卒論・論文「はじめに」の書き方のまとめ|実例を挙げながら解説

卒論の「はじめに」は、読者に研究の全体像を伝える最も重要なセクションです。しかし、多くの学生が「何から書けばいいのか分からない」と悩みます。

この記事では、卒論・論文の「はじめに」の基本構成から実例まで、具体的な書き方を分かりやすく解説します。

1. 卒論・論文の「はじめに」とは?

卒論の「はじめに」(序論)は、研究の入口となる部分です。読者が最初に目にするセクションであり、研究の背景・目的・意義を簡潔に示す役割を担います。

「はじめに」が重要な理由は以下の通りです。

・研究の方向性を示す:読者に「この研究が何を明らかにしようとしているのか」を伝えます

・研究の価値を伝える:なぜこの研究が必要なのか、どんな意義があるのかを説明します

・論文全体の道筋を示す:これから展開される議論の流れを予告します

審査員や読者は「はじめに」を読んで、その論文を読み進める価値があるかを判断します。しっかりとした構成で書かれた「はじめに」は、論文全体の質を高める土台となります。

2.論文・卒論「はじめに」(序論)の基本構成

卒論の「はじめに」には、含めるべき要素と構成の順序があります。ここでは基本構成と、各要素を書く際のポイントを詳しく解説します。

(1)卒論「はじめに」基本構成の5つの要素

卒論の「はじめに」は、以下の5つの要素で構成されます。

①研究背景:研究テーマに関する社会的・学術的な状況

②先行研究の紹介と問題点:これまでの研究成果と残された課題

③研究目的:本研究で明らかにしたいこと

④研究の意義:この研究がもたらす学術的・社会的な価値

⑤論文の構成:各章で何を論じるかの概要

この順序で書くことで、読者は自然に研究の流れを理解できます。

(2)卒論「はじめに」各構成要素の執筆ポイント

続いては、それぞれの要素を書く際の注意点とコツを紹介します。

①研究背景

・一般的な話題から始めて、徐々に具体的な研究テーマに絞り込む「漏斗型」の構成を意識します

・統計データや社会的事例を用いて、テーマの重要性を客観的に示します

②先行研究の紹介と問題点

・主要な先行研究を2〜4本程度取り上げて、研究の流れを示します

・各研究の貢献を認めつつ、限界や未解決の問題を指摘します

③研究目的

・「本研究の目的は〜を明らかにすることである」と明確に宣言します

・抽象的な表現を避け、具体的に何を調査・分析するのかを示します

④研究の意義

・学術的意義(理論への貢献)と実践的意義(社会への応用)の両面から述べます

・過度に誇張せず、現実的な範囲で意義を説明します

⑤論文の構成

・各章のタイトルと内容を1〜2文ずつで紹介します

・論文全体の流れが一目で分かるように、簡潔に記述します

3.実例から卒論「はじめに」の書き方を見る

実際の卒論「はじめに」の例を見ながら、基本構成がどのように実践されているかを確認しましょう。

(1)実例:教育学分野の卒論「はじめに」

「 近年、日本の小学校教育において、プログラミング教育が必修化された。文部科学省の調査によれば、2020年度から全国の小学校でプログラミング教育が開始されたものの、教員の指導スキルや教材の不足が課題として指摘されている。先行研究では、プログラミング教育の効果や児童の学習意欲について報告されているが、教員の指導方法に焦点を当てた研究は少ない。そこで本研究では、小学校教員のプログラミング教育における指導方法の実態を明らかにすることを目的とする。」

(2)実例の構成分析

この例文を基本構成に当てはめて分析します。

①研究背景:社会的な状況を提示し、文部科学省の調査という客観的データを用いています

→「文部科学省の調査によれば、2020年度から全国の小学校でプログラミング教育が開始されたものの、教員の指導スキルや教材の不足が課題として指摘されている。」

②先行研究と問題点:既存研究の成果を認めつつ、研究のギャップを明示しています

→「先行研究では、プログラミング教育の効果や児童の学習意欲について報告されているが、教員の指導方法に焦点を当てた研究は少ない。」

③研究目的:何を調査するのか(教員の指導方法の実態)が具体的に示されています

→「そこで本研究では、小学校教員のプログラミング教育における指導方法の実態を明らかにすることを目的とする。」

 この実例のように、各要素を論理的につなげることで、読者は研究の必要性と目的を自然に理解できます。

4.卒論・論文の「はじめに」を書く時のよくある質問と回答

これからは卒論・論文の「はじめに」を書く時のよくある質問と回答をまとめました。ぜひご参照ください。

質問1:「はじめに」の文字数はどのぐらいですか?

