現状からのスキルアップやステップアップを考えたとき、資格の取得を検討するという方も多いのではないでしょうか。このようなスキルアップや再就職を目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練の受講に対する給付制度が設けられています。さらに、指定の教育訓練にはオンライン講座や土日開催の講座もあり、仕事を持っていても利用することが可能です。
ここでは、活用しなければもったいない!資格取得支援制度「教育訓練給付」の概要と共に、給付対象の講座や給付の受け方などについて、解説していきます。ステップアップのために資格取得を目指している方は、是非、参考にしてみてください。
目次:
一、資格取得支援制度とは何か?教育訓練支援給付金とは?
「資格取得支援制度」とは、企業が福利厚生として、従業員が業務上必要な資格を取得するために必要な受験料、交通費、教材費及び通信教育等の費用の一部をサポートする制度です。
資格取得支援制度では、雇用保険に一定期間加入していると、スキルアップや再就職を目的として受講する厚生労働大臣が指定する教育訓練に対する補助金として「教育訓練支援給付金」を受給することができます。
なお、教育訓練支援給付金制度の詳細については、以下のWebサイトを参照してください。
厚生労働省のWebサイト(教育訓練給付制度)⇒ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html
二、教育訓練支援給付金の種類
給付金の対象となる教育訓練には、レベルや専門性等に応じて、「専門実践教育訓練」「特定一般教育訓練」「一般教育訓練」の3段階に分類されます。
それぞれの訓練で指定されている一定の要件を満たすことで、教育訓練支援給付金の給付を受けることができます。
①専門実践教育訓練
「専門実践教育訓練」は、中・長期的なキャリア形成に資する教育訓練が対象です。
なお、専門実践教育訓練では、受講中6か月ごとに受講費用の50%(年間上限40万円)が支給されます。
さらに、資格を取得し、訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合は、受講費用の20%(年間上限16万円)が追加で支給されます。
なお、失業状態にある方が初めて専門実践教育訓練(通信制、夜間制を除く)を受講する場合でも、受講開始時に45歳未満であるなど一定の要件を満たせば、別途、教育訓練支援給付金が支給されます。
②特定一般教育訓練
「特定一般教育訓練」は、速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練が対象で、再就職しやすい高度な資格取得のための講座や職業訓練に対して支給されます。
なお、特定一般教育訓練では、訓練修了後、受講費用の40%(上限20万円)が支給されます。
③一般教育訓練
「一般教育訓練」は、民間企業に勤務している人が対象(非正規・パート・アルバイト含む)で、雇用の安定・就職の促進に資する教育訓練に対して支給されます。
なお、一般教育訓練では、訓練修了後、受講費用の20%(上限10万円)が支給されます。
三、対象講座(オンライン講座あり)
教育訓練支援給付金を受給するためには、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練を受講および修了する必要があります。
なお、対象となる教育訓練は約14,000講座に及び、オンライン講座、夜間・土日に受講できる講座もあるため、働きながら受講することも可能です。
ここでは、各訓練で対象となる講座について、ご紹介します。
①専門実践教育訓練 対象講座
教育訓練支援給付金の対象となる専門実践教育訓練には、次のようなものがあります。
・業務独占資格などの取得を目標とする講座
介護福祉士、看護師、保育士、社会福祉士、調理師、栄養士、美容師、歯科衛生士 など
・デジタル関係の講座
ITSSレベル3(応用情報技術者試験、オラクルマスター Gold、シスコ技術者認定 CCNP)以上のIT関連資格取得講座、経済産業大臣認定の第四次産業革命スキル習得講座
・大学院、大学などの課程
専門職大学院(MBA、法科大学院、教職大学院 など)の課程、文部科学大臣認定の職業実践力育成プログラム など
・専門学校の課程
文部科学大臣認定の職業実践専門課程、文部科学大臣認定のキャリア形成促進プログラム
②特定一般教育訓練 対象講座
教育訓練支援給付金の対象となる特定一般教育訓練には、次のようなものがあります。
・業務独占資格などの取得を目標とする講座
