企業や店舗などから商品の購入をしたりサービスの提供を受けたりした際に、対価として金銭を支払えば、その証明として、領収書が発行されます。この領収書はどのように扱えばいいのでしょうか?
以下では領収書について、保管の重要性、保存期間や保管方法、保存期間が経過した領収書の処理などについて解説します。領収書の扱いについて不安がある方は、参考にしてください。
目次:
Part1. 領収書保管はなぜ重要ですか?
領収書の保管が重要とされる理由はいくつかあります。
(1) 税務申告
領収書は収入や支出を証明する大切な書類であり、特に税務申告の際に必要です。所得税や消費税などの税金を計算する際に、正確な情報が必要です。領収書がない場合、必要な経費を証明できない可能性があり、課税額が増加する可能性があります。
(2) 保証や返金の証拠
商品やサービスの購入に関連する領収書は、商品の保証や返金に関する際に重要な役割を果たします。不具合が生じた場合や、誤って支払いがされた場合には、領収書がその取引を証明する材料となります。
(3) 法的な要件
法的な規制により、特定の取引や支出に関連する領収書の保管が求められる場合があります。例えば、監査が行われる際には、正確な取引の履歴を示すために領収書が必要です。
Part2. 2. 領収書の保管期間(法人・個人事業主別)
領収書の保管期間の基本は7年です。ただし、場合により異なります。領収書の保管ができていないと、税務調査で発覚した場合追徴課税となる場合もあるため注意が必要です。なお、保管期間は確定申告提出期限の翌日から数えます。
(1) 法人の場合
法人の場合、領収書の保管期間は基本的に7年と法人税法で定められています。ただし、決算が赤字となり欠損金の繰越控除を利用する場合、領収書の保管期間は10年となるため注意が必要です。
また、会社法では「会計帳簿及びその事業に関する重要な資料」及び「計算書類及びその附属明細書」は10年間の保管を求めています。そのため10年間保管しておけば安心です。
(2) 個人事業主の場合
個人事業主の場合は、青色申告次号者は7年、白色申告事業者は5年です。また、消費税納税義務のある事業者で、仕入税額控除を行っている場合も、領収書の保管期間は7年です。
Part3. 紙で受領した場合の保存方法
紙で受け取った領収書の保存方法にはいくつかのアプローチがあります。以下は、一般的な方法です。
(1) 整理と分類
受け取った領収書を収納する前に、種類別に整理します。たとえば、経費や事業に関するもの、個人の支出に関連するものなどに分類します。これによって必要な領収書を迅速に見つけることができます。
(2) 専用のファイルやフォルダの使用
領収書を整理するためには、専用のファイルやフォルダを使用すると便利です。ファイルやフォルダには、月ごとや年ごとに仕分けし、それに応じて領収書を収めていきます。
(3) 保存場所の確保
紙の領収書を保存する場所には湿気や虫害から守るための工夫が必要です。保管場所には、湿気取りやシートなどを利用して適切な環境を維持しましょう。
(4) デジタル化、PDF化
領収書をスキャンしてデジタルデータとして保存する方法も考えられます。スキャンした画像をクラウドサービスや専用のデータベースに保存することで、物理的な領収書がなくても必要な情報にアクセスできます。
スキャナやスキャナ一体型プリンタがある場合には、領収書をコピーして直接PDFに変換できます。スキャナが無い場合にはスマホやデジカメで領収書を写真撮影し、それをPDFelement等のPDF編集ソフトでPDFに変換します。PDFelementで領収書の写真を一括処理する手順は以下のとおりです。
①PDFelementを起動し、「PDF一括処理」のボタンをクリックします。
②「作成」のボタンをクリックします。
③「ファイルを追加」ボタンを押して写真を選択して「開く」ボタンを押すか、写真をドラッグアンドドロップします。
④出力先フォルダを指定して「適用」ボタンをクリックすれば、一括でPDFに変換されます。
Part4. 電子形式で受領した場合の保存方法
ご説明したように、領収書は最低でも5年、最長で10年の保管が必要です。それを保管するとなると、デジタル形式であっても工夫が必要です。そこでお勧めしたいのがオールインワンPDF編集ソフトPDFelementの活用です。
