現金出納帳について学ぼう！
目次
社会人の方は、「現金出納帳」という単語を一度は耳にしたことがあるかもしれません。あるいは、実際に帳簿を作成している方もいらっしゃるでしょう。今回は、経理初心者の方から実際に帳簿を作成している方まであらゆる立場の方を対象に、現金出納帳について学んでいきたいと思います。
◆現金出納帳とは何か？
現金出納帳とは、お金の入出金を記録し、帳簿の残高と実際の現金残高に整合性がとれているか確認するための帳簿です。イメージとしては、会社で作成する家計簿と言うとわかりやすいかもしれません。法人に限らず個人事業主であっても、確定申告の際に重要な資料となるので作成しておくことをおすすめします。
・小口現金出納帳と現金出納帳の違い
現金出納帳だけでなく、小口現金出納帳という帳簿も存在します。普段、会社の資金は金融機関に預けてあることが大半ですが、(出張先の)交通費や消耗品費を手形で支払うわけにはいきません。そこで、事前に必要分の現金を準備しておきます。これが小口現金です。この小口現金の入出金を記録するための帳簿が小口現金出納帳です。複数の部署が存在する大企業の場合、部署ごとに小口現金出納帳を作成し、月の始めか月末の締めのタイミングで経理部門へ報告するとやりやすいと思います。
◆現金出納帳を作成する重要性
現金出納帳について理解したところで、なぜ現金出納帳を作成することが重要なのか説明していきます。
Ⅰお金の流れが鮮明になる
理由の一つは、現金出納帳を作成することでお金の流れが鮮明になるからです。売上金や商品の仕入代金等、いつどこでどのように入出金があったか、記録しておくことで正確な数値を把握することができます。
Ⅱ不正を防止する
言い方は悪いかもしれませんが、従業員が会社の資金を横領したり、使い込んだりといった事態がいつ何時発生するかわかりません。そのような事態になる前に、普段から入出金の記録をとっておけば、不正な出金がないかどうか確認することができます。
◆現金出納帳具体的な書き方
それでは、いよいよ現金出納帳の具体的な書き方を解説したいと思います。現金出納帳に記載する項目は以下の通りです。
ⅰ日付
お金の入金もしくは支払いがあった日付を記入します。上から日付順に記入し、同日に複数の入金や支払いがあった場合は、それぞれ別の欄に記します。注意点は、領収書の日付ではなく、実際に出金があった日付を記載するということです。
ⅱ科目
入金であれば売上、出金であれば交通費・接待交際費等、どのような費用が入出金しているのかを記載します。同じ項目が続く場合であっても省略せず、全て記載してください。
ⅲ摘要
入金や支払いの相手先・具体的な内容を記入します。例えば、ＪＲで上野と新宿を往復したケースであれば、摘要欄には「ＪＲ 上野⇔新宿」と記入します。
ⅳ収入金額
入金した金額を記入します。
ⅴ支出金額
出金した金額を記入します。この時、金額は税込みで記入するようにします。
ⅵ差引残高
差引残高の計算式は次のようになります。 差引残高＝前日の差引残高＋当日の収入金額－当日の支出金額 この差引残高と実際の現金残高が一致するかどうか確認してください。
ⅶ合計金額
ページの最後の行にそれぞれ収入金額・支出金額の合計金額を記入します。
ⅷ繰越金額
前月または前ページからの繰越金額を最初の行に記入します。その後、最後の行で算出した差引残高が翌月分の繰越金額になります。 最終的な差引残高＝繰越金額＋収入金額－支出金額 年単位で計算する場合も同様に行います。
◆作成時の注意点
差引残高を計算した結果、いつも計算が合うとは限りません。計算が合わないケースもあります。計算が合わない原因が不明な時は、「現金過不足」という項目を使用します。絶対にやってはいけないことは、自分のポケットマネーで過不足分を調整することです。計算が合わなかったこと自体より、その事実をごまかそうとしたことの方が後々問題になります。決算期までに原因が究明できなかった場合は「雑損失」または「雑収入」として処理します。
いかがでしたでしょうか？今回は、現金出納帳について学びました。追記として、現金出納帳はお金の流れを鮮明にするための帳簿なので、毎日欠かさず記帳することが大切です。また、不正防止のため、手書きで記帳することが望ましいです。拙い文章ではありますが、現在現金出納帳を作成中の方、またはこれから作成する方のお役に立つことができれば幸いです。
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