書類・紙をPDF化または電子化にするメリットとデメリットまとめました。今や常識ですが注意点もあります。

はじめに

昨今は紙の書類をデータに変える「PDF化」が注目されています。いまやPDF化はビジネスシーンにとっては当たり前の行為で、多くの企業が書類のデジタル化を取り入れています。

また、PDF化はさまざまな方法から実施できるため、個人でも活用されています。なお、PDF化ができる主なデバイスは次のとおりです。

パソコン
複合機
スマートフォン
タブレットなどのモバイル端末

この記事では書類をPDF化するメリット・デメリットと注意点についてまとめました。以下のような悩みを抱えている方はぜひ参考にしてください。

紙の資料を大量に抱えているもののPDF化する方法がわからない
電子化のメリットとデメリットについて詳しく知りたい
ペーパーレス化に取り組みたいけど注意点を把握したい

書類をPDF化して保管と閲覧をスマートにしましょう。

１．書類のPDF化が話題になっている理由

書類のPDF化は多くの企業から注目されていますが、はたしてビジネスシーンにおいてどのようなニーズがあるのでしょうか。

書類のPDF化が急増する理由は大きく分けると次の2つが挙げられます。

①：書類のペーパーレス化が進んでいるから
②：電子帳簿保存法による書類のPDF化の義務が生じるから

ここでは上記2点について掘り下げていきます。

2-1 ①：書類のペーパーレス化が進んでいるから

いまやインターネットはビジネスシーンにおいて必要不可欠。これによってビジネスにおける環境がスマート化されたことは言うまでもありません。それは紙の書類にも影響を及ぼしています。

そうです。紙をデジタル化する「ペーパーレス化」です。

紙の書類は保管するデメリットは次のとおり。

紙はいずれ劣化する
場所を確保しなければならない
オフィスのスペースを圧迫する
受け渡しに時間がかかる
郵送する場合は相応のコストがかかる

最大のデメリットは実物を受け取って確認しないかぎり、情報をインプットできないこと。昨今のようなテレワークを導入する環境下では、紙の書類を前提にした業務は作業効率を悪化させるばかりなのです。

しかし、書類をはじめ業務をデジタル化すれば、データのやりとりを円滑におこなうことが可能。たとえば契約や請求業務などをペーパーレス化することで、オンライン上で完結することができます。

したがって、書類をPDF化することは現代ビジネスにおいてはとても重要なポイントです。

2-2 ②：電子帳簿保存法による書類のPDF化の義務が生じるから

ビジネスでは決算書などの重要な書類を取り扱うことになりますが、それらは2022年1月より「電子帳簿保存法」によって、データとして保存することが義務になりました。つまり、受け取ったデータを書類にして保管することが認められなくなったのです。

これを機に紙の書類をPDF化する企業は急増。さらには国税関係の書類に関してもPDF化して管理しやすい環境になったこともあり、書類のPDF化はここ最近で加速している印象を受けます。

今後は紙による保管はなく、PDFによる保管が当たり前の時代がやってくるでしょう。

２．書類・紙をPDF化または電子化するメリット

書類もしくは紙をPDF化するメリットは次のとおりです。

①：物理的な保管スペースを確保できる
紙の書類をデジタル化すれば、保管していたスペースを削減できます。これにより空いたスペースを有効活用することが可能です。
②：書類（紙）の劣化を気にしなくていい
紙は保存方法を間違えると著しく劣化します。また、紙は永久的に保存できるものではありません。PDF化することによって書類の劣化を気にする必要がなくなります。
③：コストを削減できる
紙の書類は紙の購入・印刷・郵送などさまざまなコストがかかります。しかし、PDF化することによってコストをすべて削減可能です。
④：いつでもどこでも書類を共有できる
書類をPDF化することで、場所や時間を気にすることなく共有できます。従来の紙は実際に受け取って確認する必要がありましたが、これらのステップをすべて削減できます。
⑤：データの保管が容易になる
書類をPDF化することでデータの保管が容易になるだけでなく、検索と閲覧もスムーズになります。紙の書類は目的のものを探すまでに時間を要しますが、PDF化された書類は検索するだけで簡単に閲覧可能です。

このように書類のPDF化はさまざまなメリットをもたらします。紙の書類を保管するメリットよりも、満足度と快適性の向上はあきらかと言えるでしょう。

３．書類・紙をPDF化または電子化するデメリット

書類をPDF化するデメリットは次のとおりです。

①：書類の全体像が曖昧になる
PDF化された書類はパソコンのモニターやタブレットのディスプレイによる影響を強く受けます。表示に対して何らかの制限があるデバイスでは、書類の閲覧が困難になること場合もあるでしょう。
②：導入は相応のコストがかかる
書類をデジタル化するためには、パソコンやソフトなどが必要になります。また、処理には相応のスタッフが必要になるので、導入コストは慎重に検討しなければなりません。
③：システム障害および故障の影響を受ける
たとえばPDF化した書類をクラウド上に保管した場合、ネット回線はもちろんクラウドサーバーの影響を受けます。仮にサーバーに障害が発生した場合、書類にアクセスできない可能性も。また、パソコンに保存した場合は機器の故障による影響も受けます。

PDF化のデメリットで注意すべきは③です。クラウド保管をおこなう場合は信頼と実績が伴っているサービスの利用が必須と言えるでしょう。

４．書類・紙をPDF化または電子化にする注意点

書類をPDF化する注意点は次のとおりです。

①：セキュリティ対策はきわめて重要

PDF化した書類はサーバーまたはパソコンなどに保管することになります。ここで問題になるのが各デバイスのセキュリティ。ウイルス感染や不正なアクセスが発生すると重要なデータを抜き取られるリスクが生じます。よって情報漏洩を防止するための対策を徹底する必要があるでしょう。

②：保存形態は法律に準ずる必要がある
決算書や請求書などの重要な書類は、電子帳簿保存法などによって保存方法が定められています。昨今では紙の書類を電子化・PDF化する「スキャナー保存」の要件が緩和されましたが、税務処理における罰則は重くなりました。よってPDF化した処理の取扱いは十分に注意しなければなりません。
③：経営層がペーパーレス化を承諾しない可能性
企業内にはペーパーレス化を承諾しない経営層もいます。導入を実現するためには、目的を明確にし導入前後のコストの示す必要があるでしょう。また、メリット・デメリットも挙げて、投資対効果がどれだけ得られるかを確認してもらうことが大切です。

セキュリティと経営層からの理解は重要なテーマです。導入する前に必ずクリアする必要があります。