(1) OCR処理
PDF形式であっても、画像の状態であれば検索等ができません。OCR処理をしておけば、領収書の内容をテキスト検索することが可能になります。PDFelementで領収書をOCR処理する手順は以下のとおりです。
①PDFelementを起動し、PDFを読み込みます。 |
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(2) PDFの分類と結合
・領収書PDFを期間や目的、相手先別等に分類して、分りやすい名称のフォルダを作成して保存します。
・また、同じような領収書がたくさんある場合には、PDF編集ソフトを利用してPDFを結合して整理しましょう。PDFelementでPDFを結合する手順は以下のとおりです。
①PDFelementを起動し、結合するPDFの一つを開きます。 |
(3) クラウドへの保存
・PCに保存すると保管容量が必要ですし、何らかの突発的な原因で破損してしまう可能性があるので、バックアップとして定期的にクラウドにも保存しておきましょう。クラウドに保存すれば、別のPCからも操作が可能です。
・PDFelement 標準版/Pro版では20GBまでのクラウドが使用可能で、ボタンを押すだけで簡単にファイルをアップロードすることができます。
(4) セキュリティ対策
デジタルデータはセキュリティが重要です。パスワードを使用してアクセスを制限し、不正アクセスや改竄から情報を保護します。PDFelementで パスワードを設定する手順は以下のとおりです。
①PDFelementを起動し、PDFを開きます。 |
プライバシー保護 | マルウェアなし | 広告なし
Part5. 保存期間が経過した領収書の処理について
保存期間が経過した領収書を適切に処理する際には、以下の方法が考えられます:
(1) 廃棄
保存期間が経過した領収書は、適切な方法で廃棄します。これには、紙の領収書の場合にはシュレッダーを使用して破棄し、デジタルデータの場合はセキュアな方法で削除することが含まれます。個人情報などが含まれる場合は、プライバシーに留意して廃棄することが重要です。
(2) 記録の削除
デジタルデータの場合、保存期間が経過した領収書をデータベースやクラウドサービスから削除します。適切な手順を踏んでデータを完全に削除し、セキュリティを確保します。
(3) 法的要件の確認
個人または法人が適用される法的要件に基づいて、領収書を廃棄する際の規定を確認します。法人税法や所得税法などの税務法規や、個人情報保護法などが関連する可能性があります。
(4) 環境に配慮した廃棄
紙の領収書を廃棄する際には、環境に配慮した方法を検討します。リサイクル可能な材料は適切なリサイクルプログラムに参加するか、廃棄場所に持ち込むなどして処理します。
(5) アーカイブの検討
一部の領収書には歴史的な重要性がある場合があります。これらの領収書はアーカイブとして保存することを検討することもあります。ただし、法的な要件を満たすことが前提です。
Part6. 領収書保管に関するよくある質問
Q1:電子データで保存しなくてはならない場合とは?
A1:改正電子帳簿保存法によって、電子的にやりとりした領収書は電子データのまま保存しなければならないと定められました。例えば、通販サイトのマイページからダウンロードしたPDFの領収書や、メールに添付された領収書などが該当します。
Q2:確定申告では領収書は必要ですか?
A2:確定申告で経費計上をする際、領収書の提出は不要ですが、証拠書類として7年間の適切な保存が義務付けられています。
Q3:領収書を紛失した場合はどうすればいいのか?
A3:領収書を紛失しても、取引の明細書など支払いが証明できる証憑書類であれば経費計上ができます。例えばクレジットカードの明細書、銀行の振込明細書、ECサイトで購入した場合の確認メールなどが該当します。
Q4:領収書の記入漏れや不備があった場合、どうすればよいですか?
A4:不備がある場合は発行元に連絡して修正や再発行を依頼します。
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