「電子帳簿保存法に対応しなければいけないが、紙の請求書や領収書をどう扱えばいいかわからない」
このようなお悩みを抱えている事業者の方も多いのではないでしょうか。デジタル化が進む現代において、書類の電子保存は避けて通れない課題となっています。
本記事では、電子帳簿保存法の基本的な内容から、スキャナ保存の具体的な要件、そしてPDFelementを活用したPDF化の実務手順まで、わかりやすく解説します。
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電子帳簿保存法は1998年に施行された法律で、正式名称を「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」といいます。この法律の主な目的は以下の通りです。
・帳簿書類の電子保存を認めることで、企業の事務負担を軽減する
・ペーパーレス化を推進し、業務効率の向上を図る
・保管コストの削減と環境負荷の軽減を実現する
近年の主な改正点として、2022年に電子取引の電子保存が原則として義務化され、スキャナ保存の要件も大幅に緩和されました。これにより、多くの企業にとって電子保存がより身近なものとなっています。さらに、2024年1月からは電子取引データ(メール添付のPDFなど)の電子保存が完全義務化されています。
電子帳簿保存法で対象となる主な書類を下表に示します。
分類 |
具体例 |
国税関係帳簿 |
仕訳帳、総勘定元帳、売掛帳、買掛帳等 |
決算関係書類 |
貸借対照表、損益計算書、棚卸表等 |
取引関係書類(重要書類) |
契約書、領収書、請求書、納品書等 |
取引関係書類(一般書類) |
見積書、注文書、検収書等 |
電子取引データ |
メールで受領したPDF請求書、電子領収書等 |
古いPDFファイルは破損や紛失の恐れがあるため、早めにダウンロードして保存し、専用のPDFソフトで開いて閲覧することをおすすめします。
PDFelementを使ってPDFファイルを無料で保存・閲覧することで、より安全に利用でき、ファイルの破損も防ぐことができます。
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紙書類を電子化することで得られる主なメリットは以下の通りです。
・コスト削減:印刷費、郵送費、保管費用の削減
・検索性の向上:キーワード検索で必要な書類を瞬時に検索
・保管スペース不要:物理的な保管場所が不要になり、オフィススペースを有効活用
・紛失リスクの軽減:デジタルデータのバックアップにより、書類の紛失を防止
・業務効率化:書類の共有・閲覧が容易になり、テレワークにも対応
紙で受け取った請求書や領収書を電子保存するためには、段階的なプロセスを踏む必要があります。
紙書類の電子保存は、以下の5つのステップで進めます。
①書類の受領・確認: 紙の請求書や領収書を受け取り、記載内容チェック
②スキャニング・撮影:解像度や画質の要件を満たすスキャナーまたはスマートフォンで書類を電子化
③電子ファイルの作成:適切なファイル名を付け、PDFまたはJPEG形式でファイルを保存
④要件確認・検証:スキャナ保存の要件を満たしているか確認
⑤電子保存・管理:システムに保存し、検索可能な状態で管理、原本の取り扱いを決定
電子帳簿保存法では特にファイル形式についての指定はありませんが、一般的に以下の形式での保存が考えられますます。
・PDF:最も汎用的で、検索機能やセキュリティ機能が充実
・JPEG:画像ファイルとして保存、ファイルサイズが小さい
・TIFF:高画質での保存が可能、業務用スキャナーでよく使用される
実務では、OCR機能やセキュリティ機能を活用できるPDF形式が推奨されます。
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電子帳簿保存法におけるスキャナ保存の要件をわかりやすく解説します。
項目 |
法律上の意味 |
具体的な対応方法 |
解像度 |
200dpi以上での読み取り |
スキャナーを200dpi以上に設定 |
カラー |
赤・緑・青の階調が各256階調以上 |
カラースキャンまたは24bitカラー設定 |
入力期限 |
書類受領から概ね7営業日以内 |
受領後1週間以内にスキャン・保存 |
検索機能 |
取引年月日、金額、取引先で検索可能 |
ファイル名や管理システムで検索項目を設定 |
バージョン管理 |
訂正削除履歴の保存 |
変更時には履歴を残すシステム |
・解像度とカラー要件:スマホのカメラでも基本的には対応可能だが、事前に設定を確認
・入力期限:「概ね7営業日」は厳密な期限ではないが、遅延した場合は理由を記録
・検索機能:最低限、「取引年月日」「金額」「取引先名」での検索が必要、ファイル名の工夫も有効
PDFelementは、スキャナ保存の要件を満たしながら、効率的に紙でもらった請求書のPDF化を行える優れたソフトウェアです。実際の操作手順は以下のとおりです。
①専用スキャナー(解像度200dpi以上)に原紙をセット
②PDFelementを起動し、「PDF作成」→「スキャナーから作成」を選択
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③スキャナを選択(スキャナのドライバーを使用するなら「スキャナーのインターフェースを使用」にチェック)
④スキャンの設定
・カラーモード:カラー
・解像度:200dpi以上
・用紙サイズ
・必要に応じて「スキャンされたPDFを最適化」の各項目にチェック
⑤「スキャン」をクリック
⑥スキャン完了後、必要に応じて「さらにスキャン」をチェックして「OK」をクリック
⑦スキャン結果が読み込まれるので、「OCRを実行する」をクリック
⑧OCR設定を行い、「適用」をクリック
・言語:日本語を選択
・ページ範囲
・「画像内の検索可能なテキスト」にチェック
⑨メニューから「プロパティ」を選択し、以下の情報を入力し、「適用」をクリック
・タイトル:書類の種類(請求書、領収書など)
・作成者:スキャン実行者名
・キーワード:取引先名、金額、日付など
⑩メニューから「名前を付けて保存」を選択し、ファイル名を「YYYYMMDD_取引先名_金額_書類種別.pdf」等の検索しやすい形式で設定し、指定のフォルダに保存
保存後の管理ポイントは以下です。
・ 定期的なバックアップの実行
・フォルダ構造の整理(年月別、取引先別など)
・検索テストの実施(日付、金額、取引先名での検索確認)
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電子帳簿保存法に対応するためには、スキャナ保存の各種要件を正しく理解し、適切な手順で書類を電子化することが重要です。紙で受け取った請求書や領収書は、要件を満たした方法でPDF化して保存すれば、法律上の義務を果たすことができます。特に重要なポイントは以下の通りです:
・解像度200dpi以上、カラー対応でのスキャン
・受領から概ね7営業日以内の電子化
・取引年月日、金額、取引先での検索機能確保
・適切なファイル管理とバックアップ体制の構築
PDFelementのような専門ソフトウェアを活用することで、OCR機能による文字認識、検索機能の充実、そして効率的な文書管理が実現できます。これらの機能により、電子帳簿保存法の要件を満たしながら、業務効率の大幅な向上が期待できます。
Q1:紙の領収書はスキャナ保存すればすべて捨てていい?
A1:基本的には捨てても問題ありませんが、スキャン後の品質確認は必須です。重要度の高い書類は一定期間原本を保管することをおすすめします。
Q2:スマホのカメラで撮影した領収書も使える?
A2:要件を満たせば使用可能です。200dpi以上の解像度、24bitカラー対応、十分な照明での撮影が必要です。専用アプリの使用を推奨します。
Q3:無料ソフトで電子帳簿保存法に対応できる?
A3:基本的な対応は可能ですが、高精度なOCR機能や検索機能に制限があります。業務効率を考慮すると、専門ソフトの導入が推奨されます。
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