はじめに
現在PDFは、日常的に一般的な文書形式として用いられていますが、そもそもどのような経緯で作られ、どんなメリットがあるのでしょうか?
以下ではPDFとは何か、そのメリットと使い方等を説明し、最近話題のAIPDFについてもご紹介します。
目次:
1.PDFとは
まず、PDFとは何かを説明します。
1.1 PDFの意味は
PDFとは、「Portable Document Format」の略称です。つまり、"P"は"Portable(ポータブル:可搬性)"、"D"は"Document(文書)"、"F"は"Format(フォーマット:形式)"を表しています。 "Portable Document Format"は、異なる環境やデバイスで文書を簡単に共有および表示できるように設計されたファイル形式ということです。
1.2 PDFの始まりと普及
PDFは、Adobe Systemsの共同創業者であるジョン・ワーノックとチャールズ・ゲシュキによって開発され、1993年に初めて公開されたPDFは、当初、Adobe Acrobatの中で利用されることを意図していました。
当時は、異なるコンピューターシステムやソフトウェア間での互換性が限られていたため、様々な種類の文書を異なるプラットフォームやソフトウェア上で同じように表示できるPDFはその問題を解決するための手段として歓迎されました。
その後、PDFはその柔軟性と堅牢性から業界標準として確立され、様々な用途で利用されるようになり、広く普及しています。
2.PDF化のメリットとは
では、PDFのメリットは何でしょうか。
2.1 Windows、Mac、LinuxなどOSを問わず開くことができる
可搬性(ポータビリティ): PDFは異なるデバイスやプラットフォームで一貫した表示を可能にするため、文書の可搬性に優れています。
2.2 ファイルサイズが小さいのでダウンロードが早く、保存しても管理しやすい
圧縮性:PDFは圧縮された形式でファイルを保存できるので、元の文書と比較して小さなファイルサイズで保存でき、ダウンロード、管理がしやすくなりますます。
2.3 暗号化といったセキュリティ設定ができるので安全性が高い
セキュリティ: PDFには文書を保護するための機能があります。パスワードで文書を保護したり、印刷や編集の制限をかけたりする暗号化ができるので、機密性やセキュリティが向上します。
2.4 印刷紙やインクの費用を削減でき、ごみが出ないので環境にやさしい
印刷したものと全く同じものを画面で確認、保管できるので紙に印刷する必要が無く、印刷紙やインク、保管場所の費用を削減でき、廃棄時もごみが出ないので環境保護に役立ちます。
2.5 メールに添付できるのでデータのやり取りが容易
文書のファイルサイズを圧縮してメールに添付して送付でき、またコメント等を添付して返信してもらうこともできるので、やり取りが容易になります。
3.PDFってどんな時に役に立つの?
PDFはさまざまな状況で役立ちます。以下は、PDFが役に立つ状況の例です:
①文書の共有と送付: 文書やフォームを送付する際、フォーマットが維持され、異なるプラットフォームやデバイスで一貫して表示されるPDFは非常に便利です。
②電子書籍: 書籍やマニュアルを電子的な形式で提供する際にPDFが利用されます。フォーマットの維持と読みやすさが重要です。
③契約書や法的文書: PDFはセキュリティの高い形式であり、契約書や法的文書を共有、保存するのに適しています。パスワードで保護したり、編集を制限したりすることが可能です。
④ウェブ上の資料: ウェブ上で提供される資料や報告書はPDF形式で提供されることが多く、異なるユーザーが同じ形式で内容を閲覧できます。
⑤プレゼンテーション: PowerPointなどのプレゼンテーションソフトではなく、PDF形式でプレゼン資料を提供することで、フォーマットの変更や編集を防ぐことができます。
⑥フォームの作成: 編集不可能なフォームを作成することができます。受信者がフォームを入力し、内容を保存や印刷できるようにすることが可能です
4.ビジネスにおけるPDFの活用
特に、ビジネスにおいて、PDFはさまざまなシーンで活用されます。以下はその例です:
①契約書や法的文書の共有: ビジネス取引や契約において、重要な書類はPDF形式で共有されます。フォーマットが維持され、セキュリティが高く、改ざんされにくいため、信頼性があります。
②プレゼンテーション資料: 会議やプレゼンテーション資料をPDFで共有することで、フォーマットが維持され、他の参加者が容易に閲覧できます。