介護職員初任者研修、税理士、行政書士、社会保険労務士、宅地建物取引士、大型自動車第一種・第二種免許 など
・デジタル関係の講座
ITSSレベル2(応用情報技術者試験)以上のIT関連資格取得講座 など
③一般教育訓練 対象講座
教育訓練支援給付金の対象となる一般教育訓練には、次のようなものがあります。
・資格の取得を目標とする講座
簿記検定試験(日商簿記)、実用英語技能検定(英検)、ITパスポート、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト) など
・大学院などの過程
修士、博士の学位などの取得を目標とする課程
四、給付条件と給付手続き
教育訓練支援給付金は、一定の要件を満たす雇用保険の被保険者(在職者)又は被保険者であった方(離職者)が厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し修了した場合に支給されます。
ここでは、各教育訓練における支給条件とその手続きについてまとめます。
①専門実践教育訓練
<支給条件>
・受講開始日現在で雇用保険の支給要件期間が3年以上(初めて支給を受けようとする方については、当分の間、2年以上)あること、
・離職日の翌日以降、受講開始日までが1年以内(適用対象期間の延長が行われた場合は最大20年以内)であること
・前回の教育訓練給付金受給から今回の受講開始日前までに3年以上経過していること
<申請・給付手続き>
(1)受講前の手続
訓練対応キャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングにおいて就業の目標、職業能力の開発・向上に関する事項を記載したジョブ・カードの交付を受けたあと、ハローワークに次の書類を提出します。
・教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票
・訓練前キャリアコンサルティングでの発行から1年以内のジョブ・カード
・本人・住居所確認書類及び個人番号(マイナンバー)確認書類
・写真2枚(最近の写真、正面上三分身、縦3.0cm×横2.4cm)
・払渡希望金融機関の通帳またはキャッシュカード
・専門実践教育訓練給付および特定一般教育訓練給付再受給時報告(過去に受給したことがある場合)
なお、この手続は、受講開始日の1か月前までに行います。
(2)支給申請について
教育訓練を受講した本人が受講中及び受講修了後、原則本人の住居所を管轄するハローワークに次の書類を提出します。
・受給資格者証
・教育訓練給付金支給申請書
・受講証明書又は専門実践教育訓練修了証明書
・領収書
・返還金明細書
・資格取得等を証明する書類
・専門実践教育訓練給付最終受給時報告
・専門実践教育訓練給付追加給付申請時報告
なお、支給申請期間は、専門実践教育訓練を受講中の場合、受講開始日から6か月ごとの期間(支給単位期間)の末日の翌日から起算して1か月以内。
専門実践教育訓練を受講修了した場合は、受講修了日の翌日から起算して1か月以内に行います。
②特定一般教育訓練
<支給条件>
・受講開始日現在で雇用保険の支給要件期間が3年以上(初めて支給を受けようとする方については、当分の間、1年以上)あること
・離職日の翌日以降、受講開始日までが1年以内(適用対象期間の延長が行われた場合は最大20年以内)であること
・前回の教育訓練給付金受給から今回受講開始日前までに3年以上経過していること
<申請・給付手続き>
(1)受講前の手続
訓練対応キャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングにおいて就業の目標、職業能力の開発・向上に関する事項を記載したジョブ・カードの交付を受けたあと、ハローワークに次の書類を提出します。
・教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票
・訓練前キャリアコンサルティングでの発行から1年以内のジョブ・カード
・本人・住居所確認書類及び個人番号(マイナンバー)確認書類
・払渡希望金融機関の通帳またはキャッシュカード
・専門実践教育訓練給付および特定一般教育訓練給付再受給時報告(過去に受給したことがある場合)
なお、この手続は、受講開始日の1か月前までに行います。
(2)支給申請について
教育訓練を受講した本人が受講中及び受講修了後、原則本人の住居所を管轄するハローワークに次の書類を提出します。
・受給資格確認通知書
・教育訓練給付金支給申請書
・教育訓練修了証明書
・領収書
・返還金明細書
・特定一般教育訓練給付受給時報告書
なお、支給申請手続きは、教育訓練の受講修了日の翌日から起算して1か月以内に行います。
