はじめに
オフィスソフトには、有料のMicrosoft Office以外にも、無料で使えるLibreOfficeやOpenOfficeなどがあります。これらの無料のオフィスソフトでも文書ファイルをPDFファイルに変換することはできるのでしょうか?
以下ではLibreOfficeについて、その特徴やPDFファイルへの変換方法等について説明します。
目次:
1. LibreOfficeとは?LibreOfficeの特徴とは?
LibreOfficeは、無料で利用可能なオフィスソフトです。オープンソースソフトウェアであり、ドキュメントの作成、編集、スプレッドシート、プレゼンテーションの作成、データベース管理、図形描画などの機能を提供します。LibreOfficeは、Microsoft OfficeやGoogle Docsなどの有名なオフィススイートと競合しています。
LibreOfficeの特徴は次のとおりです:
①オープンソース: LibreOfficeは、ソースコードがオープンで、誰でも自由に利用、修正、配布することができます。これにより、ユーザーは自分のニーズに合わせてソフトウェアをカスタマイズすることができます。
②マルチプラットフォーム: LibreOfficeは、Windows、Mac、Linuxなど、さまざまなオペレーティングシステムで利用することができます。これにより、異なるプラットフォーム間でのドキュメントの互換性が確保されます。
③多機能: LibreOfficeは、ワープロ、スプレッドシート、プレゼンテーション、データベース管理、図形描画など、さまざまな機能を備えています。これにより、さまざまな業務やプロジェクトで幅広く利用することができます。
④ファイルの互換性: LibreOfficeは、Microsoft Officeのファイル形式(.docx、.xlsx、.pptxなど)をサポートしており、他のオフィススイートで作成されたドキュメントを問題なく開くことができます。
⑤コミュニティのサポート: LibreOfficeは、グローバルなコミュニティによって開発、サポートされています。ユーザーはフォーラムやメーリングリストなどのコミュニティリソースを活用してサポートを受けることができます。
これらの特徴により、LibreOfficeは無料で利用できる強力なオフィススイートとして広く利用されています。
2. LibreOfficeでファイルをPDFとして変換・保存する3つの方法
LibreOfficeの各コンポーネント(Writer, Calc, Impress)からPDFへエクスポートする基本的な手順は共通です。ここでは、具体的な手順と各ソフトでのポイントを解説します。
共通のPDFエクスポート手順
- 「ファイル」メニュー > 「次の形式でエクスポート」 > 「PDFとしてエクスポート」を選択。
- 「PDFオプション」画面で詳細設定(画質、パスワード等)を行い、「エクスポート」をクリック。
- ファイル名と保存場所を指定して完了。
2.1 LibreOffice Writer (文書) からの変換
①「ファイルメニュー」→「次の形式でエクスポート」→「PDFとしてエクスポート」を選択します。
②「PDFオプション」の画面でページ範囲や画像の解像度、パスワード、デジタル署名等を任意で設定します。

③保存フォルダ選択し、ファイル名を入力して「保存」ボタンをクリックします。
④「エクスポート」ボタンをクリックします。

「ファイルメニュー」→「次の形式でエクスポート」→「PDFとして直接エクスポート」を選べば、②のPDFオプションは表示されません。
2.2 LibreOffice Calc (表計算) からの変換
①「ファイルメニュー」→「次の形式でエクスポート」→「PDFとしてエクスポート」を選択します。
②「PDFオプション」の画面でページ範囲や画像の解像度、パスワード、デジタル署名等を任意で設定します。
③保存フォルダ選択し、ファイル名を入力して「保存」ボタンをクリックします。
④「エクスポート」ボタンをクリックします。

CalcからPDFへ変換する際、特に「複数シートの出力」や「印刷範囲の設定」が重要です。PDFオプションの「一般」タブで、「すべてのシート」または「選択したシート」を選べます。ExcelファイルをPDFに変換したい場合も、一度Calcで開いてから同様の手順でエクスport可能です。
2.3 LibreOffice Impress (プレゼンテーション) からの変換
①「ファイルメニュー」→「次の形式でエクスポート」→「PDFとしてエクスポート」を選択します。
②「PDFオプション」の画面でページ範囲や画像の解像度、パスワード、デジタル署名等を任意で設定します。

