Diffツールは複数のファイルの比較を行うツールで、進捗チェックや変更履歴の管理、同時並行での分担作業など、様々な場面で業務効率化に役立てることができます。
以下ではDiffツールとは何か、Diffツールの種類、対応ファイル形式別のおすすめのDiffツール等について説明しますので、参考にしてください。
目次:
Part1. 各職業で役立つDiffツールを知っていますか
Diffツールは様々な職業の各種の作業に使用することができます。
(1) Diffツールとは
Diffツールは、ソフトウェア開発やファイルの編集などで使用されるユーティリティです。"diff"は"difference"(差分)の略で、差分比較ツールとも呼ばれています。
Diffツールは、複数のファイルやディレクトリなどの要素を比較し、それらの間の差異を特定します。具体的には、複数のファイルの行や文字単位での差分を表示したり、追加・削除・変更された箇所をハイライトしたりすることができます。
プログラマーは、ソースコードの変更点を把握するためにDiffツールを使用することがあります。たとえば、ソースコードの変更が行われた場合、Diffツールを使用して、古いバージョンと新しいバージョンの差分を確認できます。
また、Diffツールは文書の編集や翻訳作業にも役立ちます。2つのバージョンの文書を比較し、変更点を素早く特定することができます。そのため、複数の人が同じ文書を編集する場合や、翻訳者が翻訳前後の文書を比較する場合に有用です。
(2) Diffツールの種類
Diffツールを、その使用形態別で分けると以下のようになります。
①コマンドラインベースのツール:コマンドを打ち込んで使用します。
②グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を備えたツール:PCにインストールして使用します。
③オンラインツール:Web上で使用します。
また、その対応ファイル形式別で分けると以下のようになります。これらのおすすめツールはPart2.で紹介します。
①テキスト、ソースコード差分比較
②PDFファイル比較
③画像比較
④フォルダ比較
⑤Excelシート比較
Part2. おすすめのDiffツール6選(対応ファイル形式別)
ここでは対応ファイル形式別に、おすすめのDiffツールをご紹介します。
2.1 テキスト比較に適したDiffツール
テキスト(文字列)の比較に適したDiffツールを二つ紹介します。
(1) ラッコ:無料のテキスト差分比較ツール
①特徴 | ・2つのテキストを文字単位、行単位で比較し、差分チェックをすることができるオンラインツールです。 ・差分の文字は緑色で、差分のある行は行番号を赤色で、改行やテキスト挿入箇所はグレーのハイライトで表示します。 |
②料金 | 無料 |
③使い易さ | テキストを貼り付けて「比較」ボタンをクリックするだけなので簡単に使えます。 |
④開発元、日本語対応等 | 国内のラッコ株式会社が開発。 |
⑤デメリット | ・Windowが小さいの横表示を全て見るにはスライドさせる必要がある。 ・グレーのハイライトがわかりにくい。 |
(2) Diffchecker:リアルタイムでの比較・編集が可能
①特徴 | ・無料のオンラインツールと有料のデスクトップ版があります。 ・2つのテキストを文字単位、行単位で比較し、差分チェックをすることができるオンラインツールです。 ・比較結果を保存して共有することもできます。 ・改行や空白の無視、マージ(結合)、PDF出力、編集も可能です。 ・テキスト以外にも画像、PDF、Excel、フォルダの比較が可能です。 |
②料金 | 無料体験;14日間、 Pro;15$/月、Enterprise;40$/月 |
③使い易さ | テキストを貼り付けて「違いを見つける」ボタンをクリックするだけなので簡単に使えます。 |
④開発元、日本語対応等 | Checker Software Inc.が開発。日本語も扱えるが一部英語表記。 |
⑤デメリット | 無料のオンラインツールは文書単位の差分チェックのみで、文字単位のチェックができません。 |
2.2 PDFファイル比較に適したDiffツール
PDFファイルの比較に適したおすすめのDiffツールをご紹介します。
PDFelement:比較と同時に編集可能
①特徴 | ・オールインワンPDF編集ツールで、Windows/Mac/iOS/Android版があります。 ・分析処理が速い:比較処理は瞬時に終了します。 ・比較と同時に編集可能:比較して、そのまま編集作業が可能です。 ・色分け表示でわかりやすい:異なる部分が薄く塗りつぶされるので、非常にわかりやすいです。 |
②料金 | ・無料試用版;保存時に透かしが入る等の制限があります。 ・料金確認はこちら>> |
