文字認識の進化：AI-OCR( ICR )とは何か？その活用法と最新のAI-OCRソフト4選

業務効率化でデジタルデータにするために、紙の書類やフォームなどにOCRを使ってきました。

しかし、文書の形式が違うと読み取れなかったり、読み取りの精度が悪かったりする問題があり手間は減りませんでした。そこで問題を克服するためにAI-OCRが最近出てきて、活用されだしています。
AI-OCRは、AIの技術で画像の文字を認識する新しい技術で、OCRよりも性能が高いのが特徴です。AI-OCRなら、紙の書類やフォームを手軽にデータ化できて、仕事の効率や情報の活用ができます。
この記事では、OCRとAI-OCRの違いやおすすめのAI-OCRソフトなどを紹介します。

目次：

1. AI-OCRとは何か？
• ・OCRとは
• ・AI-OCRとOCRの違い
2. AI-OCRの特徴とビジネスへの活用法
• ・AI-OCRの利点
• ・ビジネスにおけるAI-OCRの活用法
3. 2024年最新：おすすめのAI-OCRソフト4選
• ・CLOVA OCR
• ・PDFelement
• ・スマートOCR
• ・AIREAD
4. AI-OCRを導入する際のポイント
5. まとめ

Part1. AI-OCRとは何か？

AI-OCRについてOCRとの違いに触れながら解説します。

AI-OCRだけでなくOCRについても知りたい方は、ぜひ確認してみてください。

1.1　OCRとは

OCRとは、Optical Character Recognitionの略です。画像やPDF内の文章を読み取り、文字データに変換する光学文字認識機能のことを指します。紙の文書や帳票などをスキャナーで読み込み、文章をソフトが読み取りデジタル化する技術です。

パソコンは人間と異なり、紙に書かれている文字を読んだり意味を理解したりなどができません。そのため、文章や帳票などをパソコンでも読み込めるデータとして活用するには、人間の力が必要です。パソコンに認識させる前に、人間が一度内容を理解して文字に変換する必要があります。しかし、文字入力後に再度パソコンに内容を認識させるのは非効率です。そこで、この作業を人間の代わりに行ってくれるのがOCRです。

1.2　AI-OCRとOCRの違い

AI-OCRは、OCRにAIを活用することで手作業を自動化することで効率的におこなえるのが特徴です。AI OCRを利用することで、機械学習による文字認識率の向上や業務効率が向上します。

