファイル種類 | png、jpg、pdf、tiff、bmp |
※詳しい料金についてはSmart OCRまでお問い合わせください。
スマートOCRの大きなメリットのひとつはAI-OCR機能です。スマートOCRは、手書き文字がどの部分なのか判別するAI文字認識エンジンと、手書き特有の歪みを補正するAI歪み補正エンジンを搭載しています。これらのエンジンにより、その人特有の筆跡に関係なく正しい文字を認識でき、効率的なテキストデータの作成を可能にしています。
さらに、セキュリティに関しても高機能で、2段階認証、IPアドレス制限、パスワードロックなど、安心して使用できる点も大きなメリットです。
料金に関してはさまざまなオプションがあります。利用を検討する場合はSmart OCRへお問い合わせください。
3.2 無料文字認識サービス
無料で利用できるOCRツールには以下の3つがあります。
・OneNote
・Googleドライブ
・pdf24
それぞれのツールについて解説します。
・OneNote
OneNoteはMicrosoftから提供されている無料ノートツールです。
OneNoteにはOCR機能が備わっていて、画像やスキャンデータから手書き文字を読み取り、テキストエディタやオフィスソフトで編集できます。
利用料金 | 無料 |
対応言語 | 日本語(言語設定により93言語に対応可能) |
対応ファイル種類 | doc、docx、xls、xlsx、ppt、pptx、jpg、png、gif、bmp、pdf |
OneNoteで画像から文字を取得する手順はとても簡単です。OneNoteに手書き文字を写した画像ファイルを挿入して、右クリックで「画像からテキストをコピー」を選択のうえ、コピーしたテキストはテキストエディタに貼り付けるだけです。
ただし、一部バージョンでは右クリックしても「画像からテキストをコピー」が表示されない場合があります。そのほかにも、日本語がうまく変換されない場合もあります。事前に確認のうえ利用しましょう。
・Google ドライブ
GoogleドライブはGoogleから提供されているクラウドストレージサービスです。GoogleドライブとOCR機能は関係がないように思えますが、Googleドライブに画像ファイルを保存することで文字抽出できます。
利用料金 | 無料 |
対応言語 | 200言語以上(日本語含む) |
対応ファイル種類 | jpg、png、gif、pdf |
GoogleドライブのOCR機能ですぐれている点は、その手軽さと精度の高さです。
Googleドライブは私たちの生活で利用頻度が高く、パソコンでもスマホでも手軽に操作が可能です。たとえばスマホで撮影した手書きの画像を「Googleドキュメントに変換」と選択するだけで、すぐに手書き文字をテキスト化できます。
さらに変換した文字データも精度が高く、無料でこれだけの機能が使えるのは大きなメリットです。
・pdf24
pdf24はPDFの変換やOCR機能を提供するフリーウェアです。
OCRはもちろんのこと、PDFの編集や変換、圧縮、結合などPDFに関するあらゆる操作を行える点が特徴です。
無料ながら多機能な点がpdf24を利用する大きなメリットといえるでしょう。
利用料金 | 無料 |
対応言語 | 123言語(日本語含む) |
対応ファイル種類 | pdf、bmp、dib、gif、jfif、pjpeg、pjp、jpg、png、svgz、svg、tiff、tif、emf、wmf |
このように、無料で便利なpdf24ですが、気をつけなければならない点があります。
それはpdf24の偽物が出回っている可能性がある点です。偽サイトから入手したものはウイルスを含んでいる可能性があります。そのため、pdf24を入手する際には必ず公式サイトで手に入れるか、Microsoft App Storeなど信頼のおけるサイトから入手しましょう。
Part4. 無料・有料どっちを選ぶべき?文字認識ツールの変換効果から確認
ここで、今回ご紹介した無料のOCRツールとPDFelementのOCR機能を使用した場合の結果を比較してみます。どちらのツールを利用した方がよいのか、実際に確認した結果をご覧ください。
このように、PDFelementを使用した場合は高精度で手書き文字の変換に成功しています。この結果から、無料ツールでは限界のある変換精度を得るためには、PDFelementを始めとした有料ツールを導入した方が大きなメリットを得られることがわかります。
Part5. OCR手書き文字認識の効果を向上させるポイント
OCR手書き文字認識を効果的に行う場合には、以下のポイントを意識してみましょう。
・丁寧に文字を書くように気をつける
・OCRは完璧でないことを認識する
・機能や実績を確認して精度が高いツールを使用する
まず、OCRに正しく文字を認識してもらうためには文字を丁寧に書くことが重要です。当然のことながら、なぐり書きの文字は判別しにくく制度が下がってしまいます。そのほかにも、「エ」と「工」、「ン」と「ソ」、「ツ」と「シ」など、似たような文字は特徴がわかるように記載することも重要です。
さらに、OCRは必ずしも正しい変換をしてくれるわけではないことも理解しましょう。文字化けや誤変換がある場合は、変換後に修正を行わなければなりません。一見すると面倒な作業のように思えます。しかし、変換すべき手書き書類や帳票が多い場合はOCRを導入するメリットは高いといえます。その際には機能や実績を確認して精度の高い製品を選択しましょう。
このようにOCRツールを使用するときには費用対効果を考え、中長期的にみて高い効果が得られるのか十分に検討することが、効果的にOCRツールを使用するためには重要です。
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