③保存フォルダ選択し、ファイル名を入力して「保存」ボタンをクリックします。
④「エクスポート」ボタンをクリックします。

「ファイルメニュー」→「次の形式でエクスポート」→「PDFとして直接エクスポート」を選べば、②のPDFオプションは表示されません。
3.Drawを使ったPDF編集のステップ
LibreOffice Drawを使えば、PDFファイルの簡易な編集を以下の手順で行うことができます。
①「Draw」を起動して「ファイル」メニューの「開く」でPDFファイルを指定して開きます。

②テキストを編集したり、新たにテキストや図形を追加したりすることが可能です。

ただし、以下の点に注意が必要です。
・Drawで開く際に変換しているため、一部の情報が失われることがあります。例えばテキストだけのPDFファイルをDrawで開くと、フォントなどの情報は失われ、「MS 明朝」として表示されます。
・テキストは1行ずつテキストボックスに変換されるため、テキストボックスごとに編集しなければなりません。
LibreOffice PDF編集の限界と注意点
- レイアウトが崩れる可能性
- テキストが画像化される問題
- フォントの非互換性
このように、簡単な修正は可能ですが、ビジネス用途での本格的な編集には向いていません。その場合は、専用のPDF編集ソフトが必要です。
PDFelementは、PDF文書の編集から変換まで幅広く対応できる総合的なPDFソフトウェアです。

LibreOffice Draw vs. PDFelement:PDF編集機能の比較
| 機能 | LibreOffice Draw | PDFelement |
|---|---|---|
| テキスト編集 | △ (行ごとに分割、レイアウト崩れの可能性) | ◎ (段落全体を直接編集、フォント維持) |
| OCR(画像文字認識) | ✕ (非対応) | ◎ (スキャンされたPDFも編集可能) |
| ページの追加・削除・並び替え | △ (可能だが操作が複雑) | ◎ (ドラッグ&ドロップで簡単操作) |
| 一括処理 | ✕ (非対応) | ◎ (複数ファイルに一括で透かし追加など) |
| フォーム入力・作成 | ✕ (非対応) | ◎ (入力、自動認識、作成) |
ご覧の通り、簡単な注釈以上を求めるなら、PDFelementのような専門ソフトが圧倒的に効率的です。
4.まとめ
ここでは、LibreOfficeについて、その特徴やPDFファイルへの変換方法等について説明しました。LibreOfficeを用いて、文書を簡単にPDFファイルに変換することができますが、Microsoft Officeと完全に互換性がある訳ではありません。
また、Drawを用いてPDFを簡易に編集する方法もご説明しましたが、一部の情報が失われる可能性があるので注意が必要です。
PDFを編集する際には、やはりPDFelement等のPDF編集ソフトを用いる必要があります。PDFelementは無期限で試用版が使えるので、是非その使い易さをお試しください。
プライバシー保護 | マルウェアなし | 広告なし

5. LibreOfficeに関するよくある質問
以下にLibreOfficeに関するよくある質問と回答を紹介します。
Q1: LibreOfficeはどのようなアプリケーションで構成されていますか?
A: LibreOfficeは以下のアプリケーションで構成されています。
- Writer: ワープロソフトウェア;Microsoft Wordに相当
- Calc: スプレッドシートソフトウェア:Microsoft Excelに相当
- Impress: プレゼンテーションソフトウェア:Microsoft PowerPointに相当
- Base: データベース管理ソフトウェア:Microsoft Accessに相当
- Draw: 図形描画ソフトウェア:Microsoft Officeに該当ソフトなし
- Math: 数式エディタソフトウェア:Microsoft Officeに該当ソフトなし
Microsoft Outlookに相当するようなメールソフトはありません。
Q2: LibreOfficeはどのような文書形式をサポートしていますか?
A: LibreOfficeは、Microsoft Officeの形式である.docx、.xlsx、.pptxをはじめ、OpenDocument形式(.odt、.ods、.odp)、PDF、HTMLなど多くの形式をサポートしています。
Q3: LibreOfficeはクラウドベースの機能を提供していますか?
A: LibreOffice自体はクラウドベースの機能を提供していませんが、LibreOffice Onlineというバージョンがあり、ウェブブラウザから利用することができます。
Q4: LibreOfficeにはマクロ機能がありますか?
A: はい、LibreOfficeにはマクロ機能があります。ユーザーはマクロを作成して自動化やカスタマイズを行うことができます。
Q5: LibreOfficeは複数のユーザーとの同時編集をサポートしていますか?
A: LibreOfficeは同時編集機能を提供していませんが、LibreOffice Onlineを使用することで複数のユーザーが同時に文書を編集できます。




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