③レポートや提案書: ビジネスレポートや提案書は、PDFで共有されることが多く、内容が変更されないように配慮されます。
④フォームとアンケート: ビジネスでは、PDFフォームを使用してデータを収集することがあります。社内のフォームや顧客向けのアンケートをPDF形式で提供し、データを収集しやすくします。
⑤電子書籍やトレーニング資料: ビジネスでは、トレーニング資料やマニュアルをPDFで提供することがあります。従業員や顧客が簡単にアクセスできる形式として利用されます。
⑥保護された文書の配布: 機密性の高い情報を含む文書をパスワードで保護し、PDF形式で安全に共有することができます。
5.PDFの使い方
以下では、パソコンやスマートフォンでのPDFの使い方を説明します。
5.1 PDFファイルの閲覧方法
PDFファイルを閲覧する方法はいくつかあります。以下に一般的な方法をいくつか示します:
①Webブラウザ: インターネットブラウザ(Chrome、Firefox、Safariなど)を使用してPDFを閲覧できます。多くのブラウザは、組み込みのPDFビューアを備えており、PDFを直接ブラウザ内で開くことができます。Firefoxの事例を示します。
②PDFビューア、編集ソフト: パソコンやモバイルデバイスにPDFビューア/編集ソフト(Adobe Acrobat Reader、Wondershare PDFelement、Foxit PDF Reader/Editor、Previewなど)をインストールすることで、PDFを開いて閲覧できます。これらのソフトは、PDFファイルの表示や印刷、検索、ブックマーク作成などの機能を提供します。PDFelementの事例を示します。
③オフィスソフトウェア: Microsoft OfficeやGoogle Docsなどの一部のオフィスソフトは、PDFファイルを閲覧できる機能を備えています。ファイルを開くと、オフィスソフトウェア内でPDFを表示できます。
④モバイルアプリ: スマートフォンやタブレットで、PDFを閲覧するための専用アプリが利用できます。iOSデバイスではAppleのBooksアプリ、AndroidデバイスではGoogle Play Booksなどのアプリが利用できます。また、Adobe Acrobat Readerや Wondershare PDFelement、Foxit PDF Reader/Editorなどの専用のPDFビューアアプリ、編集アプリもあります。
→関連記事:Google ChromeでPDFを閲覧・ダウンロードする方法とは?>>
5.2 PDFファイルの作成方法
PDFファイルを作成する方法はいくつかあります。以下にいくつかの一般的な方法を示します:
①PDF作成ソフトウェア: Adobe AcrobatやPDFelementを含むさまざまなソフトウェアがPDFを作成するためのツールを提供しています。これらのソフトウェアを使用して、テキストや画像を含む文書をPDFファイルとして保存できます。
②オフィスソフト: Microsoft Word、Excel、PowerPoint、Google Docs、LibreOfficeなどのオフィスソフトは、通常、PDF形式で文書を保存する機能を備えています。文書を作成した後、ファイルをPDF形式で保存するオプションがあります。
③プリンターの仮想PDFドライバー: パソコンにインストールされた仮想PDFプリンタードライバーを使用することで、ドキュメントを印刷する際にPDFとして保存できます。PDFを選択し、印刷すると、新しいPDFファイルが作成されます。Windows10以降ではOSにMicrosoft Print to PDF が標準装備されています。
④オンラインPDF変換サービス: オンラインツールやウェブサイトを使用して、様々な形式のファイルをPDFに変換することができます。ファイルをアップロードし、サービスがPDFファイルに変換して提供することができます。
⑤スキャナー: スキャナーを使用して文書をスキャンし、PDF形式で保存することもできます。多くのスキャナーは、PDFとして保存するオプションを提供しています。
→関連記事:MacでどんなファイルでもPDFとして作成する>>
5.3 PDFファイルの配布方法
PDFファイルを配布する方法はさまざまです。以下に一般的な配布方法の例を示します:
①電子メール: PDFファイルを添付ファイルとして電子メールで送信する方法です。電子メールクライアントを使用して、受信者にPDFファイルを直接送ることができます。