③使い易さ | ファイルを選択して「比較する」ボタンをクリックするだけなので簡単に使えます。 |
④開発元、日本語対応等 | Wondershare社が開発、日本語に完全対応。 |
プライバシー保護 | マルウェアなし | 広告なし
2.3 画像比較に適したDiffツール
画像の比較に適したおすすめのDiffツールを紹介します。
カラーサイト:画像の違いが分かりやすく表示できる
①特徴 | HTMLやCSSで使われる色名称やカラーコード、色見本などを一覧で閲覧できるウェブサイトで、各種ツールの中に画像を比較できるツールがあります。 |
②料金 | 無料です。 |
③使い易さ | 画像をアップロードし、しきい値等を入力して異なっている部分を抽出して表示することができます。 |
④日本語対応等 | 日本語のウェブサイトです。 |
2.4 フォルダ比較に適したDiffツール
フォルダの比較に適したおすすめのDiffツールを紹介します。
WinMerge:Windows 用フォルダ比較ソフト
①特徴 | オープンソースのWindows 用比較・マージツールで、テキスト、画像、PDF、フォルダの比較ができ、理解しやすく扱いやすいテキスト形式で差異をビジュアルに表現します。 |
②料金 | 無料で使用できますが、有料の商用版もあります。 |
③使い易さ | フォルダを選択し、比較ボタンをクリックして簡単に比較できます。 |
④日本語対応等 | 日本語を含め、多くの言語に翻訳されています。 |
2.5 エクセル比較に適したDiffツール
Excelの比較に適したおすすめのDiffツールを紹介します。
Xlcompare:無料のオンラインエクセルシート比較ツール
①特徴 | オンラインでExcelファイルの差分を見つけるツールで、結果は2つのExcelファイルを並べてハイライトします。フル機能のデスクトップ版もあります。 |
②料金 | オンライン版;無料、デスクトップ版;119.99$ |
③使い易さ | Excelをアップロードし、「テーブル比較」ボタンをクリックして簡単に比較できます。 |
④日本語対応等 | 日本語に対応しています。 |
Part3. Diffツールに関するよくある質問
Q:diffツールはバイナリファイルの比較にも使えますか?
A: 一部のdiffツールはバイナリファイルの比較もサポートしていますが、テキストベースのファイル比較が主な用途です。バイナリファイルの場合、差分の表示は難しくなる場合があります。
Q: diffツールで比較する際、空白文字の違いは考慮されますか?
A: 一部のdiffツールは空白文字の違いを無視するオプションを提供しています。
Q: diffツールで三つ以上のファイルを一度に比較することはできますか?
A: 一部のdiffツールは、三つ以上のファイルを一度に比較する機能を提供しています。
Q:diffツールは差分を表示するだけでなく、マージ(統合)も行えますか?
A: はい、一部のdiffツールはマージ機能も提供しています。マージツールは、複数のバージョンのファイルやフォルダを統合する際に使用されます。
Q:diffツールでの行単位の比較だけでなく、文字単位の比較も可能ですか?
A: はい、一部のdiffツールは行単位だけでなく、文字単位の比較もサポートしています。
Part4. Diffツール一覧表とまとめ
ここではDiffツールとは何か、Diffツールの種類、対応ファイル形式別のおすすめのDiffツール等について説明しました。ご紹介したツールを一覧表で示しておきます。
名称 | ラッコ | Diffchecker | PDFelement | カラーサイト | WinMerge | Xlcompare |
対象ファイル | テキスト | テキスト/画像/PDF/ Excel/フォルダ |
画像 | テキスト/画像/PDF/フォルダ | Excel | |
形態 | オンライン | オンライン デスクトップ |
デスクトップ | オンライン | デスクトップ | オンライン デスクトップ |
料金 | 無料 | オンライン: 無料 デスクトップ:15$/月 |
買い切り 5,980円(標準版) | 無料 | 無料 | オンライン: 無料 デスクトップ:119.99$ |
日本語対応 | 対応 |
対応(表記は一部英語) |
対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
オンラインツールはソフトをインストールせずに手軽に使えて便利ですが、使用に際してはセキュリティに注意し、機密情報や個人情報を含んだ文書での使用を避ける必要があります。
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