海外の研究や最新の学術論文を読む際、外国語で書かれた論文の翻訳に困った経験はありませんか?
専門用語や長文構成が多い論文は、一般的な翻訳サイトでは正確に訳すのが難しい場合があります。しかし近年、AI技術を搭載した高精度な翻訳ツールが続々登場し、これまで時間がかかっていた論文翻訳が手軽にできるようになりました。
ここでは、AI翻訳時代におすすめの「論文翻訳ツール6選」と、実際に論文を翻訳する方法をわかりやすく解説します。
学術論文の翻訳は、次のようなシーンで活用されています。
・海外の研究成果を自分の研究に活かしたいとき
・他国の技術論文や特許文書の理解
・海外論文をレビュー・要約する際
従来は、翻訳会社に依頼するか、自力で辞書を使って論文を翻訳するしかありません。
AIを搭載した翻訳ツールの登場により、難解な構文もわずか数秒で自然な日本語に翻訳できるようになりました。さらに、専門分野の用語を自動で学習するため、翻訳精度も大幅に向上しています。
今では、AIツールを活用することで「自然で正確な論文翻訳」を誰でも実現できる時代になっています。
論文翻訳AIツールを選ぶときは、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。
論文では専門的な表現が多用されるため、直訳では意味が通じません。。
文脈を理解して自然な日本語に変換できるツールを選びましょう。特にDeepLやChatGPTはこの点で優れています。
多くの論文はPDF形式で配布されます。そのため、PDFを直接読み込めるツール(例:PDFelement)を選ぶと便利です。スキャンされた論文でもOCR機能があれば翻訳可能です。
研究論文には未公開情報が含まれることもあります。そのため、データを外部サーバーに保存しないツールや、オフラインで翻訳可能なツールを選ぶと安心です。
また、頻繁に使う場合は「無料プランの制限」と「有料プランのコスパ」を比較しましょう。
以下にAI翻訳時代におすすめの論文翻訳ツールを6つ厳選して紹介します。それぞれの特徴とデメリットも比較しながら、自分に合ったツールを選びましょう。

「ChatGPT」はOpenAIが開発した大規模言語モデルで、外国語の論文を自然で正確な日本語に翻訳することができます。英語論文はもちろん、ドイツ語・中国語・フランス語など多言語に対応しています。
指示文(プロンプト)を工夫することで、専門用語や文体を保持したまま翻訳することができ、学術論文や技術文書など、専門性の高い翻訳にも最適です。また、翻訳だけでなく、要約や解説も行えるため、論文の要点をすばやく理解することができます。
ただし、ChatGPTは論文翻訳専用のツールではありません。プロンプトの内容によって翻訳の精度が変化する点には注意が必要です。また、入力した論文内容はサーバー上で処理されるため、未公開情報や機密性の高い資料の使用は避けることをおすすめします。

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Wondershare社の「PDFelement」は、PDF編集・翻訳・OCR機能を統合したオールインワンツールです。論文PDFを直接読み込んで翻訳でき、結果をそのまま編集できる点が最大の特徴です。
英語・スペイン語・中国語をはじめ、50以上の言語に対応しており、翻訳前後の内容を横並びで表示できるため、原文と訳文を対比しながら効率的に読むことができます。
さらに、OCR(文字認識)機能を搭載しており、スキャンされた論文や画像化されたPDFからでも文字を抽出して翻訳が可能です。
ただし、PDFelementの翻訳機能を利用する際はAI利用回数を消費し、無料版では翻訳可能な文字量に制限があります。
PDFelementを使って論文を翻訳する手順はコチラヘ

「DeepL」はヨーロッパ発のAI翻訳サービスで、自然で読みやすい日本語訳の精度が高いことで広く知られています。英語・ドイツ語・フランス語など主要言語の論文翻訳に最適です。
翻訳文は非常に自然で滑らかに仕上がり、専門用語の訳出も正確です。そのため、引用や参考文献として使用する論文翻訳にも最適です。
また、翻訳速度も優れており、大量の文字データでも高速に処理できます。
Windows・Macアプリ版ではPDFファイルを直接翻訳できる一方、Webサイト版ではテキストのコピー&ペーストによる部分翻訳のみ対応しています。なお、スキャンPDFや画像データからの翻訳には非対応です。