②クラウドストレージ: クラウドサービス(Google Drive、Dropbox、OneDriveなど)を使用して、PDFファイルをクラウド上にアップロードし、共有リンクを作成して他の人と共有することができます。共有リンクを受信者と共有することで、彼らがPDFにアクセスできます。
③ウェブサイトまたはブログ: PDFファイルをウェブサイトやブログにアップロードして、ダウンロードリンクを提供することができます。訪問者はウェブサイトから直接ファイルをダウンロードできます。
④メッセージングアプリ: チャットやメッセージングアプリ(Line、Microsoft Teams、WhatsAppなど)を使用して、PDFファイルを送信することができます。多くのメッセージングアプリはファイルの共有機能を備えています。
⑤ソーシャルメディア: ソーシャルメディア(Facebook、X、LinkedInなど)を使用して、PDFファイルを共有することができます。投稿やプロフィール上でファイルを共有することが可能です。
5.4 PDFファイルの印刷方法
PDFファイルを閲覧し、「印刷」ボタンをクリックすると、通常印刷ダイアログが表示されるので必要な印刷設定を設定してから「印刷」を実行します。例えばPDFelementでは、プリンター、カラー/モノクロ、部数、印刷の向き、印刷範囲、印刷内容(文書/注釈/フォーム)、印刷サイズ、自動回転、中央揃えなどを設定できます。
6.AIPDFとは
AI の普及により、PDF編集ソフトにもAIが搭載されるようになってきました。
6.1 AIPDFとは
AI(Artificial Intelligence)PDFは、一般的なPDF編集機能に人工知能(AI)を組み込んだ機能豊富なPDFソフトウェアのことで、AIを活用することで、テキスト認識、自動要約、自動言語翻訳、文書分類、データ抽出などの高度な機能を提供したり、質問しながらPDFを編集したりすることも可能となります。
これにより、大量のPDF文書から情報を抽出したり、文書を自動的に整理したりするなど、効率的な情報管理ができるようになります。
6.2 AI搭載のPDFツールとは
現在、AI搭載のPDF編集ソフトとしてはWondershare PDFelement、Foxit PDF Editor、UPDFなどがあり、またオンラインツールでは、LightPDF、Foxit 等がAIを搭載していますが、その機能は各ツールによって異なります。
図はPDFelementの事例です。右側にAIサイドバーが表示されるので、指示を書き込みます。
また、Adobe 社の製品では、IllustratorやPhotoshopにはAI機能が搭載されていますが、Acrobatには未搭載です。
7.オールインワンPDF編集ソフトPDFelementを使ってできること
オールインワンPDF編集ソフトPDFelementはAdobe Acrobatと同等以上の機能を持ちながら、その価格は半額以下と非常に魅力的です。PDFelementの持つ特徴・機能の一例を示します。
・AIアシスタントでPDF文書の要約、意味の解釈、文書の校正 書き換えなどができ、ChatGPTとの会話も可能
・Officeのような操作感で、PDF内のテキストやオブジェクトを簡単に編集、調整、追加、削除できる
・高性能なOCR機能付で、スキャンされたPDFも編集&変換可能
・Word、Excel、Powerpoint、HTML、画像など多種類のファイル形式に対してPDF変換/作成が可能
・結合・分割・回転・圧縮・墨消し・バッチ処理・OCR化
・透かしや電子署名・電子印鑑の追加
・翻訳・目次・キャプチャー・トリミング機能搭載
・Windows・Macはもちろん、AndroidやiOSのスマホアプリにも対応
・無料のクラウドストレージを利用して文書の共有、管理ができる
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Macでも出来る!MacでPDFにパスワードをかける方法をご紹介!
まとめ
ここでは、PDFとは何か、そのメリットや活用場面と使い方等を説明し、最近話題のAIPDFについてもご紹介しました。
オールインワンPDF編集ソフトPDFelementはAI機能を搭載しながら、Adobe Acrobatの半額以下で利用できます。無料で試用することができますので、是非一度、その使い易さをお試しください。
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