卒論の「はじめに」は、読者に研究の全体像を伝える最も重要なセクションです。しかし、多くの学生が「何から書けばいいのか分からない」と悩みます。
この記事では、卒論・論文の「はじめに」の基本構成から実例まで、具体的な書き方を分かりやすく解説します。
卒論の「はじめに」(序論)は、研究の入口となる部分です。読者が最初に目にするセクションであり、研究の背景・目的・意義を簡潔に示す役割を担います。
「はじめに」が重要な理由は以下の通りです。
・研究の方向性を示す:読者に「この研究が何を明らかにしようとしているのか」を伝えます
・研究の価値を伝える:なぜこの研究が必要なのか、どんな意義があるのかを説明します
・論文全体の道筋を示す:これから展開される議論の流れを予告します
審査員や読者は「はじめに」を読んで、その論文を読み進める価値があるかを判断します。しっかりとした構成で書かれた「はじめに」は、論文全体の質を高める土台となります。
卒論の「はじめに」には、含めるべき要素と構成の順序があります。ここでは基本構成と、各要素を書く際のポイントを詳しく解説します。
卒論の「はじめに」は、以下の5つの要素で構成されます。
①研究背景:研究テーマに関する社会的・学術的な状況
②先行研究の紹介と問題点:これまでの研究成果と残された課題
③研究目的:本研究で明らかにしたいこと
④研究の意義:この研究がもたらす学術的・社会的な価値
⑤論文の構成:各章で何を論じるかの概要
この順序で書くことで、読者は自然に研究の流れを理解できます。
続いては、それぞれの要素を書く際の注意点とコツを紹介します。
・一般的な話題から始めて、徐々に具体的な研究テーマに絞り込む「漏斗型」の構成を意識します
・統計データや社会的事例を用いて、テーマの重要性を客観的に示します
・主要な先行研究を2〜4本程度取り上げて、研究の流れを示します
・各研究の貢献を認めつつ、限界や未解決の問題を指摘します
・「本研究の目的は〜を明らかにすることである」と明確に宣言します
・抽象的な表現を避け、具体的に何を調査・分析するのかを示します
・学術的意義(理論への貢献)と実践的意義(社会への応用)の両面から述べます
・過度に誇張せず、現実的な範囲で意義を説明します
・各章のタイトルと内容を1〜2文ずつで紹介します
・論文全体の流れが一目で分かるように、簡潔に記述します
実際の卒論「はじめに」の例を見ながら、基本構成がどのように実践されているかを確認しましょう。
「 近年、日本の小学校教育において、プログラミング教育が必修化された。文部科学省の調査によれば、2020年度から全国の小学校でプログラミング教育が開始されたものの、教員の指導スキルや教材の不足が課題として指摘されている。先行研究では、プログラミング教育の効果や児童の学習意欲について報告されているが、教員の指導方法に焦点を当てた研究は少ない。そこで本研究では、小学校教員のプログラミング教育における指導方法の実態を明らかにすることを目的とする。」
この例文を基本構成に当てはめて分析します。
①研究背景:社会的な状況を提示し、文部科学省の調査という客観的データを用いています
→「文部科学省の調査によれば、2020年度から全国の小学校でプログラミング教育が開始されたものの、教員の指導スキルや教材の不足が課題として指摘されている。」
②先行研究と問題点:既存研究の成果を認めつつ、研究のギャップを明示しています
→「先行研究では、プログラミング教育の効果や児童の学習意欲について報告されているが、教員の指導方法に焦点を当てた研究は少ない。」
③研究目的:何を調査するのか(教員の指導方法の実態)が具体的に示されています
→「そこで本研究では、小学校教員のプログラミング教育における指導方法の実態を明らかにすることを目的とする。」
この実例のように、各要素を論理的につなげることで、読者は研究の必要性と目的を自然に理解できます。
これからは卒論・論文の「はじめに」を書く時のよくある質問と回答をまとめました。ぜひご参照ください。
卒論・論文全体の10〜15%程度が目安です。
例えば、論文全体が2万字の場合、「はじめに」は2,000〜3,000字程度が適切です。
ただし、大学や提出先によって規定が異なるため、指導教員や提出先に確認しましょう。
研究の全体像が見えてから書くのが効率的です。
本論や結論を書き終えてから「はじめに」を執筆すると、研究全体の流れを正確に反映できます。
主要な研究を2〜4本程度紹介するのが一般的です。
自分の研究に直接関連する重要な研究を厳選し、それぞれの貢献と限界を簡潔に説明しましょう。
分野や論文の形式によって異なります。実証研究では、研究目的の後に仮説を明示することが一般的です。
自分の研究分野の慣習を確認し、指導教員に相談するのが確実です。

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