「Google翻訳」は、豊富なデータベースを基にしたAI翻訳ツールで、学術論文のような長文でも安定した翻訳が可能です。無料で使える点が最大の魅力です。特別な登録や料金は不要で、ブラウザ上で論文コンテンツを貼り付けるだけで即座に翻訳できます。
対応言語数は100以上にのぼり、英語・中国語・スペイン語など主要言語はもちろん、希少言語の論文翻訳にも対応しているため、幅広い国際的な研究資料に活用可能です。
Google翻訳は一般的な文章には非常に便利ですが、専門用語や学術的な文脈を扱う場合、直訳的な表現になりやすく、文意が不自然になることがあります。特に理系論文や法学論文など、用語の精度が重視される分野では、そのまま使用するのは避け、翻訳後に必ず人による校正や文体調整を行うことが推奨されます。

「T-400」は、科学技術や医療、工学分野などの専門論文に特化したAI翻訳ツールです。日本の高精度翻訳エンジンを搭載しており、研究機関や大学でも多く利用されています。
専門用語辞書の登録機能も備えており、専門用語や化学式、数式を含む複雑な文献も正確に処理し、文脈を考慮した自然な日本語訳を生成できます。
ただし、「T-400」は法人向けが中心とするツールで、利用するには有料ライセンスが必要。登録や設定にもやや手間がかかります。

「The Reading」は、英語論文を「読む力」を支援するために開発されたAIリーディングサポートツールです。単なる翻訳だけでなく、論文の内容理解・要約・語彙解説を自動で行う点が魅力です。
DeepL APIと連携し、文脈に基づく自然な日本語に翻訳できます。また、論文に難解な専門用語があれば、ワンクリックだけで日本語で解説できます。難しい論文の翻訳・読解に向いています。
ただし、論文全体の翻訳精度は専用翻訳ツールと比べると劣りがあります。一部機能(専門語辞書や自動要約)の利用は有料プランにアップグレードする必要があります。
ここからは、実際にAI翻訳ツールを使って論文を翻訳する手順を紹介します。例として「ChatGPT」と「PDFelement」を使用します。
「ChatGPT」は文脈理解に優れているため、以下の手順により、自然で正確な論文翻訳が得られます。
また、「ChatGPT」は対話型AIで、翻訳に何か不満足なところがあれば、修正や最適化など指示文を入力すると翻訳内容を修正できます。

続いては、PDFelementを使ってPDF版の論文を翻訳する手順を紹介していきます。
PDFelementの無料ダウンロード
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ステップ1:PDFelementで翻訳したいPDF論文を開きます。
サイドバーの「AI」>「AI翻訳」をクリックします。

ステップ2:続いては、論文翻訳を実行します。
論文の全文を翻訳する場合は、「PDF翻訳」をクリックし、右側に翻訳の設定画面が表示されます。
ターゲット言語や翻訳タイプ、オプションなどを指定し、論文翻訳を開始します。なお、翻訳前後の内容を並べて表示させたい場合は、オプションで「見開きページ表示」を選択します。

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また、論文の一部だけを翻訳する場合は、「フレーズ翻訳」を指定します。
翻訳したい内容を選択したら即時翻訳されます。

PDFelementの「OCR機能」を利用すれば、スキャンされたPDFもテキスト化して翻訳可能です。

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PDFelementで「オリジナルテキストを含める」モードをONにすると、原文と翻訳文を並べて比較できます。

AIの進化により、論文翻訳はもはや専門家だけの作業ではありません。今回紹介した6つのツールを活用すれば、効率的な研究支援が実現します。
特に、ChatGPTは文脈理解型の万能翻訳に、PDFelementは大量のPDF論文翻訳におすすめです。用途に応じてツールを使い分ければ、よりスムーズに海外論文を理解することが可能になります。
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