卒論・論文全体の10〜15%程度が目安です。

例えば、論文全体が2万字の場合、「はじめに」は2,000〜3,000字程度が適切です。

ただし、大学や提出先によって規定が異なるため、指導教員や提出先に確認しましょう。

質問2:論文の「はじめに」はいつ書くべきですか?

研究の全体像が見えてから書くのが効率的です。

本論や結論を書き終えてから「はじめに」を執筆すると、研究全体の流れを正確に反映できます。

質問3:先行研究はどのぐらい紹介すればいいですか?

主要な研究を2〜4本程度紹介するのが一般的です。

自分の研究に直接関連する重要な研究を厳選し、それぞれの貢献と限界を簡潔に説明しましょう。

質問4:研究仮説は「はじめに」に書くべきですか?

分野や論文の形式によって異なります。実証研究では、研究目的の後に仮説を明示することが一般的です。

自分の研究分野の慣習を確認し、指導教員に相談するのが確実です。

5. 卒論・論文の閲覧・執筆を助けるツール「PDFelement」

卒論の執筆を助けるツールPDFelement`

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卒論・論文執筆では、多くのPDF論文を読み込み、自分の文章を何度も修正する作業が必要です。

ここでは、論文の確認と執筆を効率化するツール「PDFelement」の活用法を紹介します。

PDFelementは、PDF文書の表示・編集・AI分析ができる総合ツールで、以下の機能があります。

・高度な表示機能:見開きページ表示で論文を効率的に読み進められます

・AI機能:PDF内容の要約や質問応答により、先行研究を素早く理解できます

・編集機能:テキスト編集やコメント追加で、執筆と推敲を一つのツールで完結できます

以下にこれらの機能について説明します。

(1)PDFelementで論文を見開きページで表示させる

卒論執筆の前に先行研究資料を閲覧する必要があります。先行研究のPDF論文を読む際、見開き表示にすると読みやすさが向上します。

  1. PDFelementでPDF版の先行研究資料を開く
  2. 画面右側のツールバーから「さらに表示」をクリック
  3. 表示されるメニューで「見開きページ表示」を選択
見開き表示でPDFを閲覧する

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(2)PDFelementを使って論文に書き込む

参考文献や自分の下書きPDFに直接書き込むことで、アイデアを整理できます。

  1. PDFelementでファイルを開き、「編集」ボタンをクリックします。
  2. 「テキスト」ボタンをクリックし、書き込みたい箇所を指定します。テキストボックスが表示されるので、メモやコメントを入力します。
  3. テキストを選択すると、パネルでフォント・サイズ・色を変更できます。
卒論に書き込む

(3)AIで、書いたコンテンツを最適化する

PDFelementのAI機能を使えば、執筆したコンテンツの改善案を得られます。

    1. 執筆した文書をPDF形式で保存し、PDFelementで開来ます。
    2. 「AIサイドバー」をクリックし、「AIチャット」をクリックします。
    3. チャット画面で、以下のようなプロンプトを入力

「この論文の論理構成を分析してください」

「はじめにをより学術的な表現に修正してください」

  1. AIが回答を返してくるので、それを参考に文章を修正しましょう。
AIで書いた卒論を修正する

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まとめ:卒論の「はじめに」の執筆に挑戦してみよう!

卒論・論文の「はじめに」は、研究の入口として非常に重要なセクションです。基本構成を理解し、実例を参考にしながら、論理的で説得力のある「はじめに」を作成しましょう。

また、PDFelementのようなツールを活用することで、論文の確認と執筆作業を効率化できます。

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作成日: 2025-12-15 15:12:05 / 更新日: 2025-12-15 16:22:02

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