③一般教育訓練
<支給条件>
・受講開始日現在で雇用保険の支給要件期間が3年以上(初めて支給を受けようとする方については、当分の間、1年以上)あること
・離職日の翌日以降、受講開始日までが1年以内(適用対象期間の延長が行われた場合は最大20年以内)であること
・前回の教育訓練給付金受給から今回受講開始日前までに3年以上経過していること
<申請・給付手続き>
(1)受講前の手続
原則本人の住所を管轄するハローワークに次の書類を本人が提出します。
・教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票
・離職票
・本人・住居所確認書類及び個人番号(マイナンバー)確認書類
・教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格者証(先に専門実践教育訓練の教育訓練給付金の手続を行っている場合)
なお、この手続は、受講開始日の1か月前までに行います。
(2)支給申請について
専門実践教育訓練を受講した本人が受講中及び受講終了後、本人の住居所を管轄するハローワークに次の書類を提出します。
・教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格者証
・教育訓練支援給付金受講証明書
なお、教育訓練支援給付金を受けるには、原則として2か月に1回の教育訓練支援給付金の認定日に、ハローワークで失業の認定を受ける必要があります。
五、オンライン講座での勉強に役立つソフトーPDFelement
オンライン講座では、テキストや教材など、資料がPDFで配布されることが多くなります。
PDFファイルは、環境を選ばずに閲覧することができますが、PDF編集ソフトがなければ直接書き込みすることはできません。
PDFelementは、PDFに関する全ての編集機能を備えているオールインワンのPDF編集ソフトです。
このようなソフトを活用すると、教材に直接書き込みを行ってから印刷するなど、学習に役立てることができます。
ここでは、代表的なPDF編集ソフトの1つ「PDFelement」を使って、PDFファイルを編集する方法をご紹介します。
①編集
PDFelementは、ダウンロードしたPDFファイルを編集することができます
重要なポイントにマーカーを引いたり、書き込みをしたりすることも可能です。
ここでは、ダウンロードしたPDFファイルを編集する方法について、ご紹介します
1.PDFファイルを開きます。
2.「編集」タブの「すべて編集」をクリックすると、PDFが編集可能な状態になります。
②注釈
PDFelementでは、PDFファイルに注釈を挿入することができます。
挿入した注釈は印刷することも可能。オリジナルのテキストの作成も簡単です。
ここでは、PDFファイルに注釈を挿入する方法について、ご紹介します
1.PDFファイルを開きます。
2.「注釈」タブを開き、ツールを選択して、注釈を挿入します。
3.「注釈の一覧」をクリックすると、設定した注釈を一覧で表示することができます。
③変換
PDFelementでは、PDFファイルを簡単にWordファイルなどに変換することができます。
既存の変換したファイルを既存のWordファイルに組み込んだり、既存のファイルのデータを挿入したりするなどしてカスタマイズすることが可能になります。
ここでは、PDFファイルをWordファイルに変換する方法について、ご紹介します。
1.PDFファイルを開きます。
2.画面右側の「PDFをWordに変換」をクリックします。
3.「変換」ダイアログボックスが開きます。
保存先、ファイル名を指定して、「OK」をクリックします。
まとめ
今回は、資格取得支援制度「教育訓練給付」とは、どのような制度なのか?
就職や転職に向けて取得した資格を的確にアピールするには、履歴書にどのように記載したらよいのか?などについて、ご紹介してきました。
常にモチベーションを維持しながら仕事をしていくためにも、スキルアップや環境の変化を考えたりすることがあると思います。
そのようなとき、国や企業が支援する制度が利用できれば、学びがとても現実的になるのではないでしょうか。
さらに、講座で配布された教材は、PDFelementのようなPDF編集ソフトを活用し、自分なりにカスタマイズしていくことで、少ない時間のなかでも効率的に学習が進められるようになるでしょう。
制度やツールを上手く活用しながら、是非、スキルアップにつなげてください。
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