また、AI-OCRとOCRの違いは主に次の2点です。

● 文字認識率が高い

 OCRでは、よくあるパターンや決まった範囲内でしか識別ができないのが欠点でした。

そのため、文字認識率があまり高くなく人間による手作業で修正作業がおこなわれていました。

しかし、AI-OCRはOCR機能と異なりAI自体に機械学習をさせることが可能です。

機械学習機能があることで、文字を読み間違えたり上手く認識できなくてもその間違えたデータをAIが学習します。

そのため、OCR機能よりもAI OCR機能は文字認識率が向上しています。

また、これまでのOCRと異なり手書き文字に対応したAI-OCRも登場しています。

● フォーマットが異なる帳票に対応できる

OCRは、文字種類や桁数などを設定しないと文字を認識できませんでした。

しかし、AI-OCRはAIがどこに何が書いてあるかを自動で見つけることが可能です。

そのため、紙の資料をスキャンするだけでAIが文字を認識してくれます。

請求書や納品書、発注書などの色々な帳票も、スキャンするだけで内容を取り出せるので、仕事の時間を短縮できるのもメリットです。

Part2. AI-OCRの特徴とビジネスへの活用法

AI-OCRは、文字認識率が高く、フォーマットが異なる帳票に対応する特徴を持っています。

Ai-OCRならではの特徴を活かして、ビジネスにおけるAI-OCRの利点や活用法を紹介します。

2.1　AI-OCRの利点

OCRではなくAI-OCRを利用する際の利点は次の3点です。

AI-OCRを導入するかどうかを検討する際の参考にしてみてください。

● 業務効率を向上できる

 AI-OCRを使うことで、これまでのOCRを利用する際に人間がおこなっていた入力作業や伝票の仕訳などの作業を自動化することができます。

作業時間やコストを削減できヒューマンエラーを防ぐことができます。

また、単純作業をAIに任せることで、人間がより付加価値の高い業務に集中できるのがメリットです。

● AIによる情報活用能力の向上

 AI-OCRを使うことで、紙の文書や帳票を効率的にデジタルデータに変換できるため、さまざまな方法で活用することが可能です。

データをクラウド上に保存可能になるため、いつでもどこでもアクセスできるようになり、データ共有や協力作業も簡単になります。

また、データ検索やデータを整理することで、必要な情報を素早く見つけることができます。

● セキュリティの向上

 AI-OCRを使うことで、紙の文書や帳票をデジタルデータに変換でき、クラウド上に保存することが可能になります。

そのため、日々の業務で忙しくてデータ化できていない紙の文書や帳票の紛失や盗難、破損などのリスクを減らせます。

さらに、クラウド上のデータには、暗号化やアクセス制限などのセキュリティ対策を施すことが可能です。

AI-OCRを利用することで、より簡単にデータの安全性を高めることができるのも利点の一つです。

2.2　ビジネスにおけるAI-OCRの活用法

AI-OCRは、ビジネスにおいてさまざまな業種や業務において活用することができます。

Ai-OCRを活用したビジネスにおける代表的な活用例を紹介します。

ビジネスに活用したいと考えている企業の方はぜひ参考にしてみてください。

● 請求書や領収書の処理

 請求書や領収書は、会計や経理などのビジネス業務において必要な文書です。

しかし、デジタルデータでなく紙で管理すると入力や仕訳に加えて保管などの作業が大変になります。

そこで、AI-OCRを使うことで請求書や領収書をスキャンするだけで、品名や金額、日付などの項目を抽出でき、会計システムに自動登録することができます。

● 履歴書や名刺の処理

 履歴書や名刺は、人事や営業などの業務でよく利用する文書ですが、紙で管理すると、入力や整理、保管などの作業が大変です。

その中で、AI-OCRを使うと履歴書や名刺を簡単にスキャンが可能です。

氏名や住所、職歴などの項目を抽出でき、人事システムやCRMシステムに自動登録することができます。

AI-OCRは、OCRと比較して履歴書や名刺の処理を効率化できるため、人材や顧客の管理を向上させることができます。

Part3. 2024年最新：おすすめのAI-OCRソフト4選

AI-OCRの技術は日々進化しており、さまざまなソフトウェアが市場に出ています。

2024年最新のおすすめのAI-OCRソフトウェアを4つ紹介します。

3.1 CLOVA OCR

CLOVA OCRは、LINEが提供するAI-OCRサービスで、OCRの認識精度を競うコンペで認識精度No.1を獲得しています。

CLOVA OCRの主な特徴としては、定型フォーマット以外にも対応しており、事前に帳票のフォーマットを設定する必要がありません。
また、高精度の認識精度を誇りますが、コストはリーズナブルで一枚ずつの課金となるため、コストを抑えたい場合におすすめです。  

3.2 PDFelement

PDFelementは、OCR機能以外にPDFの作成・編集・変換・保護・管理などをおこなうことができるソフトウェアです。

PDFelementの主な特徴としては、高精度な文字認識とPDF編集機能を活用できる点です。

書き文字や多言語の文字も高精度に認識することができるだけでなく、PDFの編集や圧縮、署名などPDF関連の機能も利用できます。

3.3 スマートOCR

スマートOCRは、クラウド型のAI-OCR機能を活用でき、非定型帳簿や手書き文字に対応しています。

スマートOCRの主な特徴は、文字認識だけでなく高度なデータ抽出を利用できる点です。

書式のバラバラな非定型の帳簿に対応しており、柔軟にAIがデータを抽出します。

3.4 AIREAD

AIReadは、AIの学習機能及び手書きまたは活字文字の読み取りにだけでなく、非定型フォーマットにも対応しています。

また、AIReadの特徴としてオンプレミス、クラウド型などさまざまな形態でAI-OCRの利用ができるのが特徴です。

Part4. AI-OCRを導入する際のポイント

AI-OCRは、文字認識の技術として優れています。

しかし、導入する際には次の2つのポイントに注意する必要があります。

● AI-OCRの導入コストや導入効果から導入を検討する

 AI-OCRは、業務効率や情報活用を向上させることができますが、導入するにはコストがかかる場合があります。

AI-OCRの導入コストと効果を見積もり、自社にとって導入コストよりも効果の方が高いかを判断しましょう。

● 導入したいAI-OCRの品質やセキュリティを確認する

 AI-OCRは、高精度な文字認識やデータ抽出をおこなえるのが特徴ですが、品質やセキュリティが保証されていることが必須です。

AI-OCRの品質やセキュリティを確認することで、AI-OCRの信頼性や安全性を確認することができます。

まとめ

AI-OCRは、AI技術を使って画像の中の文字を読み取る最先端の技術です。

AI-OCRは、OCRと比較して文字の認識精度や補正精度が向上しており、手書きの文字や、非定型の帳票も高精度で読み取ることが可能です。

AI-OCRを使うと、紙の文書や帳票を簡単にデータ化でき、業務効率や情報活用を大幅に向上させることができます。

そのため、AI-OCRは人間の手間や負担を減らすだけでなく、ヒューマンエラーを減らすためにも重要な技術といえるでしょう。

また、AI-OCRは経理や営業などさまざまなビジネスへ影響を与えており、AI-OCRを活用できます。

今後のAI-OCRはさらなる進化が期待されており、さらなる業務の効率化やDX推進に期待が持てます。